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女子大生でございます(6/6)

悲劇の女子大学生その他の続き。

 彼らの悲劇はそれで終わりでは無かった。

 到着した警察は全員女性だった。

 普通なら有り得ないことである。

 彼女たちは裸の男たちを見てキャーキャー喜び、写真を見て更にヒートアップした。

 歳の近い若い女性や母親のような年齢の女性に見られる屈辱。

 唯一気絶を免れた男は自分が世界で一番不幸だと神を恨んだが、取り調べで同じことが繰り返されるので気のせいである。


 それから間も無く、男たちの家や他の溜まり場に警察が突入した。

 黙秘を続けようとした者もいるが、まだ実名公表を避けられる未成年が暴露して、芋づる式に代々のOBを含む全ての関係者と証拠が検挙押収される大捕り物となった。

 当たり前である。

 世界中に同性愛者として公表されるか、素直に罪を認めて服役し実名公表を避けるか。

 前者を選ぶ非同性愛者はいない。


 押収された証拠は厳重管理されることになり、基本的に女性警察官しか見れないように配慮された。

 その裏にどんな力が働いたのかを知る者は少ない。


 また、自白や押収された証拠品から判った被害者には、警察が密かに接触した。

 ある者は解放されたことに涙し、またある者は裁判の壇上に立つ覚悟を決めた。


 警察の厳しい追及を受けた大学も、隠蔽は不可能と諦めて公式の謝罪発表に踏み切った。

 新聞やニュース、若者向け雑誌はこの話題で持ち切りになったが、被害者の個人情報が広まることは無かった。


「ありがとうございました」


 事件から数日。

 退院を前に、綺羅々は改めて婦長さんにお礼を言った。

 あの後、彼女は親に事情を話して、心配を掛けたことを謝った。

 親の方も、気付いてやれなくて悪かったと彼女に謝った。

 上手くいったのは全て婦長さんのお陰だと、彼女は感謝していた。

 GPSも無しにどうやって見つけたのかとか、警察との関係とか、疑問は尽きないが追及するのは野暮だと思った。


「…まだ携帯電話にカメラやインターネットが普及していなくて良かったざますね」

「?」


 彼女は首を傾げた。


「もしインターネットにバラ撒かれていたら、写真を消したり回収したりは不可能だったざますよ?」

「!」


 言われて初めて気付いた彼女は、その光景を想像してしまい、ゾッとした。

 いくらでも簡単にコピーされる。

 警察が見つけ次第消したとしても切りが無く、永遠にインターネット上で晒し者になるのだ。

 世間の噂だとそんな時代は遠くないらしい。

 彼女がそうならずに済んだのは、ほんの少し幸運だっただけに過ぎないのだ。


(…あいつらが素直に自白したのも、それが嫌だったんだ)


 その後、彼女は大学に復帰して慎重になった。

 親に心配をさせないように門限を守る。

 安易にサークルに入らない。

 友達関係も選ぶ。

 飲酒は控える。


(…でもやっぱりイケメン漁りは止められないよね?)


 婦長さんの元に届いたお礼のフォトメッセージカードには、友達と肩を組んで舌を出してウインクする綺羅々の姿があった。


 めでたし、めでたし?

次は明日の08:00頃投稿予定です。

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