自らに対する毒
固有能力『毒究明』により、計6種の毒をあっさりと生成可能になったエルガだったが、はっきり言ってこれは異常なのだ。何故なら、固有能力『毒究明』は、『あらゆるモノに対する毒を、研究し、究明し、作成し、使用する』事の出来るスキルであり、瞬時に作成することはまず不可能に近いからだ。
当然、エルガもその疑問を抱いており、
(とりあえず、何で急に毒が作れたんだろ?最初は固有能力だからってことである程度納得しかけたけど、流石にそれだけじゃ無理があるよね。で、固有能力『解析』とリンクしたから作れたんだから……)
そこまで解析し、エルガは一つのことを思い出した。
(確か最初に『解析』を使った時に、構造とかそれの情報が何となく分かったんだったね。…………ん?となると、もしかして、その工程で、『研究し、究明』するっていう項目を満たしたの、かな?)
実際、それは殆ど正解である。もともと、『解析』は世界の機構の一端であり、世界の機構だけあって、全てのものを、時間さえかければ、そのモノが持っている情報を完全解析することが出来る。更に、その情報には、対策方法、破壊方法、構築方法その他多数が含まれている。その結果を『毒究明』の、『研究し、究明』するという項目に当て嵌めることで飛躍的な速度で『作成』することが出来る。
また、称号『陰陽コンビ《陰》』の称号効果も関係している。毒という物のイメージを『光』と『闇』で考えるならば、殆どの人が『闇』と答えるだろう。実際エルガは無意識下では『闇』だと思っているし、その結果、『陰陽コンビ《陰》』の称号効果『闇系統に対する適正』で補助する結果となり、結果的に、より毒を作成しやすくなっていた。
更に、エルガは『腐食毒』等の『〜専用毒』の後に出来た毒は、元の毒から派生したと思っているが、実際は違う。世界がエルガが生み出した毒を解析し、その解析が固有能力『解析』と連動した結果だ。固有能力『解析』が、元は世界の機構の一端であったことから起こった、所謂イレギュラーなのだ。
流石に称号効果や世界の機構が関係しているとは気づいていないエルガは、取り敢えず、『解析』したものに対する毒を作成できるならば、自分が属する魔粘体種に特効の毒を作成することができるかと思い、自分自身の体表面を伸ばし(この程度ならば、本能的に分かる)、『解析』してみた。
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個体名 エルガ
種族 特異毒粘体
年齢 16(0)歳
Lv. 1
加護 原神の加護
HP 240/240
MP 300/300
力 30
体力 55
敏捷 40
防御 35
精神 380
知力 350
耐性 240
魔力 50
種族特性
『特異体』
『名付き』
『瞬間適応:毒類』
『捕食』
『吸収』
『分裂』
『融合』
『擬態』
『再生』
『火属性ダメージ増加』
『物理耐性』
『◼◼◼◼◼』
固有能力
『毒究明Lv.1』
『解析Lv.1』
普通能力
『記憶力強化Lv.8』
『剣術Lv.1』
『体術Lv.1』
『隠蔽Lv.8』
称号
『陰陽コンビ《陰》』
『運を奪われし者』
『転生者』
『異界の魂』
『特異体』
『名付き』
『原神の眷属』
解析結果
異世界の魂を持つ、元人間の転生者。世界間の壁を超え、魂を中途半端に解析された結果、固有能力『解析』を発現。ステータスシステムをインストールした瞬間に固有能力『毒究明』を、前世の魂の経験から発現。器として作成された魔粘体種へと魂が納まった瞬間、固有能力『毒究明』の影響により特異進化した。また、原神の加護を持ち、原神の眷属である。◼◼、◼◼◼◼◼◼◼◼◼◼◼◼、◼◼、◼◼◼。(魂の格の不足により閲覧不可。)
魔力波長が、水、闇、時空のため、水属性、闇属性、時空属性の魔法、及び魔術が使用可能。
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〈固有能力『解析』による、特異毒魔粘体の完全解析を完了〉
〈続けて、固有能力『毒究明』により、特異毒魔粘体種専用毒を作成します。〉
〈固有能力『毒究明』により、『特異毒粘体種専用中和毒』『特異毒魔粘体種専用再生阻害毒』『特異毒魔粘体種専用能力阻害毒』『特異毒魔粘体種専用体細胞麻痺毒』『特異毒魔粘体種専用腐食毒』『特異毒魔粘体種専用行動阻害毒』『特異毒魔粘体種専用特異封じの毒』『特異毒粘体種専用魔力阻害毒』『特定魔力波長侵食毒:水』『特定魔力波長侵食毒:闇』『特定魔力波長侵食毒:時空』を作成しました。〉
〈各種特異毒粘体種専用毒を統合し、『特異毒粘体種専用毒』となりました。〉
〈固有能力『解析』により、『特異毒粘体種専用毒』を解析し、『魔粘体種共通毒』を作成しました。〉
〈また、各種毒類を固有能力『解析』により解析し、『中和毒』『能力阻害毒』『体細胞麻痺毒』『行動阻害毒』『固有能力封じの毒』『魔力阻害毒』を作成しました。〉
(〜〜〜……多すぎる……。まあでも、『魔粘体種共通毒』は出来たし、予想外の毒もできた。予想外の結果も出た。これなら、第1階層のボスは安全に行ける……かな?)
何故エルガが『魔粘体種共通毒』に拘ったのか。それは、第1階層のボスが『キングスライム』だからだ。
(この扉を開けて直ぐにアレを使われたら危ないし……。……やっぱり、暫くはここで体の動かし方とか、スキルとか、魔法?魔術?の練習かな。安全を期すために。)
目の前の扉を見ながらそう考えて、エルガは作成した毒と魔法等について『解析』を掛けながら体の動かし方について本能的な慣れではない、経験的な慣れを付け始めた。
どうもー、frithでーす。
お久しぶりです。いやー、学校が始まって、更新出来なくなってました〜。すいませーん。
これからは毎週土曜日更新になると思います。
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