女子大生でございます(5/6)
夜遊びさせられ女子大生の続き。
ピンポーン。
呼び鈴が鳴った。
「こんな時間に誰だよ」
「新聞かN○Kだろ。断って来いよ」
仕方なく男の一人が玄関に行く。
昼間なら居留守で済ますと言う手もあるが、今は夜で電気が点いているので、しつこい相手なら断った方が早い。
念の為にドアのレンズを覗き込むが誰も映っていない。
ピンポーン。
また呼び鈴が鳴った。
男は来客を姑息な奴だと思ったが、予定通り、チェーンは掛けたままドアを開けて隙間から顔を出して来客を追い払った。
「あー、すみませんねー。新聞なら間に合ってるんで…」
「そうざますか」
「?!」
男が来客…婦長さんの顔を見て驚くより早く彼女の手が伸び、片手で男の襟首を締め上げた。
男は呼吸が出来ずに悶え苦しんでドアを蹴ったり暴れたが、そのまま数秒で意識を失った。
「何の音だ?」
「勧誘がしつこくてドアでも蹴ったんだろ」
ぬっ。
「邪魔するざます」
突如現れた婦長さんを見て部屋の中は騒然となった。
「うぉっ?!」
「なんだなんだ?!」
「オカマ!」
「ターミ○ーター?!」
「いやコマ○ド―だろ!」
男たちの手や腰が止まって余裕のできた綺羅々は、不思議そうに彼らの視線を追った先を見て呟いた。
「…婦長さん?」
婦長さんが彼女の声に気付いてそちらを見ると、裸の彼女に群がる男たちの姿が目に映った。
と言うよりも、男たちの間に彼女が見え隠れしていると言った方が近い。
「…何をしているざますか?」
地の底から響いて来るような声に、男たちの背筋に悪寒が走った。
「何をしているのかと聞いているざます!」
婦長さんはもう一度、今度は語気を荒げて問い質した。
「「「「「「ひぃっ!!」」」」」」
男たちは怯えた。
綺羅々も状況を理解できず、助けを求める気力も無い。
しかし、
「……はっ! 誰だか知らないけど所詮一人じゃねーか」
誰かが啖呵を切った。
「ちょっと体が大きからっていい気になるなよ」
運動系サークルの男たちだけあって180cmを超える者も多く、流石の婦長さんでも頭一つ差とまではいかない。
二人目が続くと、後はもう堰を切ったように続いた。
「よく見ればナース服かよ」
「こっちはスポーツサークルだぞ」
「内勤なんかがしゃしゃり出て来やがって」
「身の程知らずが」
「こっちの人数が見えてないのかよ」
「男か女か分かんねーけど、関係ねーっ!」
悔しいが綺羅々も同じ意見だった。
婦長さんがどんなに強そうでも数で勝る男に勝てるはずが無い。
「そう言えばさっき何してるって聞いたな。見れば分かるだろ。ナニしてるんだよ」
威勢を取り戻した男の一人が、先程の婦長さんの質問に答えた。
「頼まれてもお前は入れてやんないけどな」
「それを言うならお前”には”だろ」
「「「「「「ぎゃはははははっ」」」」」」
めきゃっ!
壁際から鈍い音が響いた。
「「「「「…へ?」」」」」
部屋が静まり返る。
男たちが音のした方向を見ると、男が一人、壁に減り込んでいた。
婦長さんが殴り飛ばしたのだ。
「…お仕置きの時間ざます」
婦長さんは静かに死刑宣告をした。
***
寸刻。
男たちは全て床に倒れ伏していた。
素手で殴りかかった者は拳が砕けた。
メリケンサックで殴りかかった者も拳が砕けた。
高級灰皿で殴りかかった者は振った腕が折れた。
逃げようとした者は玄関に辿り着く前に追いつかれて足を折られた。
綺羅々を人質にしようとした者は、手首を掴まれて砕かれた。
刃物を振り回した者も同じだ。
死屍累々である。
逃げ損なった一人以外、意識を失っている。
勿論、誰一人致命傷は無く、誰一人障害が残る怪我では無く、そして当然、婦長さんには掠り傷の一つも無かった。
「大丈夫ざますか?」
婦長さんが綺羅々に上着を掛けると、彼女は抱き付いて掠れた声で泣き始めた。
「…このままで済むと思うなよ」
水を差すように、唯一意識のある男が負け惜しみを言った。
「俺たちが警察に捕まればお前の写真は警察に永久保存だ。よかったな。釈放されたらまた遊んでやるから楽しみしてるんだな」
「―――っ!」
彼女が想像して絶望した。
有罪の証拠は、そのまま彼女の不幸に追い打ちを掛ける火種になってしまうのだ。
見逃しても警察に引き渡しても彼女の不幸は終わらない八方塞がり。
しかし、婦長さんは徐に携帯電話を取り出すと電話を掛けて話し出した。
雑音が入らないよう、手を当てて小声で話している。
「脳筋ナースには理解できなかったか? 警察を呼んでも無駄だって」
電話を終えた婦長さんは、男の嘲りを無視して言った。
「私は優しいから、警察が来るまでで許してあげるざます」
男と綺羅々が何のことかと首を傾げていると、婦長さんはまだ全裸ではない半裸の男の懐を弄って服を脱がせた。
「きゃっ!」
「お、お前ナニしてんだ?!」
気絶していない男が驚き、微妙に嬉しそうな顔で問い質す。
いつも襲う側だから仲間にも隠していたが、彼は逆レ○プ願望があったからだ。
勿論、『但し美女に限る』という文言は付くが。
パシャッ!
カメラの撮影音がした。
婦長さんの手には、何時の間にか男たちのカメラが握られていた。
パシャッ! パシャッ!
「ははは…そ、それくらいで俺たち…が……?!」
言い掛けた男の言葉が止まる。
あろうことか、婦長さんは他の男のモノを握らせたり頬張らせたりした写真を撮り始めたのだ。
「それだけは…それだけはやっちゃダメだろ! 人間として! この鬼! 悪魔!」
(どの口が言ってるんだろう…)
彼女は呆れたが、鬼や悪魔という感想は否定しなかった。
男の悲壮な叫びも懇願も婦長さんには届かず、男たちは全員、同性愛っぽい写真を撮られたのだった。
本日は次で最後です。




