エピソード718 宮城内では侍女長様と呼んだ方がよいわね
「カラッカラッカラッ」
『装着している魔道具に関しては着けたままで構わないわ』
『有難う御座います、アイゼンシュタイン少佐』
近衛師団に所属をしています特別仕様の馬車には、ヴィルヘルミーナ・フォン・アイゼンシュタイン少佐と私とアンリ卿と希望さんとルネ卿の五人によります同時の乗車が可能でしたので、帝都魔法学園から宮城に向かう移動中に馬車の車内での説明を受けています。
『宮城では先に訪れて待機をしているアルトゥール中尉と合流をしてから、帝国騎士身分と帝国女騎士身分の叙任式の予行演習を行う事になるわね、令嬢花女史』
ふむ?。
『アルトゥール卿は、先に宮城を訪れて待機をされていられるのですか?』
私の疑問に対してアイゼンシュタイン少佐は笑われながら。
『令嬢フロリアーヌ女史の御父君であらせられるケルン家の伯爵閣下は、アルトゥール中尉を妾妃の連れ子と呼ばれてはいなかったかしら?』
…成る程。
『皇帝陛下の御許しを得て、先に母親に会っていた訳だな、ヴィルヘルミーナの姉貴』
ナディーネさんによります忌憚の無い物言いに対しまして、アイゼンシュタイン少佐は苦笑を浮かべながら御頷きになられますと。
『アルトゥール中尉の母親の事は宮城内では侍女長様と呼んだ方がよいわね。まあ、実情は、皇帝陛下の妾妃なのだけれど』
皇帝陛下と帝室の皆様方の玉体を御護りされています近衛師団に所属なされていますアイゼンシュタイン少佐も、アルトゥール卿と御母堂様に関しては思う所があられるようです。




