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グリム辺境伯軍がノース・ゲート砦奪還に失敗!ヴィルガルド軍のアンデッド兵はやっぱり強力!?

蒼河遥(あおかわ はるか)です。

本作に目を留めていただき、本当にありがとうございます!


突如アステリア王国に侵攻してきた東の隣国ヴォルガルド王国。

彼らはアステリア北東部のノース・ゲート砦を奪取した後、

その勢いでグリーン・ウッドの街にも侵攻してきますが、

そこは、レオン達の活躍もあり、グリーン・ウッド側が敵の撃退に成功します。

一方、ノース・ゲート砦を奪われたグリム辺境伯軍は、

その砦の奪還に動くのですが・・・


本日(6/22)から、1日2回の投稿ペースに変更させていただきます。

公開時刻は毎朝7時と夜21時10分となりますので、引き続き、よろしくお願いします!

ヴォルガルド軍のグリーン・ウッド侵攻から数日間、

オレは毎朝、召喚獣のイーグルにビジョン・シンクの魔法を使って、

街の東から南に掛けて、周囲を偵察することにしていた。


ヴォルガルド軍が、いつまた、この街に攻撃を仕掛けて来るか分からないからね。

けど今の所、ノース・ゲートの砦から

北西に川沿いを上がって来る敵の姿は確認できなかった。


一旦、こちらへの侵攻は諦めたのかもしれない。



【視点変更】 グルーデン・フォン・ベルシュタイン (ヴォルガルド軍 総司令 44歳男性)


「全く、フェルゼン副司令め、とんでもない失態を犯してくれたものだ。

たった200人程度の兵しかない街を、

3000の兵を引き連れても落とすことが出来ないとは。

しかも、精鋭の召喚士部隊を失った上、

神聖ルシア真理教から借り受けたネクロマンサー部隊も失ってしまった。

正直奴が、ここまで無能とは思わなかったぞ」


私は今、ハラワタが煮えくり返る思いを、必死に(こら)えていた。

フェルゼンのせいで、わが軍の当初の予定が、

ことごとく変更せざるを得なくなったのだ。


フェルゼンには、あれほど"油断をするな"と言っておいたにも関わらず・・・だ。


「それで閣下、今後の方針はいかが致しましょう?」


「ああ、明日、本国から新たな召喚士部隊とネクロマンサー部隊が到着する。

そしたら、川の向こうのグリム辺境伯軍に総攻撃を仕掛ける。

飛び道具で相手を混乱させ、敵の倍の兵で一気に押しつぶす。

そして、その後はグリム辺境伯領の領都へ進軍し、制圧するぞ!」


「はっ、承知しました」


戦いにおいては、数が正義。

その上で、更に我が軍が優位に立つための策も(ろう)すると言うのだ。

この戦い、どうやったって、我々の負けは無かろう?


フェルゼンめ、戦いは、どういう風に行えば良いのか、

その神髄というものを、とくと見せつけてやるぞ。




【視点変更】 レオン・ウォーカー (主人公)


2日後、市長のセシルさんの元に、

グリム辺境伯軍がヴォルガルド軍に敗れ、敗走中との連絡が入る。


突如、辺境伯軍のキャンプ地に現れたアンデッドの大群に襲撃され、

大混乱したところへ、敵イーグル隊による空からの攻撃。

その後、タイミングを計るように突撃してきた大量の軍。


アウレリアさんは、この可能性について、事前に辺境伯へ進言していたようなんだけど、

グリム辺境伯の対応は鈍かったそうだ。


初戦でノース・ゲート砦を落とされたとき、敵のイーグル隊が空から急襲してきたため、

今回も、空を随分警戒していたらしい。

ただ、アンデッドの転送については、懐疑的に見ていたそうだ。

まあ、あの転送については、オレも最初、すっごい驚いちゃったからね。


そんな事、出来る訳ない・・・って、

真っ当な武人であるほど、信じ難いのかもしれない。


因みに、アウレリアさんの辺境伯評は、"古臭いタイプの武人"らしい。

"古臭い"って・・・辺境伯って、まだ44歳らしいけど・・・。


なお、この戦いでアウレリアさんとシルヴェイン領の兵は、ボウガンを駆使して、

かなり健闘したそうなんだけど、前線が瓦解し始めた時点で、一時退却。

取り敢えず、皆さん、無事だそうだ。


そこは、ひと安心なんだけどね。


ノース・ゲート砦から撤退したグリム辺境伯軍と、周辺の領地からの援軍は、

一旦、15キロメートル南にあるアイゼン市に撤退。

ここで王都からの援軍を待つことになる。



【視点変更】 アウレリア・シルヴェイン子爵 (領主様 32歳女性)


「・・・私が敵の司令官だとしたら、ノース・ゲート砦から南に15キロメートルの位置にある

このアイゼン市は無視して、西40キロメートルに位置する領都グリムガルドを目指します。

アイゼン市に回り道する理由は無いと思います」


ノース・ゲート砦の戦いに敗れた、グリム辺境伯軍、エルフォード辺境伯軍、

そして我がシルヴェイン子爵軍の連合は、グリム辺境伯の指示の下、

砦の南15キロメートルにあるアイゼン市に撤退。

ここで軍の建て直しを期すことになっていた。


そして今、各軍の主だったメンバーが集まり、軍事会議を行っている最中だった。


「だがなシルヴェイン子爵、もし我々1万の兵を無視して、ヴォルガルド軍が

西に直進したら、我々はその背後を突くことが出来る。

領都には5千の兵が残されている。簡単には落ちやしない。

そうすれば、我々は敵を挟み撃ちに出来るのではないか?」


「領都内に、あの忌まわしいアンデッドが解き放たれたら?」

「・・・・」


そう、グリム辺境伯は、一般的な戦いを基準に物事を考えてばかりいる。

敵イーグル隊や、あのネクロマンサーによって転送されてくる

アンデッドの危険性について、未だにキチンと理解しきれていないようだ。

一度ならず、二度までも痛い目に遭っているというのに。


「グリム辺境伯、私もシルヴェイン子爵の意見は、一考の価値があると思います」


今回のこの危機に、いち早く駆け付けてきたユリアン・フォン・エルフォード辺境伯も

私の意見に賛同してくれている。


エルフォード辺境伯は、わが国の中でも指折りの知略派。

対してグリム辺境伯は、昔ながらの武に重きを置く、少々古臭いタイプの武人だ。

しかも、ノース・ゲート砦を失って以降、その判断力は鈍っていると言える。

残念ながら、この両者は、見えている物が、全くと言って良いほど違うのだ。


「だが、今更どうしろと言うのだ!?

これから領都に移動を始めたら、下手をすると途中でヴォルガルド軍に追いつかれて、

背後から攻撃を受けてしまう可能性もあるぞ?

このアイゼン市から領都へ向かうには、

我々は一旦、ノース・ゲート砦から領都へ通じる1本道に戻らねばならない。

このアイゼンから、領都へ直接向かう道はないからな」


そう、確かにそれは、その通りなのだ。

なので、最初からアイゼン市に向かわず、我々は領都へ向かうべきだったのだ。

私は最初に、そう進言していたのに・・・


「現在、敵の動きはどうなっていますか?」


「斥候からの報告では、我々の戦闘後、砦の西で体勢を整えているようだ、

エルフォード辺境伯」


「逆に王都からの援軍は、いつ頃?」

「明日だ・・・・明日、このアイゼン市に到着すると報告を受けている。

総勢3万の軍が、もう直ぐ・・・もう直ぐなんだ」


「逆でしょう。もし、ヴォルガルド軍が、王都からの援軍の位置を把握していれば、

我々と合流する前に、西へ進軍を開始するでしょう」


「なら、我々はどうすればいいと言うんだ!

シルヴェイン子爵よ!」



私の言う事が、いちいち気に食わないのか、

グリム辺境伯は、ついにキレ始めてしまう始末。

私は、恐らく事実になるであろう事を進言しているに過ぎないのに。


戦に希望的観測は禁物。

敵は常に、我々の弱みを突き、予想しないことをしようとしてくるものだから。

だが現実問題、我々が今打てる手は、殆ど無いのも実情だ。

せめて・・・せめて、グリーン・ウッドの銃撃隊が居てくれれば。

そしてレオンが私の元に居てくれれば・・・。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


グリム辺境伯軍はノース・ゲート砦奪還に動きますが、

グリム辺境伯自身、どうも精彩がないようですね。

召喚獣やアンデッドを駆使して来るヴォルガルド軍に

手も足も出ないようです。

果たして、彼らは無事ノース・ゲート砦を奪い返すことが出来のでしょうか・・・


そんな次回以降、どの様な波乱が巻き起こっていくのか?

今後の展開にも、是非ご期待ください。


もし「続きを読んでみたい」と感じていただけましたら、

画面下にある【ブックマークに追加】や、評価の【☆☆☆☆☆】をいただけますと、

執筆の大きな励みになりますので、是非、よろしくお願いします!

それでは、次回の更新まで、今しばらくお待ちください。

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