ロイネの力
一息つける
1年後、この日も3人は川辺に集まっていた。みんな4歳の頃からの友達だが、ここのところ毎日集まるとはいかなくなっていた。1年前海に行くという夢を叶えるためにそれぞれが動き出したのだ。ゼフィルはこれまで嫌いだった勉強を真面目に取り組始めた。剣の稽古も真面目に取り組んでいたが今までよりも自分に厳しくなった。勉強面では家庭教師をびっくりさせるほどの秀才っぷりを発揮したのだが、剣の方は微妙だった。
ロイネは剣の稽古をしてどんどん強くなった。今では大の大人でも勝てないくらいになった。勉強は全然だが、兵としては将来が楽しみだと、村の衛兵もいうほどだ。身長も168センチとなり、筋肉もすごく付いている。
ジャスミンは今も家事の手伝いから、料理、野宿の練習と幅広く手を出して旅の準備を始めている。料理の腕に関しては親も勝てなくなってしまったほどだ。勉強もしっかりしている。
こんな3人は3日に一回遊ぶようにしている。そのうちの30分ぐらいは毎回ロイネとゼフィルは木刀を使って剣の稽古をしていた。毎回10戦してだいたいロイネ8勝2敗、ゼフィル2勝8敗だ。ゼフィルは草原で息を吐きながら、
「ロイネは、強くすぎる。だいたい上から叩きつけられたら防御するしかないじゃん。」
「だからお前は弱いんだよ。工夫でどうにかしろよ。」
「いやいや、その隙がないじゃん」
「その隙を作らないようにしてるからな。」
だいたい毎回同じようなことを言うので、ジャスミンはツッコミもしない。眺めているだけだ。剣の稽古が終わったのを見て、ジャスミンが
「そういえば父さんが言ってたけど、近々隣のボガネ子爵が騎士爵料理に来るらしいじゃない。」
「そうなんだ、父上が少し緊張してたよ。」
「まあ、ゲイル様のことだから大変なことにはならないだろ。」
「うん、父上は有能だからな。」
この日も平和な1日が終わった。しかし、もう危険は目の前まで迫っていたのだ。
ボガネ子爵領、屋敷
「もう準備は整っているな」
「はい、軍の配備は完璧です。すぐにでも騎士爵領に攻め込むことができるでしょう。」
「世界各地で戦乱の種がばらまかれている。この期に我々も領地を増やそうではないか。奴にはもうほとんど味方がいない。」
クフクフと不気味な声が屋敷に響いていた。




