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閑話「愛と愛―有るか無いかどっちかな―」

俺の名前は無愛太一。

由緒正しき無愛家の長男だ。

学園で誰よりも強く高みにいるべき人間だ。

そう思っていた。


「くそっ、なんで俺があんな平民風情に、、、

いや、そんなこと言えないな」


俺は先日、学園で行われた魔法大会で

一人の同級生にこてんぱんにやられた。

それも前の日に馬鹿にしていた奴にだ。


「俺は弱かったのか、、、くそっ」


俺は今まで、貴族だから、というだけで威張っていた自分に

腹が立ち、威張り散らすのをやめた。

俺は今日、街に買い物に来ていた。寮にいても暇なだけだ。


「何か面白そうなことやってねえかな」


特に行くあてもなく、ただぶらぶらしていると

女の子が一人で泣いていた。


「ふええぇぇん」

「おい、どうかしたのか?」

「お母さんとはぐれちゃったの。どこいるかわかんないの」

「そうか、、、よし、お兄ちゃんが一緒に探してやるよ」

「本当?」

「ああ、お兄ちゃんに任せとけ」


そうして俺は、女の子と一緒に母親を探し始めた。


「まず、どこまで一緒に買い物してたの?」

「えっと、お店3つくらい」

「よしじゃあ最初のお店から行こうか」

「うん」

「よし、じゃあ案内して」

「こっちだよ」


女の子に引っ張られるようにして行った先は、、、


「よし、ここはやめておこう」


ランジェリーショップだった。


「どうして?」

「どうしても」

「わかった」

「よし、次だ」


そして次の店


「青果店か、、、中にはいないみたいだな」

「うん、そうだね」

「次のお店に行ってみようか」

「うん、、、」


俺が歩きだすと女の子が寂しそうに俺の手を

握ってきた。

次の店は子供服の店だった。

俺は店員さんに写真を見せながら声をかけた。


「あの、すいません」

「はい、どうかされましたか?」

「この人なんですけど、見かけませんでしたか?」

「えっと、、、いやちょっと見てませんね」

「そうですか、ありがとうございます」

「すいませんお力になれなくて」

「いえいえ」


俺は店から出ると一度広場に向った


「見つからないな」

「うん、、、すん、、ぐす、、ひっく」


俺が声をかけると女の子は泣き出してしまった


「おいおい、どうした!?」

「ぐすん、お母さんに会いたい」

「んーあーどーすっかな、、、そうだ

なあ嬢ちゃん、ちょっと俺の手見てみな」

「うん、、、」

「いくぞ《バード》」


俺は自分の手に木のつるを絡ませると2羽ほど小鳥を作り

女の子の周りに飛ばした

「わあすごいすごい!」

「まあな。この小鳥あげるから泣くのやめてもう少し頑張ろうな」

「うん!」


泣き止んだ女の子を連れて俺はまた母親を探し出した。






時は経ち夕方、未だ見つけられない俺たちは

再び広場に来ていた。


「なかなか見つからないな」

「うん、、、ぐす、、」


再び泣きそうになった女の子を見て、オロオロしていると

女の子は涙を拭って泣くのを我慢した。


「お、よく泣かなかったな。偉いぞ」

「うん、お母さんに会うまで泣かないって決めたの。

小鳥ちゃんたちもいるし、大丈夫」

「そうか、よし頑張るぞ」


その時


「亜美ー!」


と、遠くから女性の声が聞こえた。


「おかーさーん!」


そして女の子もその人の方へ走り出した。


「亜美、よかった」

「お母さん会いたかったよ」

「ごめんね、ごめんね亜美」

「大丈夫。お兄ちゃんが一緒に探してくれたの」

「まあ、そうだったの。どうもすいませんでした」

「いえ、大丈夫ですよ。よかったね亜美ちゃん」

「うん!」


そうして、亜美ちゃんとお母さんは手を繋いで

帰っていった。


「良かったな」


俺はそう呟くと学園に向った。

学園に向かう途中のこと。


「ねえそこの君」

「あん、俺か?」

「そう君。さっき迷子を助けてたでしょ?」

「ああ、そうだがそれがどうかしたのか?」

「ちょっと君に興味出てきてさ。学園まで帰りながらお話しましょ」


俺はその時の出会いを一生忘れない……


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