第173話 演出効果からの復興支援
起動。
リンク。
コードをサーバーに繋ぎ、すべてオールクリアにしていく。
クロードは成樹や美晴から連絡が来たため、藍葉と連携しながら作成したPV動画を広告掲示板に連結できるようにあちこちのサイトへ外部介入していくのだった。
「え~~?? こっちがこうで、あっちが」
『……クーちゃん。あたし、あとなにすればいいの??』
「せやな? PV流して粗いとこがないか探してくれん? 熊谷らも微調整しとるやろーが、まだ本調子ちゃうしな?」
『わかった』
ただ、藍葉にひとつ嘘は言った。本調子でなくとも、お互いのパートナーのために、本領発揮したプロ集団の実力をフル活用しているのだ。微調整くらいなら藍葉でもできるだろうと仕事を割り振っても、ほとんど成樹らと誤差はないはず。
掲示板にハッキングして、こちらの主導権をもフル活用していくのはクロードもだが、それ以上に成樹らの方が得意だろう。在宅ワークの大半をエンジニアとしても動いているのだから、端末が小さかろうがある程度のスペックがあれば問題ないはず。
そこを藍葉に心配をかける必要はないし、無理に外へ出て被害に遭ったら元も子もない。成樹や美晴が嘆く場面など必要がないからだ。
(俺も見つけたいわ!! 自分を奮い立たせるくらいに大事にしたい相手!!)
美晴の方はともかくとして、成樹と藍葉を見ているだけでもよくわかる。互いをとても大事にしたい想いが画面越しでもひしひしと伝わってくるのが、羨ましくて堪らない感情が湧き出るほどに。
ここで焦っても仕様がないのはわかるが、自分にその相手がいないのが辛いのだ。間に割って入るわけではないが、自他ともに認めた相手がいてこそのパートナーシップ制度と言える。奈月が自己犠牲に近い行動を起こしてでも、紗夜を守るために起こした行動と言っていいくらいに……地球以外の並行世界が滅亡の危機を迎えないためにもと、【予知者】として、ここまでの段階に留めたのだ。
『生きたい』という気力を失わないくらいの、最高のパートナーを見つけたい。そのためにも、この業務を通じて『クロニクル=バースト』内にいるかどうかを確かめたいのだ。掲示板へのリンクが整ったら、クロードは自分の権限を使うのに社員証のパスカードを機材に読み込ませた。
「主催者の名前見て、驚けや!」
フロアに誰もいないことは承知の上だが、叫ばずにいられない。帰宅許可も出ない、外にも出られないとなれば、交通網の回復を促す『スキル』を音楽とアニメーションだけで促す行動力を見せつけてやるしかないのだ。
そんなファンタジー要素丸出しの異変を起こすなど、バカげたことだと思われがちだが。地球の自然災害の方がよっぽど異質で魔法のようだ。『生きている』からこそ、不調を唱えている人間と同じように。
だからこそ、自然の一部とも言える人間たちが『文明』を利用しての魔法を起こしてもなんらおかしなことではないのだ。その魔法が利くように、掲示板などのリンクが『完了』の文字をPCに表示されれば……クロードはキーボードをいくつか叩いて実行完了のコマンドを押すのだった。
次回はまた明日〜




