最悪の襲撃者
「あーもうやだ…」
あのあと俺は自宅のベッドにダイブをして頭を枕に埋めていた。
「なんだよ蜥蜴人の恥さらしって…」
その言葉ががずっと頭にこびりついていた。
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五歳の時転生者だと自覚したと同時に自分が蜥蜴人だということに驚いた。全身が茶色の鱗で覆われていて前世にはなかった尻尾が生えているのだから。最初は困惑したが、数分経つと不思議なことに慣れた。なんでだろ?体の感覚は尻尾がある以外は人間の頃とほぼ一緒だったからかな?
生まれた場所は蜥蜴人が集まって暮らしている村で、八歳の頃に俺は学校に通っていた。
あっ、学校と言っても前世の小学校みたいな大きな建物じゃなくて寺子屋みたいなところだからな。
そこで俺は授業を受けたんだが…
酷かったな今思うと…
別に不良まがいなことは何もしてない。ただ他よりも成績が極端に悪かったのだ。文字は日本語が頭に染み付いてるせいか覚えが悪かったし…
一番酷かったのは竹刀を使った戦闘訓練だった。日本で普通に暮らしていた俺にとって戦いの仕方なんて全く分からずいつもフルボッコにされていた。
それでいつの間にか蜥蜴人の恥さらしと言うレッテルを貼られてあんな奴らからいじめを…
「んがー!!昔の事を思い出してもしょうがない!戦えない代わりに農業で稼いで生活しているわけだし、別にニートなわけじゃないし!!」
そもそも蜥蜴人全員強いなんて常識誰が考えだんだよ!俺みたいな落ちこぼれがいると言う事を覚えとけ!!
…自分で言ってて悲しくなってきた…今日は飯食って寝よ…
そう思い料理をしようと部屋を出てリビングへ向かった。
「あれここに野菜があったはずなのに…肉もない…飲み物もない!まさか泥棒が…」
その時食べ物をぐちゃぐちゃと汚い食べかたをしてるかのような音が聞こえてきた。飼育小屋の方から音がしたぞ…俺はフライパンと包丁を手にして小屋へ向かった。
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「村長大変です!」
「どうしたレンヤよそんなに慌てて?」
蜥蜴人の村のとある家で若いリザードマンの兵士レンヤと村の村長が会話をしていた。
「この村へ多数の魔物群が迫ってきています!」
「何それはほんとか!?すぐに兵士達に戦闘体制をとらせ、女や老人子供はすぐに避難をさせろ!」
「はい!……アガッ……!」
すぐに動こうとしたレンヤだったが突然腹部に鋭い痛みが走り膝をついた。腹部を確認すると長い鎖が体を突き破っていた。
「何!レンヤ!」
「不意打ちに反応できんとは、この村の兵士は大したことないな」
後ろを振り返るとそこには鎧を着たゾンビが立っていた。
「ぐはっ…!貴様ー!!」
すぐに剣に手を掛け目の前の敵に切りかかった。だが…
「ぐああーー!!」
「やめときなお前が受けた鎖は呪い付きだ、動けば動くほど体を蝕むぞ」
レンヤの体は鎖が貫通した部分からどんどんと黒に変色をしていっていた。
「おい、お前が村長か?」
「くっ…そうだが。お主の目的は何だ!?それを教えてもらおうか!」
「そう急ぐな。まずはお前には人質になってもらう」
そう言うと、骸骨は鎖を浮かし村長の体に巻きつけ動きを封じた。
「村…長…」
レンヤの意識はそこで途絶えてしまった。
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「…頼むぞ〜、気のせいだったてオチにしてくれよ〜」
主人公は現在牛小屋の前におり、ビビりながら扉に手を近づけている。
「よよよし、せーの!…んガくっさーー!!」
飼育小屋なのだから臭いのは当然だろうと普通は思うだろうが、いつも嗅いでいる糞や餌などが混ざった臭さではないことに気がついた。なんか血生臭い匂いだ。
「げげ!牛が骨になってる!!ああ!鶏もだ!」
全ての家畜を調べたが全員が食われてしまっている。俺の生活費が…
「あっ…」
「gururuu…」
あれー、振り向いたら牛の頭を丸かじりにしてる鳥とライオンが合体したような化け物が睨みつけてるーー。
「あっはっはっはっー!さいならーーー!!」
身の危険を感じすぐに逃走の体制に入ったが化け物は空を飛んで追ってきた。
「guaaaーー!!」
「おわーっ!こっちくんなーー!!」
慌てて俺は飼育小屋を飛び出して逃げた。
「誰か助けてくれぇー!」




