エピソード768 ハンナ女史はいつ割れるか解らない薄氷の上を
『ワイワイ・ガヤガヤ・ザワザワ』
チラッ、チララッ。
『昨日の宮城の叙冠之間で執り行われました叙任式ですけれど、天命思想の帝国の止事無い身分であらせられます貴族諸侯の皆様方がアルトゥール卿に向ける視線は非常に興味深いものがありましたわね、ケルン家の帝国女騎士殿♪』
『はい、ラジヴィウ女史』
翌朝、帝都魔法学園の学生食堂に朝餉を摂りに向かいますと、平原諸侯連合のエルジュビェタ・ラジヴィウ女史が恵さんと御話になられていました。
『エルジュビェタのポルスカ諸侯連合には、帝国の叙任式のような式典は無いの?』
ゾーリンゲン家の男爵閣下から出入りを許されています、平民身分の御用商人の一人娘でもありますハンナさんによります素朴な疑問に対して、エルジュビェタ・ラジヴィウ女史は笑顔で御頷きになられますと。
『私のポルスカ諸侯連合では無く、ラジヴィウ家も議席を持つ諸侯総会により治めています、家門を重んじています貴族共和制を政治体制に採用しています故国には、天命思想の帝国のような叙任式はありませんわね、ハンナさん♪』
{腕輪の主がいましたら、胃が痛くなる光景かも知れませんな?、我が主}
ハンナさんは誰とでも仲良くなれる人望の持ち主ですけれど、帝国の東隣の隣国でもありますポルスカ諸侯連合を動かす事が出来ますラジヴィウ家の次期当主となられますエルジュビェタ・ラジヴィウ女史との遣り取りは、希望さんで無くとも私も胃が痛くなります、髪飾り。
『帝国とはポルスカ諸侯連合はかなり違うんだね、一度行ってみたいかな?』
『歓迎をしますわ、ハンナさん♪』
{ハンナ女史はいつ割れるか解らない薄氷の上を、恐怖心を持たずに歩かれているような印象を受けますな?、我が主}
完全に同意をします、髪飾り。




