エピソード693 貴族諸侯の家門にて生まれ育たれますと気が付き難くなる視点
『私も久しぶりにヴィルヘルミーナ少佐と御話がしたかったな』
帝都魔法学園に戻りまして、談話室にて軍務省での出来事を話しますと、恵さんが隣に腰掛けていられます希望さんに対して羨ましそうに言われましたので。
『勝者之民の兄貴がその内に、親父の上屋敷にヴィルヘルミーナの姉貴をまた招待するだろうから、その時にはハンナも呼ぶ事にする』
『ありがとう。ナディーネ♪』
{封建制度を政治体制に採用しております天命思想の帝国におきましては、御領地と領民を御治めになられていられます止事無い身分であらせられます貴族諸侯の皆様方は、妄りに異性を招待されるのを避けるかと思っておりました?。我が主}
私もそのように認識をしていました?。髪飾り。
『家は軍人一家の家風の家門だからな。現役の准将の軍階級でもある爺さんも、元軍人でゾーリンゲン家の男爵夫人をしているお袋も、ニコラオスの兄貴が戦友のヴィルヘルミーナの姉貴を貴族街にある上屋敷に招待をしても、軍場で背中を預けた戦友同士による特別な絆だと考えるし、貴族諸侯の社交界でも、戦友同士の関係は特別視されるからな』
成る程。
{軍人一家であらせられますゾーリンゲン家にて生まれ育たれました腕輪の主による御説明ですから、非常に説得力がありますな。我が主}
『御教授頂きまして、心底よりの御礼を申し上げます。ナディーネさん』
私は帝国の地方部出身の平民身分の村娘でしたから、本を読むだけでは得られない、止事無い身分であらせられます貴族諸侯の皆様方の慣習を、ナディーネさんから御教授を頂けますのは、心底よりの感謝をしています。
『それに先祖を遡れば、ヴィルヘルミーナの姉貴とアタシは一応は血が繋がっているしな』
あまり関心が無さそうに話されました、ゾーリンゲン家の男爵閣下の末子でもありますナディーネさんに対して。レバークーゼン家の子爵閣下の庶子にして次男であらせられます、高潔な貴公子でもありますアンリ卿が頷かれまして。
『アイゼンシュタイン家とゾーリンゲン家は、帝国の第二代皇帝陛下であらせられましたヴィルヘルム一世の次男と三男の皇子殿下を起源とされます家門となられます』
…ヴィルヘルム一世陛下は、帝国を興されたヨハン大帝の跡継ぎとして、第二代皇帝陛下に即位なされました。
『そういうアンリのレバークーゼン家も、第三代皇帝陛下であらせられた、ルドルフ一世の血統を受け継いでいるからな』
『はい。令嬢ナディーネ女史。父上からはルドルフ一世陛下の血統を受け継いでいます』
…歴史書に登場をされる歴代の皇帝陛下の血統を受け継がれるのを、当たり前のようにアンリ卿とナディーネさんは御話になられています。
『あー、ナディーネにアンリ。私達だけしか居ない時は構わないけれど、帝都魔法学園の他の学生が居る時には、その話題は避けた方がいいと思うかな?』
平民身分であるハンナさんによる注意に、デュッセルドルフ家の上級の騎士様の子息でもありますルネ卿も同意なされまして。
『俺もハンナと同意見だな。止事無い身分であらせられる貴族諸侯の皆様方の社交界でなら、何一つ問題の無い話題だと思うが。帝都魔法学園の内部や、帝都アーヘンの飲食店や図書館では、避けた方が無難だな』
幼馴染みにして大切な想い人でもありますハンナさんに注意をされましたナディーネさんと、親友でもありますルネ卿に言われましたアンリ卿は素直に頷かれまして。
『確かにハンナの言う通りだな』
『忠告に感謝をする。ルネ』
{腕輪の主にとってはハンナ女史が、アンリ卿にとってはルネ卿が、止事無い身分であらせられます貴族諸侯の家門にて生まれ育たれますと気が付き難くなる視点から見る物事を、教えて頂ける役割を果たされているようですな?。我が主}
はい。私もそのように思います。髪飾り。




