風が囁いた:エリッサとセラヤの間の問題
その後の数日間、南の村では比較的穏やかに時間が過ぎた。カエルレスの到着を待つ間、私はこの村の暮らしについて基本的なことをいくつか学ぶことにした。漁網を張るのを手伝い、煙と塩を使った魚の保存方法を見学し、共同のカヌーをまともに操れるようになるために何時間か練習した。水の中に広がる巨大な根を避けるのは、櫂を自分で握っている時の方がずっと難しいということをすぐに思い知った。
だが、次第に気になり始めたのはエリッサだった。
彼女は相変わらず湿気や魚の臭い、渡り道、そして南の村を悪く言う材料にできそうなものなら何にでも文句をつけていた。それでも、父親の到着が近づけば近づくほど、楽しみにしている様子がなくなっていった。カエルレスがあとどれくらいで来るのか聞くこともなく、誰かが訪問の話をするといつも話題を変えた。理由は聞かなかったが、少し変だと思い始めていた。
ある午後、私は主要な足場の近くで、水泳競技の準備をしている人たちを眺めていた。そこへセラヤが現れた。
「さあ、チュニックを脱いで」私の横を通りながら彼女が言った。「あなたも参加するのよ」
私は困惑して彼女へ顔を向けた。
「俺が何に?」
「泳ぐのよ、アルヴェン。槍も使えない予言の英雄が、まさか泳ぐことまでできないなんて言わないでしょうね」
「水が怖いわけじゃない、セラヤ。ただ泳ぎを習う機会がなかっただけだ」
彼女は私の話など聞きもせず、背中を押して足場の方へ進ませた。
「文句言わないの。子供たちだって参加してるんだから。それに泳げなくても心配しなくていいわ。もし溺れたら、私が仕方なく人工呼吸してあげるから」
私は一瞬立ち止まり、彼女を見た。
セラヤは、たった今そんなことを言ったとは思えない顔でただ笑っていた。
彼女が単に私をからかうのが好きなだけなのか、それともそこに何か別の意味があるのか、私はまだ判断できずにいた。この村へ来てからというもの、彼女は私の腕に絡みつき、髪をいじり、ああいうことを恐ろしいほど自然に口にしていた。
その一方で……私は異世界へ召喚された英雄だった。
ついに物語の中で、美人が俺に興味を持ち始めるあの展開が来たのだろうか?
私はもう一度セラヤを見た。
彼女はまだ笑っていた。
いや。彼女については、期待しない方がいいだろう。
数分後、その警戒は正しかったと分かった。私は一応それなりには泳げたが、南の村では大した意味を持たなかった。コースの半分にも届かないうちに、何人もの子供たちが屈辱的なほど先へ行っていた。差を縮めようと速度を上げた結果、水を飲み込み、完全にリズムを崩した。
シルヴァリスからダークエルフの能力を使えるようにしてもらった時、もしかすると泳ぐことまで自然にできるようになっているのではないかと、心のどこかで期待していた。
どうやら違ったらしい。
これは加護とは何の関係もなかった。南のエルフたちは生まれてからずっと水に入ったり出たりして生きてきた一方で、私は沈まない程度の経験しかなかった。
それでも、子供たちより後ろで終わるつもりはなかった。
腕を必死に動かし、呼吸をもっと上手く整えようとしながら泳ぎ続けた。少しずつ距離を取り戻すことができた。先へ行っていた何人かを追い抜き、上位の者たちはすでに遥か前だったものの、止まらずに最後まで泳ぎ切ることはできた。
足場にたどり着いた時には、腕がもう言うことを聞きたくないと訴えているようだった。縁へ手を伸ばすと、別の手が私の手首を掴み、引き上げてくれた。濡れた木の上に座り、咳き込みながら息を整えた。
「慰めになるなら」楽しそうな女の声が言った。「槍を使うよりは、少しだけ泳ぎが上手いわよ」
私は顔を上げた。
一人のエルフが、楽しそうに笑いながらタオルを手にして私を見ていた。白い髪は簡単ないくつかの三つ編みにまとめられ、小さな木製の飾り玉がついていた。
「それ、別に褒め言葉じゃないよな」私は答えた。
「ごめん」
差し出されたタオルを受け取った。
「ありがとう」肺が焼けるように感じながら深く息を吸った。「名前は?」
彼女は足場の端に腰を下ろした。
「ナエリス」
「アルヴェン」
「知ってる」
私は顔を拭いた。
「ここでも有名になったのか?」
「少しね。槍を使えないエルフでしょ」
私は一瞬目を閉じた。
「セラヤ」
ナエリスは笑った。
「彼女から聞いたの」
「やっぱりな」
ナエリスはまだ笑いながら、再び水面へ視線を向けた。
「セラヤとは小さい頃から知り合いなの。あの子は昔から、話の面白いところを広めるのが好きだったから」
私は髪を拭く手を止めた。
「一緒に育ったのか?」
「ほとんどね。私はこの村の出身だから。子供の頃は、この渡り道を走り回って、この辺りの水でずっと泳いでた」
彼女は数秒泳いでいる者たちを眺めてから続けた。
「エリッサとも昔から知り合いよ。カエルレスについて南を訪ねてくるたび、ほとんどの時間を私たちと一緒に過ごしてた」
私はナエリスをより注意深く見た。
「その頃のエリッサを知ってるのか?」
彼女は、何か面白いことを思い出したように少し違う笑みを浮かべた。
「知ってる。それで一つだけ保証できるわ、アルヴェン。エリッサとセラヤの関係は、今あなたが見てるものとはまるで違った」
ナエリスの言葉で、ヴァエロリンとの会談の最後を思い出した。あの二人が天井から落ちてきて以来、彼女たちの過去への好奇心がずっと頭の中にこびりついていた。
エリッサ本人に直接聞くことも考えたが、「あなたには関係ない」と言う前に顎を強張らせる姿が簡単に想像できた。セラヤから何か聞き出そうとするのはさらに悪い。話を好き勝手に歪め、私の好奇心を使ってエリッサをからかうに決まっている。だが今、ナエリスの方から自然にその話を持ち出してくれた。機会が向こうから転がり込んできたようなものだった。
「どう違ったんだ?」ただ何となく興味があるだけのように聞こえるよう意識して尋ねた。
ナエリスはわずかに眉を上げ、私を見た。
「待って。エリッサと一緒にいて、本当に知らないの?」
「エリッサが何度も強調するのは、二人は友達じゃないってことだけだ。この話をしつこく聞いたら、足に石を結びつけられてここから落とされる」
ナエリスは笑った。
「友達じゃない……今聞くと変な感じね。子供の頃は、あの二人を引き離す方が難しかったのに」
私は足場の上で座り直した。
「そんなに仲が良かったのか?」
「すごくね。カエルレスが南へ来ると、エリッサは訪問が始まるのも待ちきれないみたいに、すぐセラヤを探しに行ってた。ヴァエロリンがセラヤを北へ連れて行った時も同じ。ほとんどずっと二人で一緒にいたわ」
「何してたんだ?」
「泳いだり、訓練したり、何時間も姿を消して、誰かが探しに行く頃に帰ってきたり。どちらかが相手の村に泊まる時は、いつも同じ部屋で寝てた。それに喧嘩もよくしてたけど、長くは続かなかったわ。少ししたら、また一緒にいた」
私はナエリスを見つめた。
子供の頃のエリッサが誰かと喧嘩したり、大人の言うことを聞かなかったり、問題を起こしたりする姿なら簡単に想像できた。そこには何の努力も必要なかった。
だが、誰かに対してそんなふうに接するエリッサは想像できなかった。
「待って。エリッサって本当にセラヤにべったりだったのか?」
ナエリスは私の驚いた表情を見て笑いながら首を振った。
「分かるわ。今だと信じにくいよね。でも見ておくべきだったわ。時々、片方がもう片方の手を引っ張って渡り道を走ってた。一人を見かけたら、装備一式を賭けてもいいくらい、もう一人も近くにいたの」
それには本当に驚いた。私が知っているエリッサは、助けを受ける時ですら文句を言う。そんなふうに警戒を解き、別の村に着くたび誰かを探して、その人のそばにいることを自分から望む姿はあまりにも想像しづらかった。
「うーん……それなら、二人は友達じゃないってあそこまで言い張るのが、余計に変に見えるな」私は言った。「本当に怒ってるっていうより、防衛反応みたいだ。それに、もう一つ分かった」
「何?」
「セラヤがどうしてあんなに簡単にエリッサを苛立たせられるのか」
ナエリスは笑った。
「ああ、それはそうね。セラヤは闇雲に撃ってるわけじゃないから。エリッサの鎧の弱点を、誰よりもよく知ってる」
「そこまで仲が良かったのに、一体何があってあんなふうに皿を割るようなことになったんだ?」私は今、尋ねた
ナエリスは答える前に、下を通っていくカヌーへ視線を向けた。
「だいたい、セラヤが成人の試練を受けた頃ね」
この森へ来てから、その儀式についてはいくつか聞いていたが、きちんとした説明を受けたことはなかった。
「セラヤはヴァエロリンの後継者だから、試練は個別だったの」ナエリスが説明した。「指導者の子供は違うのよ。指導者が後継者に準備ができたと判断したら、その子専用の試練へ推薦する。セラヤはヴァエロリンに推薦され、合格して、正式に大人として認められた」
「エリッサは?」
「その時、カエルレスはまだ彼女を推薦してなかった」
私は顔をしかめた。
「さぞかし喜んだだろうな」
ナエリスは笑った。
「むしろ逆よ。エリッサはセラヤのことを喜んでた。試練の間も応援してたし、合格した時は一緒に祝ってた」
「本当に?」
「本当。そこでは何も喧嘩してないわ」
それには少し驚いた。エリッサはほとんど何でも競争に変えそうなくらい誇り高いのに、セラヤが自分より先に大人として認められたことは問題ではなかったらしい。エリッサ自身がその認定を受けたのは、つい最近のことだった。
「じゃあ何があったんだ?」
ナエリスは一瞬ためらった。
「男の子」
私は瞬きをした。
「男?」
「ここの戦士よ。二人より何歳か年上だった。今では村の巡回隊の一つを率いていて、南でも屈指の戦士とされてる」
私の想像力は勝手に残りを補完した。なぜか、巨大な体に傷だらけで、三人まとめて貫けそうな長槍を持った男を思い浮かべた。
「エリッサとセラヤがまだ十代だった頃、二人ともその人が好きだったの」ナエリスは続けた。「それはお互い知ってた。二人の間では秘密でも何でもなかったわ。当時は、どっちが先に彼の気を引けるか冗談で競ってたくらい」
「それで問題にはならなかったのか?」
「ならなかった。ただの十代の恋心だったし。二人の友情も変わらなかった」
「変わるまでは」
ナエリスは頷いた。
「セラヤが大人として認められてからしばらくして、エリッサがまたカエルレスと一緒に南へ来たの。それで到着した時、セラヤがその同じ戦士と婚約してることを知った」
私は目を見開いた。
「婚約?」
「そう。正式な婚約よ」
今度は、ナエリスが続きを話す前から口論の光景が想像できた。
「喧嘩したのか?」
「かなりね。会話の全部を聞いた人はいなかったけど、外からでも二人が言い争ってる声が聞こえた。そのあとエリッサは怒って飛び出して、そのまま北へ帰ることにした。それ以来、二人はもう昔みたいには戻らなかった」
「それからずっと今みたいな感じ?」
「だいたいね。会えば言い争って、嫌味を言い合って、何年もずっと一緒にいたことなんてなかったみたいに振る舞うの」
ナエリスは、私がまだ持っていたタオルを取って、膝の上で畳んだ。
「ここのみんなにとっては、何があったのかかなり分かりやすかった。二人とも同じ男の子が好きで、結局セラヤがその人と婚約して、エリッサがそれを受け入れられなかった」
私は数秒、水面を眺めた。つまり、そういうことだったのか。
あれだけ気になっていたのに、理由は思っていたよりずっと単純だった。エリッサとセラヤは何年も親友で、同じ男の子を好きになり、セラヤがその人と婚約したことで全部が壊れた。
普通すぎて、むしろ拍子抜けするほどだった。ここ数日、二人の間には何か恐ろしい秘密でもあるのかと想像していたのに、結局は大きな十代の恋愛騒動だったらしい。
受け入れにくいのは、喧嘩そのものですらなかった。
エリッサが誰かに恋をしていたということだった。
彼女が男の子をそんな目で見たり、近くにいるだけで緊張したり、気を引こうとしたりする姿を頭の中で想像しようとしたが、どうしても私の知っているエリッサとは結びつかなかった。私にはもっと些細なことで脅してくるあのエルフが、かつてはどちらが男の子を落とせるかでセラヤと何年も言い合っていたらしい。
エリッサの誇りの高さを考えれば、そんな状況が大喧嘩に発展するのも簡単に想像できた。
「それで二人は話さなくなったのか」
「ここでは、ほとんどみんなそう思ってる」ナエリスが答えた。「あの日に起きたことを考えれば、他の理由は思いつきにくいもの」
私はゆっくり頷いた。
謎は解けたようだった。ただ、期待していたほどの大きな真相ではなかった。結局のところ、エリッサとセラヤのあの敵対的な関係は、二人の少女が同じ男の子を好きになったという、あまりにもありふれたことから始まったらしい。
まだ別に気になることはあったが、これは関係なさそうだった。カエルレスは数日以内に南の村へ来る予定で、誰かがその訪問を話題にするたび、エリッサはまったく嬉しそうにしなかった。理由はまだ分からなかったので、ひとまず考えるのをやめた。
私は水面を見続けていたが、やがて話の別の部分が気になった。
「待って。セラヤって、今もその人と婚約してるのか?」
ナエリスが眉をひそめた。
「もちろん。婚約は続いてるわ」
私は数秒動かなかった。
「まだ?」
「そうよ。どうして?」
工房でセラヤが私の腕に絡みついていた光景がすぐに頭に浮かんだ。私の髪をいじり、わざと身体を寄せ、エリッサをからかうためだけにああいうことをしていた姿。
それに、ほんの数時間前には、もし私が溺れたら人工呼吸してあげると言っていた。
全部からかいだ。それは分かっている。
だが、事情を知らない誰かが見たら?
私はナエリスを見た。
「それで、その人はここの中でもかなり強い戦士なんだよな」
「かなりね」
「槍を使う」
「すごく上手いわ」
最高だ。
私は顔を手で覆うように撫でた。それまで、セラヤの婚約者は巨大で恐ろしい戦士なのだろうと勝手に想像していた。そして今、その彼女が正式にまだ婚約している身でありながら、村中で私にあんな冗談を仕掛けて歩いていると知ってしまった。
ナエリスは困惑した様子で私を見た。
「何かあったの?」
「心の底から、何も起きてないことを願ってる」私は顔を手で撫でながら呟いた。
彼女は片眉を上げたが、私は説明しなかった。
その時点で、エリッサとセラヤに対する私の好奇心はほぼ満たされていた。その代わり、新しい心配事ができてしまった。
セラヤの婚約者が、私に会いたがる理由なんて持っていないことを願うばかりだった。




