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カルカナのゼナ  作者: ななかまどっ
18/27

地上への帰還と報酬

ゼナ達は、エミリオ達の居る野営地に戻った。

ガーゴイルとの戦闘の報告と冒険者が惨殺されていたことを伝える。


「ガーゴイルまで出て来てるのか…一般の冒険者や捜索隊では勝てないだろう。」


エミリオの言葉を皆が聞きいる。

今後の動きは、ソフィアとレイチェルが戦闘補助が出来る様になったら速やかに坑道から脱出することに決まった。時間が経てば捜索隊の被害が増えるのと、エミリオ達とクリス達の捜索隊も結成される可能性が有るからである。


そして、ガーゴイルからドロップしたハルバートを鑑定して貰っていた。


「これは、かなり良い!良質なグリーンメタルで形成されている!」


エミリオは、ガーゴイルのハルバートを褒めちぎりカルラにハルバートを渡し試して貰う。


「物凄く破壊力が有りそうだけど少し重いかな〜」


「カルラ、ちょっと貸して!」


ヴェルテがカルラに言い、ハルバートを借り演武して見る。


「確かに、重いかも〜」


ヴェルテも、ハルバートに稍、振り回されている感じだ。


「そっか…これも溶かして、良質な防具にするか」


エミリオは、ハルバートを見ながら思案している。確かに、うちらの防御力は、高くはない。生存率を高める為に、今後、防具を揃えるのは必要なことだとゼナも思った。


その後、ヴェルテが水浴びしたいと騒ぎ、簡易の水浴び場を皆で作る。

天幕を簡易的に張りミントに、お願いして各二名ごとに水浴びすることとなった。


初めにヴェルテとカルラが、次にエミリオとゼナ、その後クリスとキスカが水浴びし、ジェシカとレイチェル、ソフィアに付いては、女性陣が補助しながら水浴びすることになる。レイチェルとソフィアも歩ける程度に回復していた。


ヴェルテは水浴び出来たことに大満足の様子。ミントは、大量の水を出す作業により、フラフラになっている。


「ミントお疲れ様…」


「流石に疲れたわよ!」


ミントは、ゼナの肩に乗り、口を尖らせながらゼナに苦情を申し立てている。ゼナは、苦笑いしながら、ミントを労っていた。

その様子をエミリオは、笑いながら眺めてる。天幕の方からレイチェルとソフィアが女性陣に支えられ、ゼナ達の前に歩み寄った。


「二人共、動ける様になって良かった!」


ゼナが二人に声をかけた。


「助けて頂いて、ありがとうございました!戻ったら絶対に、パンを買いに行きますっ」


ソフィアは、キスカのパンを、かなり気に入っているみたいで、戻ったら、また食べると意気込んでいた。

その様子を見て、レイチェルは、ソフィアにパンの事を詳しく聞いている。そのやり取りにジェシカも加わり騒ぎは大きくなり、ジェシカは、どさくさに紛れて、ゼナに抱き着こうと突進するが、華麗に躱されていた。その様子を見ながらレイチェルは雑貨屋アリアンワースのについても、皆から説明を受け興味が尽きない様子だ。


「カルラ様含め、私も助けて頂いて、本当にありがとうございました。私も、戻ったら雑貨屋に遊びに行って良いですか?」


レイチェルは、エミリオに対し熱い眼差しを向けて話かけている。

エミリオは、微笑みながら、皆に答える。


「無事戻ったら、アリアンワースで宴を開こう!」


皆が喜び必ず、無事に戻ると誓うのであった。


腹ごしらえは、大切!と力説しながらヴェルテが食事の準備を始め、エミリオは全員の武具、防具の手入れを始めた。ゼナも革装備の補修を施す。キスカは、ジェシカ、ソフィア、レイチェルに回復魔法を再度かけ、治療をしていた。クリスは、回復した自身の体の動きを確かめる様に大剣を振い華麗な演武を披露している。全員の気持ちは、地上に向っていた。皆が食事を取り、再度仮眠を取ってから、地上に向けて動くことが決まる。

食事の後にエミリオから帰りは陣形を組んで動こうと提案があり皆で相談した。

先頭は、ゼナとカルラで索敵、遊撃と壁役はヴェルテとエミリオ、荷物持ちは、レイチェル、ソフィア、回復として、キスカ、ミントを中心部に配置し、後衛の守りは、クリスとジェシカで決まった。

明日の移動に備えゼナ、ヴェルテ、カルラが見張りとなり皆には、仮眠を取って貰うことになる。三人は、ヴェルテの入れてくれた紅茶を飲みながら話こんでいた。


「帰りは、強敵が湧かなければ良いな〜」


「ガーゴイルクラスが居ないことを祈るよ!あれは面倒だもの」


「ゼナが、居なかったら、うちらも全滅してたかも知れないネ」


ヴェルテが紅茶を啜りながら言い、ゼナも、あれは、もう勘弁と苦笑いしている。カルラは、ゼナ様々だと笑っていた。


皆が仮眠を取っている間に、何度かオーク複数体の襲撃があったが、オーク程度であれば、三人に取って敵では無く朝を迎える。オークのドロップは、オークの戦斧と槍、グリーンメタルの欠片が多数であった。


皆が起きて来て、野営地の解体が始まる。朝の食事は、干し肉と堅焼きパンを軽く食べる程度で済ませ、出発の準備が出来た。


エミリオは、皆に声をかける。


「皆で無事地上に戻ろう!基本、索敵は、ゼナだか不審兆候があれば、皆すぐに伝えてくれ」


ゼナ達は、エミリオの言葉に頷き、地上に向けて歩み出した。


ゼナが先頭を歩きながら索敵していると前方から、捜索隊と思われる冒険者が歩み寄ってきた。

その先頭に居るのは、カルカラ三番街自警団隊長のバジル。バジルは、長剣と盾を装備し全身はフルプレートの重装備を着けた偉丈夫だ。


「バジルさん!」


ゼナが歩み寄る。バジルはゼナ達を見て喜びゼナに駆け寄った。


「皆無事か!ガーゴイルが湧いて先に進めないと他の捜索隊から報告を受けて討伐隊を率いて来たが此処まで遭遇せずに来れたんだか…もしや、お前達が倒したのか?」


ゼナは昨日ガーゴイルを倒した旨をバジルに伝えた。

バジルは驚きゼナ達を褒めちぎる。


「よくぞガーゴイルを撃破したなっ!流石としか言えまい」


バジル達は、ゼナ達と合流する経路でシルバーウルフの群れとハイオーク、ゴブリンリーダーを倒して来たと話す。坑道の魔物が強くなっていて、一般の捜索隊では被害が拡大するとギルドで話し合い正式な討伐隊を結成したとのこと。


「ま、出番はなかったんだけどな!」


バジルはゼナ達に高らかと笑いゼナの肩を叩いていた。そのままバジル達と地上に向かい、途中ハイオークとゴブリンリーダーの群れに遭遇するも危なげなく撃破できた。バジル達の戦闘能力の高さに、ゼナ達は、驚くばかりであった。また、バジルは、ハイオークとゴブリンリーダーからのドロップは、ゼナ達に渡すと言ってきた。自分達はギルドから報酬を貰って討伐に来たが、それをゼナ達が倒してくれたことに対し、少ないながらの謝礼だと言う。ゼナ達は、有難く戴くことにした。


バジル達から、ハイオークの戦斧と盾、グリーンメタルの塊、ゴブリンリーダーの盾とダイヤモンドの原石、特大グリーンサファイアの原石を貰い受けた。


地上に戻りカルラの家にゼナ達は、招かれていた。


カルラは、商業ギルド組合長の娘であり、ゼジル・エリエストの末裔。エリエスト家は、大商人でカルカラ随一の名家である。その豪邸は、絢爛豪華な内装もさることながら、調度品など、超一級品が飾られていた。


組合長は、カルラの帰還に多いに喜び、ゼナ達に今回の捜索と救出に礼を言うと共に報酬として各人に謝礼を渡したいと言ってきた。その意見にカルラは、皆の特徴を組合長に伝え各個人に見合った報酬を決めて行く。


エミリオには、鍛冶師と言うこともあり、オリハルコンの塊を複数渡す。オリハルコンは、希少価値の高さから、一般では手にすることは難しい鉱物だ。アダマンタイト程ではないが、伝説級の鉱物である。エミリオは、目を輝かせオリハルコンを魅入っている。


ゼナには、シルフの精霊が宿った宝玉を渡す。シルフの精霊の力は強大であるが、気まぐれであり、気に入った相手でなければ、力を貸してくれないし、姿を見ることも叶わないが、ブルーピクシーと友になっているゼナであれば扱えると組合長は思い、シルフの宝玉を渡した。ゼナは、宝玉を眺めて組合長に礼を言う。


ヴェルテには、フレアストーンの原石を渡す。フレアストーンは、火の精霊を宿す力がある。現在、石には精霊は宿して無いが、火の属性強化をすることが出来るし、精霊を仲間に出来た時に宿り木として使える。ヴェルテは、喜び組合長に抱き付いて礼を言っていた。


キスカには、大地の精霊ノームが作ったとされる、琥珀色の宝石を渡された。ノームの作った宝石は、大地の加護があり、キスカの魔法を高める力があると組合長は判断し渡す。キスカは、ノームの宝石を見て感動し涙を流し組合長に礼を言っていた。


ミントには、ティターニアが装備していたと言われる髪飾りを渡す。

ゼジル・エリエストが仲間にしていたティターニアの装備品の一つである。カルカラの秘宝とまで言われる一品であるが、人間では装備出来ない代物であり、ゼナとミントの姿を見て、先祖ゼジルの姿が組合長の脳裏に描かれたと言っていた。ミントは、伝説のティターニアの装備と聞いて、組合長の回りを飛び回り感謝している。


全て超一級品の物ばかりであったが、娘の命を救ってくれたゼナ達に惜しみなく渡された。


そして、カルラは、父にゼナ達の仲間になり、アリアンワースで働き修行したいと伝える。組合長は、初めは難色を示したが、ゼナ達と行動を共にするほうが、今より安全だと判断し渋々了承するのであった。


また、クリス達にも報酬が渡され、ジェシカなどは、当分遊んで暮らせるよ!と喜び勇んでいた。




エリエスト家での宴は、夜遅くまで続き豪華な食事と酒に皆が酔いしれるのであった。









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