風が囁いた:先に死んだ方が負け
彼らは私に考える時間を与えなかった。
リーダーが話し終えるやいなや、巨人の一人が再び私の足をつかみ、まるで重さなどないかのように石の床を引きずり回した。私の隣では、もう一人が同じようにエルフを運んでいた。彼女は休むことなく罵声を浴びせ続けていたが、巨人はそれを完全に無視していた。
「放せ、このクズ野郎!」
彼女は蔓に縛られたまま、もがきながら唸った。
「お前の歯を一本一本叩き折ってやる!」
巨人は反応すら見せなかった。
私は一瞬後ろを振り返り、他の者たちの間にカエリアの姿を探そうとした。彼女がまだ意識を失ったまま、ただの物体のように投げ出されているのを見て、胸が締め付けられるのを感じた。
「おい……」
私は無理やり声を絞り出した。
「彼女はどうなるんだ?」
巨人のリーダーは数歩先を歩いていたが、その声を聞いて足を止めた。
「その人間か」
彼は振り返りもせずに言った。
「何もしない……今のところはな」
鼓動が激しくなった。
「それで……その後は?」
彼は横目でこちらを睨みつける程度に、わずかに顔を向けた。
「お前たちが勝てば……彼女は生きる」
私は唾を飲み込んだ。一瞬、喉が詰まったような感覚に陥った。
「……分かった。受けて立つ」
選択肢などなかった。最初から。
それでも、それを口に出したことで、すべてがより避けがたい現実に感じられた。まるで、ほとんど理解もできない言語で、自分の死刑執行書に署名してしまったかのような気分だった。
リーダーはわずかに微笑んだ。
「よろしい」
そして再び歩き出した。
私たちは広く、暗いトンネルを進んだ。巨人の足音は重く、絶え間ない鼓動のように壁に反響していた。内部の臭いは以前よりもひどく、強烈で、濃縮されていた。まるで何年も掃除されることなく、空気がそこに閉じ込められているかのようだった。
そして……。
最後の通路を抜けたとき、私は地の底から抜け出し、まったく別の世界に足を踏み入れたような感覚に陥った。
そこは巨大だった。
これまでに見たどの洞窟よりも、はるかに広大だった。
その場所は、天然のコロシアムのように広がっていた。切り立った岩で構成され、高い壁は歳月をかけて刻まれた観客席のように層をなしていた。頭上には巨大な穴があり、そこから強烈な太陽の光が差し込み、中央の地面を照らし出していた。
その対比はあまりにも不条理だった。
上には光があり、下には岩と汚れ……そして、期待。
周囲の各層から、巨人が次々と姿を現した。数十、数百もの巨人が。彼ら一人一人の視線を感じた。重く、飢えた視線だ。
私は歩みの途中で立ち止まった。蔓が切られ、両腕に痛みを伴う感覚が戻ってくる間、体は硬直していた。
円形の形状、観客席、そして中央に舞う埃を見つめた。
「なるほど、理解したよ……」
私は胃が締め付けられるのを感じながら、低く呟いた。
隣のエルフは手首を回しながら、細めた苛立ちの目で周囲を睨みつけていた。
「ならさっさと教えな」
彼女は即座に、我慢ならない様子で答えた。
「ここは一体何なんだ?」
「ここは……」
私は顎でその空間を示した。
「アリーナだ。前にもどこかで見たことがある。彼らは僕たちを、ただのボードゲームや楽しい遊びのために連れてきたんじゃない。彼らはあの上から見物するんだ……見世物としてね。これは戦いだ。そして僕たちは、剣闘士なんだよ」
彼女は私を値踏みするように顔を向けた。
「グラディエーター? 戦いだって?」
「そうだ。彼らは僕たちをここに投げ込み、何かに向かって戦わせる。その間にあいつらは賭けをして、叫ぶんだ。純粋な生存競争だよ」
彼女は一秒間、私を見つめていた。
静寂。
そして……彼女は笑った。
それは、ついにその怒りの行き場を見つけた者の、鋭い笑みだった。
「そういうことなら……私に任せな。片付けてやる。あんたは邪魔だけしないで」
上の方では、リーダーが側面を登り、高い位置へと移動していた。彼は腕を上げた。
「静粛に!」
彼の声が爆発するように響き、騒音は止んだ。
彼は下にいる私たち二人を見下ろし、微笑んだ。
「今日はゲストがいる! 森を生き延びた二人のチビだ。光を操るエルフと、戦士のエルフ。今日……彼らがゲームをする」
リーダーはさらに一歩前へ踏み出し、私の理論を裏付けるように、加虐的な悦びを込めて宣言した。
「パス・オソ! お前たち二人……戦え。共にだ」
「戦う?」
私は胃の底から這い上がってくる冷たさを感じながら、確認のために繰り返した。
「そうだ。繋がれた状態でな。互いを縛り付けてだ」
私は即座に理解した。エルフの方へ顔を向けた。
「僕たちは……お互いに繋がれるんだ。縛り付けられて」
彼女の目が暗く沈んだ。今にも私に向かって爆発しそうな怒りに、歯を食いしばっていた。
「あんたなんかと繋がれて戦うなんて、冗談じゃないわ!」
彼女は肌を焼くような憎しみを込めて声を震わせ、低く唸った。
「あんたが躓いたり、私の足を引っ張ったりしたら、あの獣が近づく前にあんたを殺してやるから、覚えておきなさい」
「落ち着いて、話し合わなきゃ」
私は防御的なジェスチャーで空いた手を伸ばし、なだめようとしたが、その声は思った以上に情けないものになった。
「歩幅を合わせないと、場所を移動することすらできない。戦うなんて到底無理だ。いいかい、僕が左足を出したら、君は……」
彼女は最後まで言わせなかった。
純粋な軽蔑を込めて目を細めると、首を傾けて両手で耳をふさぎ、音程の外れた早い旋律を口ずさみ始めた。私の口から出るどんな言葉も遮ろうとするかのように、大きな声で。
私は口を半開きにしたまま立ち尽くした。彼女が私の存在を無視して体を揺らすたび、足首を引っ張る鎖の重みを感じた。
憤りが喉元までこみ上げてきた。
今まさに化け物と対峙しようという時、互いに縛られ、唯一の味方は死を招くほどわがままな子供のように振る舞っている。
「本気で言ってるのか?」
彼女に「聞こえない」と分かっていても、私は問いかけた。
「僕たちは死ぬかもしれないんだぞ。それなのに鼻歌だって?」
彼女はただ声を大きくし、横目で私を睨みつけた。その目は、彼女にとって私がこのアリーナの塵以下の存在であることを明確に物語っていた。
私が彼女の手を引こうとするか、あるいは怒鳴ろうとする前に、リーダーの雷鳴のような声が割って入った。
「そして、戦う相手は我らの新しいマスコットだ!」
すると一人の巨人が近づいてきた。崩れ落ちる山のような威圧感を持って屈み込む。
彼は、両端に頑丈なリングがついた、長く重い黒鉄の鎖を手にしていた。
巨人は私たちを見下ろし、言葉をまともに紡げていないような、喉を鳴らす低い声で唸るように言った。
「足……穴……入れろ」
いまだに怒りで唸っていたエルフは、一瞬動きを止め、純粋な困惑の表情で私を見た。
「この不潔な脂身の塊、なんて言ったの?」
彼女は低く言った。
「彼……彼は、僕たちにこのリングの中に足を入れるように言ってるんだ」
その命令の重みを感じながら、私は訳した。
彼女は鼻を鳴らした。純粋な蔑みの音だ。
一瞬、彼女が巨人に襲いかかるか、新たな罵倒を始めるかと思ったが、意外にも彼女はただ苛立たしげに溜息をついただけだった。
彼女は荒々しい動作でリングの一つを掴むと、右足をその中に突っ込んだ。
彼女の突然の服従に硬直して見つめていた私に気づくと、彼女は言い放った。
「何見てんのよ、このとろま。私の顔に何かついてる?」
「いや……なんでもない、ごめん」
私は視線を逸らし、素早く答えた。
彼女は「ふん」と短く鼻を鳴らし、そっけなく顔を背けた。
私は彼女の動作を真似て、左の足首をもう一方のリングに入れた。
そこで奇妙なことに気づいた。
その鉄のパーツは、あまりにも広すぎたのだ。もっとずっと巨大な生き物のために作られたものだった。私の足は、馬鹿げたほど簡単にそこを通り抜けた。
『どうやってこれを固定するつもりなんだ?』
鎖がただ滑り落ちるのではないかという、かすかな希望を感じた。
だが、その希望は次の瞬間に打ち砕かれた。
巨人がその巨大な手を伸ばし、まるでゴムを扱うかのように、指先で金属を掴んだ。ほとんど力を入れていないかのような動作で、彼は鉄を締め付け始めた。
私は恐怖に駆られながら、分厚い金属が彼の指の圧力に屈し、歪み、ねじれていくのを見守った。
鉄が悲鳴を上げ、形を変えていく音は、身の毛がよだつものだった。
彼はリングが私の足首に密着するまで締め上げた。骨を砕くほどではないが、変形し、ざらついた金属が肌に食い込むには十分だった。
私は今や歪み、巨人の指の跡がついたリングを見つめた。
もしこれを無理やり引っ張ったり外そうとしたりすれば、ギザギザになった金属がそのまま足を切り裂くだろう。
私たちは、そこに封印されたのだ。
私は、今や二人を繋いでいる二メートルの鎖の重みを感じながら、彼女の方へ顔を向けた。
私はエルフをじっと見つめた。彼女はかなりの自信に満ちているようだった。頭のネジが飛んでいるのは間違いなさそうだが、自信だけはある。それも、相当な自信だ。
「……彼女はダークエルフなんだ」
その考えは自然に浮かんだ。
自分とは違う。この世界で育ち、こういう事態には慣れているはずだ。完全な血の気の多さはさておき、簡単に負けるような珠には見えなかった。
もしかしたら……もしかしたら、僕たちにもチャンスがあるかもしれない。
僕は深く息を吸い込んだ。一瞬だけ、胸の重荷が少し軽くなった気がした。不可能ではないかもしれない。
頭上では、巨人のリーダーがすべてを見下ろしていた。背筋に寒気が走る。彼は体を少し前に傾け、無骨な岩に腕をついた。
「素晴らしい」
彼の声には愉悦の色が混じっていた。
「では、説明しようか……」
彼は、その場の沈黙が再び重くのしかかるまで十分な間を置いた。僕を含め、周囲にいる全員の注意を引きつける。
条件の羅列か、あるいはタイムリミットやエリア制限のような説明を僕は待っていた。
「ゲームのルールだ」
僕はすぐにエルフを見た。
「今から説明するって」
僕は素早く、低い声で言った。
「よく聞いて。僕が全部教えてあげるから」
彼女は答えなかったが、僕から視線を逸らさなかった。それだけで十分だった。
鋼鉄の拳のグログは、ニヤリと広く口角を上げ、ただこう言い放った。
「先に死んだ方が……負けだ」
僕は続きを待って立ち尽くした。
沈黙が長く続く。
(それだけか?)
僕は胃のあたりに虚無感を感じた。
(なぜ僕はまだ彼らに複雑なものを期待してしまうんだろう。死と敗北。彼らの論理は一直線で短いんだ)
横腹に鈍い衝撃を感じた。エルフの強い肘打ちだ。息が止まりそうになる。
「さっさと話しなさいよ!」
彼女は苛立って唸った。
「あのゴミの山は何て言ったの?」
「先に死んだ方が負けだって」
僕は脇腹をさすりながら答えた。
「それだけだ。最後まで戦えってことさ」
驚いたことに、彼女はひるまなかった。彼女は鼻で笑うと、こう言った。
「最高じゃない、単純で」
そう言った彼女の瞳には光が宿っていた。その弾んだ顔を見て、記憶がフラッシュバックした。
それはカエリアが何か危険なことにワクワクしている時の表情と同じだった。同じ種類の、自信に満ちた狂気。
彼女はそのままの視線で、僕に顔を向けた。
「武器を要求しなさい」
「武器?」
「そうよ、このマヌケ」
彼女はもどかしそうに答えた。
「あんなのが相手なのに、素手で戦えっての? あの臭い巨人に言いなさいよ」
僕は上を見上げ、声を張り上げようと深く息を吸った。
「おい!」
僕はリーダーの注意を引くために叫んだ。
「それと……お願いだ、武器が必要なんだ!」
グログは一瞬僕を凝視し、それから周囲で見守る何百人もの巨人たちを見渡した。
彼の笑みが深まる。
「こいつらにやる武器を持っている奴はいるか? いるなら……投げてやれ!」
僕の脳がその危険を察知するのに、コンマ数秒かかった。
「いや、投げなくていい――」
遅すぎた。
最初の物体が石の観客席から飛んできた。
次、また次。
突然、空が落ちてきたかのような錯覚に陥った。
それは古びて錆びつき、曲がった剣だった。折れた槍、外れた柄、革すらまともに切れない鈍らなナイフ。武器と呼べる代物ですらなく、略奪の残骸か戦争のゴミだった。
僕は本能的に身をかがめ、頭をかすめそうになったなまくらな刃を避けた。
鈍い音を立てて、僕の隣に何かが落ちた。
僕はそれを一瞬、信じられない思いで見つめた。
鶏だ。
羽がついたままの、丸ごと一羽の死んだ鶏。
僕は完全に絶句してそれを見つめていた。
(これは祭りか何かなのか? 食べ物を投げているのか、それとも馬鹿にしているのか?)
隣でエルフが地面から折れた槍を拾い上げた。彼女はその物体を一秒ほど分析し、深い嫌悪の表情を浮かべた。
「何よ、このゴミは?」
彼女は手の中で武器を回した。
「魚を刺すのにも使えやしないわ」
「おい!」
僕は再び上に向かって叫んだ。
「まともな武器が必要なんだ!」
リーダーは迷うことなく答えた。
「そんなものはない。それだけだ」
彼は軽蔑を込めて付け加えた。
「俺たちが殺した戦士の持ち物か、その辺で拾ったものだけだ」
僕は力なくエルフを振り返った。
「あ……あれしかないってさ」
彼女は一瞬沈黙し、鼻から息を吐き出した。
「勝手にしなさい」
彼女は残った木の部分の重さを確かめるように、手の中で折れた槍を回転させた。
「これでも片付けてあげるわ。あんたは邪魔だけしないで」
胃がキリキリと痛んだ。僕はゆっくりと頷き、刃がすり減って鈍い鋸のようになった短剣を拾った。
上の方で、グログが腕を上げた。
「マスコットを連れてこい!」
アリーナの騒音が瞬時に変わった。
より重く、より研ぎ澄まされた空気になる。
巨人の一人が側面の入り口から現れ、ピンと張った太い鎖を引いていた。その先にあるものは、まだトンネルの深い闇に隠れている。
視覚よりも先に音が届いた。
石の上を引きずる重い金属の音、騒がしい呼吸音、そして地面を振動させる低い唸り声。
そして……そいつが現れた。
それは巨大だった。
頭から生えた巨大な曲がった角を除いても、二メートルほどの高さがあり、威厳と威圧感を放っていた。濃い赤色の皮膚は、ひび割れて焼けた革のようで、動くたびに盛り上がる強靭な筋肉の上に張り付いていた。
肩や腕、背中からは鋭い棘が突き出し、両手は巨大な鉤爪で、太い指の先には刃のような黒い爪が備わっていた。その顔は純粋な憤怒そのものだった。突き出た顎には鋭い歯が並び、完全に黒い瞳は、虚無へと続く穴のようだった。
全身が凍りついた。
(……まるで悪魔だ)
その時、合点がいった。前世の世界の図鑑で、これのイラストを見たことがあった。
「デモノイド」
僕はゆっくりと彼女に顔を向けた。
エルフはもう笑っていなかった。今の彼女の目は違っていた。張り詰め、鋭く、今まで見たことのないような憎悪に燃えていた。
「よくも……」
彼女は、古の怒りを込めた低い声で言った。
「デモノイドを森で生かしておくなんて」
彼女は指の関節が白くなるほど、折れた槍の柄を握りしめた。
「忌々しい巨人どもめ」
僕は唾を飲み込み、お互いを繋いでいる足首の鎖の重みを感じた。
側面のゲートが勢いよく開かれ、獣はコロシアム全体に響き渡る咆哮を上げた。
(果たして……僕たちに、チャンスはあるんだろうか?)




