エピソード719 自らの小心さを恥じていたからな
『ふうっ…』
近衛師団によります特別仕様の馬車に乗車をしまして宮城まで到着をしました私達は、近衛兵であらせられますヴィルヘルミーナ・フォン・アイゼンシュタイン少佐に控室で待つようにとの指示を受けまして、私とアンリ卿と希望さんとルネ卿の四人で室内にて待機をしています。
『花とアンリとナディーネは平然としているな』
椅子に腰掛けられながら溜息を吐かれましたデュッセルドルフ家の上級の騎士様の子息でもありますルネ卿に対して、レバークーゼン家の子爵閣下の庶子にして次男であらせられますアンリ卿が。
『少なくとも私は、内心ではかなり緊張しているルネ』
黒髪と褐色の肌色をされています高潔な貴公子であらせられますアンリ卿による言葉に、私とナディーネさんも揃って同意をしまして。
『帝国の君主であらせられます皇帝陛下の宮城を訪れていますから、私も足が震えそうですルネ卿』
『アタシも同じだ。まあ、見た目では解らないように可能な範囲で抑えてはいるがな、ルネ』
帝都魔法学園にて共に根元魔法を学んでいます学友でもあります私達三人も緊張していると解りますと、ルネ卿は安堵された表情を見せられまして。
『安心をした。一人だけ緊張しているかと思い、自らの小心さを恥じていたからな』
アンリ卿とナディーネさんが同席をされていれば、ルネ卿によります忌憚の無い気持ちを聞かせて頂ける程度には、私も信用してもらえているようです。




