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本好きの女魔法使い  作者: クリストファー


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725/744

エピソード725 百年後には残された歴史資料から学ぶか

『皇帝陛下の御威光に恐れをなした逆賊が蜘蛛の子を散らすかのように逃げ散る場面を描いた絵だが、わしはここに居るな』


宮城の叙任の間での予行演習を終えまして控室に戻りました私達ですが、今の皇帝陛下であらせられますルートヴィヒ二世陛下の御親友でもあります先のブランデンブルク家の侯爵フュルスト閣下であらせられました御爺様グロースファーターは、壁に掛けてあります帝国内戦を描いた絵を指差されながら。


『ゾーリンゲン家の令嬢フロイラインの祖父でもある准将殿はここで、当時は男爵バローンの爵位であった今のヴュルテンベルク家の城伯ブルク・グラーフ殿はここだ』


希望ナディーネさんの御爺様グロースファーターであらせられますゾーリンゲン家の准将閣下と、怜悧れいりな根元魔法至上主義者であらせられますヴュルテンベルク家の城伯ブルク・グラーフ閣下も同じ絵に描かれていますけれど。


『ヴュルテンベルク家の城伯ブルク・グラーフ閣下は私と同年輩の年頃には、家臣団を率いて軍場いくさばに御立ちになられていたのですね、御爺様グロースファーター


帝国内戦を描いた絵画の中のヴュルテンベルク家の城伯ブルク・グラーフ閣下は、十代半ばの精悍な殿方の姿をされています。


『ヴュルテンベルク家の先代の男爵バローン殿は、一時期逆賊に加担する動きを見せたのでな。嫡男であった今の城伯ブルク・グラーフ殿がご母堂の男爵バローン夫人と家臣団と計り実の父を押込隠居おしこめいんきょさせて、皇帝陛下の旗下きかに加わったからなフロリアーヌ


その結果としまして帝国内戦の後にヴュルテンベルク家の所領は倍増して爵位も男爵バローンから城伯ブルク・グラーフ閣下に陞爵しょうしゃくをされまして、今は財務省にて帝都アーヘンと団体ハンザの盟主でもあります帝国自由都市リューベックの連絡役である調整官という要職に就かれています。


『他には後に皇帝陛下から爵位を叙爵じょしゃくされるツヴィングリ男爵バローン殿も描かれているな』


私が異性の殿方の中で最も愛していますカール卿の御父君であらせられますツヴィングリ男爵バローン閣下の姿は、御嫡男様であらせられますカール卿と同じ黒髪シュヴァルツで描かれていました。


『そして一番隅に描かれているのが、最強の魔法使マーギアーいの傭兵ゼルドナーであった金髪ブロンデス・ハールの悪鬼だ。あやつは自分自身を描かれるのは嫌っていたが、こうした絵画は歴史資料としての意味もあるから、当事者の姿は正確に描かれている』


今はまだ先のブランデンブルク家の侯爵フュルスト閣下であらせられました御爺様グロースファーターのように、帝国内戦を直接経験なされた御方による御話を伺う事が出来ますけれど、百年後には残された歴史資料から学ぶか、召喚魔法ヘラオフ・ベシュヴェーレンで呼び出して使役をします寿命の無い魔界の住民から話を聞くしかなくなります。

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