エピソード710 読書をしていますと時間が本当に速く過ぎます
「パラッ」
ふむ?。
「パラッ」
成る程…。
『花は、本当に熱心な読書家ですわね♪』
『御母様。気が付かずに申し訳ありません』
帝都アーヘンの貴族街にありますケルン家の上屋敷にて、伯爵閣下であらせられます御父様と共に夕餉を頂きましてから、書庫にて自由に本を選び読む事を御許し頂けました。
『図書館の蔵書とは異なりますか?。私の大切な娘であるフロリアーヌ♪』
笑顔での純粋御母様によります御下問に対しまして、娘の私は心底よりの感謝の気持ちを込めながら恭しく深々と御辞儀を行いましてから。
『はい、御母様。図書館では閲覧制限のある本も、ケルン家の上屋敷の書庫には御座います』
ケルン家の伯爵閣下であらせられます御父様は、帝都憲兵隊の副総監という要職に就かれていますので。内務省管轄の衛兵隊の隊員も上屋敷の内部で立ち入り調査を行う為には、内務大臣であらせられます公爵閣下の許可が必要となります。
『私もケルン家に輿入れをする前は、ブランデンブルク家の城館や上屋敷にて本を読んだのを思い出しますわ。私の大切な娘であるフロリアーヌ♪』
帝都憲兵隊の総監であらせられますブランデンブルク家の侯爵閣下の妹君でもありますカタリーナ御母様も、ケルン家に御輿入れをされる前には読書を好まれたようです。
『熱心に本を読んでいますと時間が速く過ぎますけれど、そろそろ湯浴みをした方が良いですわね。私の大切な娘であるフロリアーヌ♪』
もうそんな時間でしたか。カタリーナ御母様の仰られます通り、読書をしていますと時間が本当に速く過ぎます。
『はい、有難う御座います、御母様』




