エピソード764 内務副大臣閣下によります御誘い
『ケルン家とレバークーゼン家の未来は明るいな、伯爵殿に子爵殿』
『恐悦至極に存じ上げます、女辺境伯閣下』
『有難う御座います、女辺境伯閣下』
宮城の大広間にて開かれています祝宴の席にて、内務副大臣にして衛兵隊の総隊長であらせられますバーデン家の女辺境伯閣下が、帝都憲兵隊の副総監という要職に就かれていられますケルン家の伯爵閣下であらせられます御父様と、財務警察の警視正であらせられますレバークーゼン家の子爵閣下に御声掛けをされました。
『私もバーデン辺境伯領を御治めになられていられる、先の辺境伯閣下であらせられる父上から、早く孫か孫娘の顔を見たいと毎月同じ文面の手紙が貴族街にある当家の上屋敷に届いている』
バーデン家では先の辺境伯閣下が、家督を御譲りになられました女辺境伯閣下に代わり御領地を御治めになられていられます。
『伯爵殿の甥の帝国騎士殿だが、帝都アーヘンを訪れる時期に変更は無いかな?』
爵位と軍階級が上位であらせられますバーデン家の女辺境伯閣下によります御下問に対しまして、ケルン家の伯爵閣下であらせられます御父様は恭しく深々と御辞儀を行われまして。
『はい、ヴュルテンベルク家の城伯殿と、ツヴィングリ男爵殿からの報告によりますと変更は御座いません、女辺境伯閣下』
御父様による奉答を聞かれました女辺境伯閣下は、鷹揚に御頷きになられますと、私の方を向かれまして。
『内務省の検閲局で見習いとして働いてみる気はないかな?、ケルン家の帝国女騎士殿』
御父様が何も仰せになられないという事は、御受けして問題は無いと思われます。
『はい、有難う御座います、女辺境伯閣下』




