お星様でございます(4/4)
小惑星が砕けた後。
その日、空の彼方で輝いた流星と破裂した小惑星を、地上で空を見上げていた多くの者たちが目撃した。
しかし、その数は決して多くは無い。
何故なら、不謹慎と言う理由で生放送はされず、目視できる国に住む人たちの多くは、小惑星落下の衝撃に備えて隠れていたからだ。
「やってくれたな、あの『変人』が」
日本で最も彼女を信じていた男が不適な笑みを浮かべ、
「さあ、これから忙しくなるぞ。こっからは俺たちの仕事だ」
恐らく世界中で今日一番忙しかったその男は、また忙しくなることを喜んだ。
「あれって『天使』かな…」
トイレだと嘘を吐いて親の腕を抜け出した少年は、窓から流星を見て呟いた。
「あんなん『ヒーロー』に決まってるだろ」
どうせ逃げ場なんて無い、道路が無くなるならと最後の走りをしていた暴走族の一人が、仲間に天空の爆発を誇った。
小惑星の破片が燃え尽きてから発表された、政府の非常事態宣言解除後にニュースで知った者たちも、
「『女神さま』?」
ある者はリハビリ中にニュースを見て流星に神々しさを感じ、
「『菩薩』さまのお陰よ、きっと」
「仏様だよ」
「普通に神様でよくない?」
ある者たちは子供の世話をしながら助かったことを感謝し、
「『鉄人』でも完成していたのかよ」
ある者は牢屋の中でまだ見ぬ特ダネに胸を膨らませ、
「助かったんだ…地獄の『鬼』にも嫌われたかな?」
またある者は少し自虐的に喜び、
「おいおい、こっちは覚悟してたのに『理不尽』過ぎるだろ…」
そしてまたある者は助かったと知っても、未だ地下で愛する理解者とイチャ付いたまま苦笑した。
「…信じてたよ、『王子様』」
つづく。




