エピソード724 死の王国時代の痕跡に上書きをして消す目的もあるようです
『初めて訪れた宮城の感想はどのようなものかな?、花♪』
『はい、御爺様、天命思想の帝国の歴史を感じます』
宮城の叙任の間にて絵画鑑賞をしていますと、先のブランデンブルク家の侯爵閣下であらせられました御爺様が姿を見せられて、笑顔にて御声掛けを下さいました。
『皇帝陛下と昔話に花を咲かせていたら、自慢の孫娘であるフロリアーヌも宮城に来ていると聞いたのでな♪』
帝国の君主であらせられます皇帝陛下の御親友でもあります御爺様を前にしまして、アンリ卿と希望さんとルネ卿とアルトゥール卿と儀礼官は、非常に緊張なされていられるのが見て取れます。
『この叙任の間の由来に関しては話したのか?、儀礼官』
本日の叙任式の予行演習の指導をされています典礼省の儀礼官は、先のブランデンブルク家の侯爵閣下であらせられました御爺様による御下問に対しまして、完璧な所作にて恭しく深々と御辞儀をおこなわれますと。
『申し上げてはおりません、侯爵閣下』
御爺様は儀礼官による奉答に御頷きになられますと、初代皇帝陛下であらせられますヨハン大帝の巨大な絵画を見上げられまして。
『ヨハン大帝が打倒した死の王国時代には、この叙任の間では禁呪の奥義を極めて不老不死と化した死の王が、弟子の死霊術士を臣下として叙任していた。ヨハン大帝は死の王国を打倒なされた後に死霊術を禁呪として厳しく禁止なされたが、建物や街道や運河はそのまま引き継ぎ有効活用なされた』
成る程。宮城の至る所にヨハン大帝の絵画が掛けられていますのは、死の王国時代の痕跡に上書きをして消す目的もあるようです。




