風が囁いた:二人きり
夜を過ごせる場所を探しているうちに、私たちは川床から数メートル高くなった自然の高台へたどり着いた。
そこは太い根に囲まれた小さな岩場のようになっており、何かが近づいてきても、かなり手前から周囲を見渡せそうだった。
エリッサは、ここに留まってもいいと判断する前に、周囲を慎重に調べた。
近くの根や岩を確認し、爪痕、毛、食べ残し、新しい糞など、この場所を頻繁に使う生き物がいる痕跡を探している。
数分後、彼女は私のところへ戻ってきて頷いた。
「ここでいい」
場所としては十分そうだった。
だが、まだ問題が一つ残っていた。
服がまだ湿っている。
歩いている間に多少は乾いたものの、まだ重く、肌に触れるたび冷たかった。
夕方も終わりに近づき、気温も少しずつ下がり始めている。
このまま一晩過ごせば、朝には今よりひどい状態になっている可能性が高かった。
エリッサは、まだ最後の陽の光が当たっている低い枝をいくつか指した。
「服をあそこに掛けて。暗くなる前に、できるだけ乾かしておいた方がいい」
私は彼女を見て、それから枝を見た。
「その間、俺たちはどうするんだ?」
エリッサはすぐには答えなかった。
近くに生えている植物のところへ行き、その中から大きく丈夫な葉を持つものを選んだ。
表面を指でなぞり、茎を確認してから、慎重に一枚の葉を切り取る。
身体の大部分を隠せるくらいの大きさがあった。
「こうする」
エリッサは、その葉を簡単に身体へ巻きつけて固定すると、ほかの植物を指した。
「あなたも一枚取って。それから濡れた服を脱いで」
まるで何でもないことを言ったように、彼女は背を向けた。
私はしばらくその姿を見つめてから、ため息をついた。
「ずいぶん普通に言うな」
「別に難しいことじゃないもの」
「お前にとってはな」
「アルヴェン」
「分かったよ」
まず、ネモニオンに襲われてからずっと持ち歩いていた破れたチュニックを枝へ掛けた。
それから、まだ湿っているほかの服も脱ぎ、その横へ干していった。
終わると、エリッサが身につけているものと似た形にできそうな、大きな葉を探しに植物のところへ向かった。
少し色の薄い葉を見つけ、手を伸ばす。
「それは駄目」
茎へ触れる直前で止まり、彼女を見た。
「どうして?」
「樹液が肌を刺激するの。それを切って身体に巻いたら、一晩中皮膚が傷だらけになるわよ」
私は即座に手を引いた。
「そりゃそうだよな。ここの即席の服まで俺を殺そうとしてくるのか」
エリッサは数歩先にある別の植物を指した。
「もっと濃い緑の方。あれなら大丈夫。ただし、切った茎の部分を肌に擦りつけないで」
「分かった。ありがとう、エリ……」
言われた葉を取ってから、返事をしながら振り向いた。
だが、最後まで言葉が出なかった。
エリッサが肩越しにこちらを見ていた。
私がそれに気づいた瞬間、彼女は視線を逸らし、完全に反対側を向いた。
私は葉を身体の前に持ったまま、数秒その背中を見つめた。
「見てた?」
「見てない」
返事があまりにも速すぎて、余計に怪しくなった。
「いや、普通に見てたの見えたけど」
「どの植物を取るか見てただけ!」
「でも、もう正しい葉を持ってたぞ」
エリッサは少しだけ顔を横へ向けた。
だが、私を直接見ることは避けている。
「あなたはこの辺りのことを何も知らないでしょ! 誰かが見てないと、葉っぱを選ぶだけで勝手に死にそうなんだから!」
私は笑いをこらえながら、葉を腰へ巻きつけ始めた。
「つまり、俺が見張ってないと危ない子供みたいだから見てたってこと?」
「みたいじゃない。実際そういう行動してる」
「なるほど」
「分かればいい」
葉をしっかり固定し、もう一度彼女の方を見る。
エリッサはまだ背を向けていた。
だが、妙に肩へ力が入っている様子を見ると、本人が思わせようとしているほど平然としているとは思えなかった。
「正しい葉を選んでるか確かめるのに、ずいぶん長く見てたんだな?」
彼女は即座に顔をこちらへ向けた。
「まだ言うなら、さっきの葉を使わせるわよ」
私は両手を上げた。
「分かった。もう終わり」
待っている間、私は岩の一つの陰へ座った。
エリッサは小さな高台の反対側にいて、森の様子を見るのに忙しく、もう私の方へ視線を向けることはなかった。
少なくとも、そう思うことにした。
服から大半の湿気が抜けるまでには少し時間がかかった。
その間、エリッサは根の下や岩の隙間を探し、雨や地面の湿気から守られていた乾いた木を集めていた。
ようやく服が我慢できるくらいまで乾くと、私たちは再び着替えた。
私のチュニックは相変わらずひどい状態だった。
片袖は破れ、裾の方もいくつも布が失われている。
エリッサには歩いている間は着るなと言われていたが、もうびしょ濡れではなかったので、再び着ることはせず、そのまま持ち歩くことにした。
ほかの服も完全に乾いているとは到底言えない。
それでも、少なくとも以前ほど身体へ張りつかなくなっていた。
私は夜目を使いながら、エリッサと一緒にさらに小枝を探した。
木々の間から光が消えていっても、ルクス・ミニマを使うことなく地面や根、落ちている木片を見分けることができた。
より乾いている枝を選ぶには注意が必要だったが、少なくとも「見えない」という問題はもうなかった。
完全に暗くなると、エリッサは岩と岩の間にある窪みを選び、小さな焚き火の準備を始めた。
「火をつけるのは最悪の考えじゃなかったのか?」
私は聞いた。
「昼間、移動してる時はね。幼虫を少し焼くだけのために煙を出して、すぐその場所を離れるなんて意味がなかった。でも、ここでは一晩過ごす。身体も温めないといけないし、岩が火の光の大部分を隠してくれる」
彼女は乾いた小枝を岩の間へ並べながら続けた。
「火を小さくして、乾いた木を使えば、煙もそんなに出ない」
私は頷きながら、細い枝を近くへ運ぶのを手伝った。
今回は少なくとも、違いが分かった。
焚き火は岩の間にほとんど隠れるくらい小さかった。
高台の外まで大きく照らすほどではない。
それでも夜を少し過ごしやすくするには十分な熱があった。
それからエリッサは、乾いた葉を避難場所の二か所へ分けて敷き、それぞれが眠れる簡単な寝床を作った。
私も小さな石や枝をどけるのを手伝い、そのあと火の近くへ座った。
しばらくの間、私たちは森の音と、小さく木がはぜる音を聞いているだけだった。
今でも二人の間に沈黙が訪れることはある。
だが、それは最初の数日とは違っていた。
あの頃は、少し話すだけでも最後には疑いや苛立ちへ変わっていた。
峡谷からここまでに起きたことを考えると、小さな焚き火の横でエリッサと一緒に座り、何かから逃げる必要もなく、次の数分をどう生き残るか言い争う必要もない時間があることは、自分でもこんなに早く変化として感じるとは思っていなかった。
岩の間に隠れるように残っている熾火を見つめているうちに、私の頭は、仲間たちと離れてから起きたことを一つずつ思い返し始めた。
たった一日と少しの間に、巨大な蜘蛛、キメラ、ヴァリス湿原、ネモニオン、そして最後には腐った倒木から取った幼虫の夕食まで経験したというのが信じられない。
順番に並べて考えると、余計に馬鹿げて聞こえた。
私は火から視線を外し、向かい側にいるエリッサを見た。
彼女は脚を組んで座り、腕の小さな傷をきれいにしながら、縄と蜘蛛の糸の痕がまだ残る手首を確認していた。
顔には疲労がはっきりと出ている。
日中さらに悪化した肩の痣のせいで、時々慎重に肩を動かしていた。
シルヴァリスの加護によって感覚も身体能力も良くなった。
だが、それがこの森で生き残る方法を知っているという意味ではないことが、どんどん分かってきた。
暗闇で見えるからといって、触っていい植物が分かるわけではない。
耳が良くなったからといって、どの動物がどの音を出しているのか分かるわけでもない。
バランス感覚が良くても、そもそもどこへ足を置けば安全なのか知らなければ意味がない。
そういうことは、まだ自分で覚えなければならなかった。
だが、別の心配がその考えに取って代わった。
「みんな、ちゃんと戻れたと思う?」
私が聞くと、エリッサが顔を上げた。
「誰が?」
「お前の父親、カエリア、バロン……ほかのみんな」
彼女は数秒火を見つめてから答えた。
「父さんが、理由もないのにあれだけのノールを相手に戦い続けるとは思えない。私がいなくなって、あなたも消えたことに気づいた時点で、たぶん撤退を命じたはず」
「『たぶん』じゃ、あまり安心できないな」
「安心させるためだけに適当なことを言うつもりはないわ。あのあと何が起きたのか、私たちは見てない」
欲しかった答えではなかった。
だが、彼女の言う通りだった。
カエルレスは私よりずっとこの森を知っていて、何年も巡回隊を率いてきた。
あの中で、いつ引くべきか分かっている人間がいるとすれば、おそらく彼だ。
「カエリア、心配してるだろうな」
「心配?」
エリッサが鼻で小さく笑った。
「あの女なら、たぶんあなたを探しながら森を半分くらい壊してるわよ」
思わず笑った。
「すごくカエリアっぽいな」
「どうしてあんな人と一緒にいられるのか、まだ理解できない」
「お前の父親にも同じこと言えるけど」
エリッサがこちらを睨んだ。
「二人を比べないで」
「分かった。触れちゃいけない話題なんだな」
エリッサはまた腕の小さな傷へ目を戻した。
しばらく沈黙が続く。
私は少しの間彼女を見てから、前から考えていたことを口にした。
「ありがとう」
彼女は手を止め、片眉を上げた。
「川のことなら、もうお礼は聞いた。それに、あなたのためにやったんじゃないって言ったでしょ。私はただ――」
「川だけの話じゃない」
エリッサは黙った。
「ここに落ちてから全部だよ。ずっと助けてもらってる。もし一人だったら、今よりもっとひどい目に遭ってたと思う」
彼女は火へ視線を逸らした。
「私がいても、十分ひどい目に遭う才能はあるみたいだけど」
「絶対そうやって台無しにすると思った」
「なら最初から言わなければよかったでしょ」
私は少し笑った。
それでも、そこで終わらせるつもりはなかった。
「それでも。ありがとう」
エリッサは少し時間を置いてから答えた。
「村へ戻るまであなたを生かしておくのは、私にとっても都合がいいの。私一人で帰ったら、カエリアには散々言われるだろうし、ヴァレリス師は何か恐ろしい霊的な意味を見つけるだろうし、父さんは今世紀が終わるまで村で一番ひどい巡回任務に私を入れるでしょうね」
「じゃあ、ただ都合がいいだけ?」
彼女は真っ直ぐ私を見た。
「その通り」
返事が少し早すぎた。
だが、追及しないことにした。
エリッサには、無理に話を続けさせようとしない方が、むしろ答えてくれることがあるともう分かっていた。
しばらく、私たちは小さく燃える木の音と、周囲の森の気配を聞いていた。
数分すると、また好奇心が勝った。
「エリッサ……」
彼女は一瞬目を閉じた。
「今度は何?」
「自分のこと、あまり話さないよな」
「理由があるのかもしれないわね」
「北の村で、何かを殺そうとしてない時とか、俺を馬鹿呼ばわりしてない時に、普段どんな生活してるのか知りたいだけだよ」
エリッサがこちらを見た。
「一日中ずっと何かを殺そうとしてるわけじゃない」
「じゃあ、もう一つ知れた」
エリッサはため息をついた。
だが、黙れとは言わなかった。
気が変わる前に続ける。
「どうやって育ったんだ? 子供の頃は何してた?」
今度はすぐには答えなかった。
視線を熾火へ落とし、数秒小枝をいじってから口を開いた。
「別に大した話はないわよ」
「それは疑う」
「もちろん疑うでしょうね」
さらに数秒黙った。
それでも、やがて続けた。
「北の村では、みんなかなり早い段階から森のことを学ぶの。本格的な武器の訓練より前に。最初に覚えるのは、子供が馬鹿なことをして死なないために必要なこと」
「じゃあ、俺はそこから始めた方がよさそうだな」
エリッサは無視した。
「食べられる果物、触っちゃいけない植物、基本的な足跡、捕食者の鳴き声、地面が崩れやすい場所……そういうこと」
「全員が覚えるのか?」
「全員。大人になって何をするかは関係ない。巡回隊、治療師、建築、農業……北の村に住むなら、一人でも家へ戻れるくらいにはならないといけない」
ここ数日だけで、どれほど彼女に頼っていたかを思い出した。
「それは納得できる」
「小さい頃は、大人なしで村から遠くへ行けない。そのあと、訓練用のルートを歩くようになる」
「迷子になったことある?」
エリッサは答えるまで少し間を空けた。
それだけで十分な答えだった。
私は少し身を乗り出した。
「あるんだな」
「一回だけ」
「何歳?」
「関係ない」
「じゃあ小さかったんだ」
「アルヴェン」
「話を理解しようとしてるだけだよ」
彼女は目を細めたが、結局折れた。
「八歳くらいだったと思う。訓練中に年上の子たちの集団について行って、自分の方がいい道を知ってると思ったの」
「知らなかった」
「知らなかった」
その認め方には、分かりやすい不満が混じっていた。
「何時間か集団とはぐれた。暗くなる前に父さんが見つけた」
「会えて嬉しかっただろうな」
エリッサは鼻で短く笑った。
「嬉しそうだったわ。半分くらいの時間だけ」
「そのあと?」
「翌日、まったく同じ場所へ連れていかれて、一人で帰ってこいって言われた」
私は彼女を見た。
「八歳だったんだろ」
「遠くからついてきてた」
「それでも話があまり良くならない」
「効果はあった。それ以来、あんなふうに迷ったことはない」
「なんとなくお前の父親が分かってきた」
「分かってない」
エリッサによれば、成長するにつれて、子供たちは能力や興味に応じた別々の訓練を受けるようになるらしい。
治療師に近づく者。
木工を学ぶ者。
農業や薬の調合を覚える者。
一方、エリッサはかなり早い段階から巡回隊に興味を持っていた。
「十分な年齢になってから、父さんが比較的安全なルートへ連れていくようになった」
彼女は説明した。
「最初は見るだけ。そのあと、もっと大きな訓練に参加して、隊形も覚えるようになった」
火の近くにある小枝を一本動かした。
「それから、槍は叔父さんに教わった」
その言い方が少し変わった。
本当に小さな違いだったが、気づいた。
目は熾火へ向いたまま。
手に持った木片を握る指に、少し力が入っている。
ヴェリダンについて何か聞こうかと思った。
だが、言葉にする前にやめた。
前にその話へ触れようとした時のことを思い出せば、本人が話したい時まで待つ方がいいと分かっていた。
数秒後、エリッサは自分から続けた。
「叔父さんは、剣は敵を近づけすぎるのが好きな人向けだって言ってた」
顔に小さな笑みが浮かんだ。
「言いそうだな」
「剣があまり好きじゃなかったの」
「気づいてた」
「槍なら、敵が近づいてその失敗を利用する前に、自分が間違えたって気づく時間があるって」
「それは結構いい理屈だな」
「私も同じこと言った」
笑みは少しずつ消えていった。
だが今回は、こちらから聞かなくても話を続けた。
訓練の厳しい部分を担当したのはカエルレスだった。
規律、巡回、隊形。
そして何よりも、いつ戦うべきか、いつ退くべきかを判断すること。
エリッサの話し方からすると、父親は彼女が自分の娘だからこそ、さらに厳しく接していたようだった。
「想像するに、あまり気の長い先生じゃなかったんだろうな」
「子供の頃はもっとひどかった」
「それ以上があるのか?」
エリッサが私を見た。
「まだ質問を続けるなら、もう何も答えない」
「分かった」
数秒間は黙ることができた。
「初めて本物の巡回に出たのはいつ?」
彼女は目を閉じた。
「アルヴェン」
「これが最後」
「守る気なんてまったくない言い方ね」
「このあと、もう一個くらいかも」
「質問以外できないの?」
本気で怒っているわけではなかった。
それでも、限界に近づいているのは分かった。
「ごめん」
エリッサはまた火へ視線を戻した。
そして今度こそ、私は本当に黙った。
数分間、どちらも話さなかった。
虫や夜行性の動物の音が二人の間を埋め、そこへ木の小さなはぜる音が重なっていた。
少し聞きすぎて、完全に会話を終わらせてしまったかもしれないと思い始めた。
その時、エリッサが口を開いた。
「じゃあ、あなたは?」
私は顔を上げた。
「俺が何?」
彼女は数秒こちらを見てから尋ねた。
「あなたは、どこから来たの?」




