エピソード699 いつか一度訪れてみたいと思います
『私は帝国の地方部にて育ちましたから、帝都アーヘンでは帝国ターレルを代金として支払えば、身の回りの事の殆どを代わりに行ってもらえるという仕組みに非常に驚きました。カール卿』
飲食店にて夕餉を摂り終えましてから、私は異性の殿方の中では最も愛していますカール卿と男女二人きりにて、魔道具の街灯の明かりが照らす散策公園を語り合いながら歩いています。
『幼年学校でも、地方部出身の生徒の多くは花女史と同じ感想を、帝都アーヘンに対して抱いています』
柔和な笑顔が素敵な、凛々しく逞しい黒髪の殿方であらせられますカール卿の御言葉に、私は歩きながら頷きまして。
『帝都魔法学園でも、帝都アーヘンの外で生まれ育たれました皆様方は、馬車に乗車して移動をしていましても、石畳で舗装をされています道は揺れないと話されます。カール卿』
皇帝陛下の軍隊でもあります帝国軍にて三十年間勤め上げられまして軍人恩給を受給しています退役少尉が、帝国の地方部にて一家の家長をしています平民身分の自作農で村娘として育たれました私は、そもそも馬車に乗った経験が殆ど無いので違いが解らないですけれど。話を聞くとかなりの違いがあるようです。
『父上が御治めになられていられますツヴィングリ男爵家の御領地の近くには、団体の盟主でもあります帝国自由都市リューベックがありますが。リューベックの街中も帝都アーヘンと同じく石畳で舗装されていますので、馬車の揺れが抑えられています。フロリアーヌ女史』
帝国の北の玄関口でもあります、団体の盟主でもある帝国自由都市リューベックにも、いつか一度訪れてみたいと思います。
『いつか帝国自由都市リューベックを訪れてみたいと思います。カール卿』
私の言葉に対してカール卿は、柔和で素敵な笑みを御浮かべになられまして。
『その時はご案内をさせて頂きます。フロリアーヌ女史♪』
私もカール卿に対しまして、満面の笑みを見せながら。
『有難う御座いますカール卿。本当に嬉しく思います♪』




