エピソード686 年長者であらせられますニコラオス少佐と妹でもありますナディーネさんの関係は
『…何で勝者之民の兄貴が軍務省に居るんだ?』
『ゾーリンゲン家の長男として帝都アーヘンを離れて領地にて領主代行を務める前には、軍務省での手続きが必要だからだ。希望』
帝都魔法学園から馬車に乗車して軍務省に移動をしますと、ゾーリンゲン家の男爵閣下の長男にしてナディーネさんの兄君であらせられますニコラオス少佐も、御越しになられていました。
『別に今日でなくてもいいだろう…』
ゾーリンゲン家の男爵閣下の末子でもありますナディーネさんは不満そうですが、旧ザクセン公国との戦争にて敵軍の最強の魔法使いを一騎討ちにて破り勝利を収めた英雄であらせられますニコラオス少佐は、包容力を感じさせる笑みを妹でもありますナディーネさんに向けられまして。
『兄として妹を心配するのを許してくれると助かる』
兄君であらせられますニコラオス少佐の御言葉に対して、ナディーネさんは溜息を吐きながら灰白色の髪の毛を揺らされまして。
『恵が居なくて良かったぜ。一緒にいたら間違い無く、家族に甘やかされて育った令嬢扱いをされただろうからな』
ゾーリンゲン家の男爵閣下の末子にして令嬢のナディーネさんは、平民身分の御用商人の一人娘でもあります大切な幼馴染みでもありますハンナさんから、どのように見られるか非常に気にされています。
『少佐。妹君と御学友の皆様方を、採寸を行います部屋に御案内をいたしたく思います』
ケーニヒスベルク家の辺境伯閣下が、大将の軍階級にて指揮なされました東方拡大戦争の英雄であらせられますニコラオス少佐に対して、軍務省にて勤務されています事務官が、恭しく深々と御辞儀を行いながら申し上げられました。
『令嬢花女史とアンリ卿とナディーネとルネ卿は構わないかな?』
ニコラオス少佐による御確認に対しまして、私とアンリ卿とルネ卿は揃って御辞儀を行いまして。
『『はい。ニコラオス少佐』』
ナディーネさんだけは肩を竦めながら。
『その為に軍務省に来たからな。兄貴』
ニコラオス少佐は私達四人に対しまして、笑顔で御頷きになられますと。
『帝国軍の尉官の少尉の軍服と礼服は、きっと四人とも似合うはずだ』
『『有難う御座います。ニコラオス少佐』』
『今日は採寸だけどな。兄貴』
軍場帰りの年長者であらせられますニコラオス少佐と、妹でもありますナディーネさんの関係は、私から見ますと非常に良好に感じられます。




