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ポイ活で、異世界ファームを育成しよう!  作者: 櫛田こころ


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第172話 帰宅出来ないのであれば

 外の被害状況が悪化したとなれば、成樹や美晴は簡単に自宅へ戻ることが出来なくなってしまった。


 成樹としては、事実上ひとりきりで成樹の自宅に待機している藍葉のところへ一刻も早く帰って安心させてやりたかったが……水害が併発して起きているために、距離のこともあるが簡単には帰宅出来ないのだ。


 美晴も、夏奈というパートナーがいつの間にか出来たらしいが、そこは奈月が入院用に待機していた精神科病棟だったと。並行世界とのリンクを張り巡らせることで、彼女と擬似的でも会話が出来たらしい。


 そんな魔法のようなスキルを羨ましく思うものの、藍葉と成樹の場合は『異世界ファーム』では互いの『育成キャラ』が自分たちを模倣しつつもリンク出来る存在なのだ。


 操作する手段としては、必要がないくらい自分たちの手から離れてしまっている。奈月らのようにリンクをしようにも、並行世界の別個体との接続がうまくいかない。障害が多過ぎて、簡単にリンクすることが出来ないようになっているのか。


 並行世界はともかくとして、リアルタイムでそれが出来ないとなると、通常のデバイスなどで彼女とは連絡をとるしかない。それが出来るだけでもまだいい方だ。美晴は夏奈の待機場所に気を遣って出来ないので成樹に『羨ましいわ』と何度告げたことか。



「奈月のつくってきた、過去のストーリーやと……『水の汚染』がここから酷くなるはずや」

「水質汚染なんて、四大災害に匹敵どころかそれ以上……街ん中が、浸水だらけで津波痕になるんか?」

「下水道が機能しなくなるのか?」

「「おそらくは」」



 阿澄とともに打ち合わせを進めていくが、外の様子を見れる監視カメラ映像を全部繋げてみてもだいたいが同じ光景。ニュースキャスターなどの報道陣もバカじゃないので高い位置からの放映を試みているが、あまりの寒さにすぐ退却するところが多かった。



(帰りたい……だけど、帰れんのがもどかしい)



 クロードとの連携を自分が取れたら、と悔しくなるものの。藍葉がひとりでいないようにとの保険も兼ねて残してきた人材だ。成樹と藍葉の関係は早いうちに伝えてあるし、藍葉と馬が合っても横取りするような人間でないことがわかっていたから託したのだ。


 なら、出来ないなりにこちらも似たプログラムを構築しなくてはいけないだろう。ふたりが作った簡易版のPV映像をこちらがさらにリメイクすることくらいなら簡単だ。奈月の『任務は任せた』には成樹らのことも含まれているのは間違いない。


 表舞台に立つことはこれ以上出来ない。


 あとは頼んだということと同じだ。付き合いの長い後輩兼社長命令となれば……ここは従うしかなかった。バカとか阿呆とか言いたい放題したいのを堪え、藍葉との再会を確実なものにする以外の『仕事』をしなくてはいけないだろう。



「ハル神との連携は今んとこ取れんのやけど……なんとかせなあかん」

「会社どーのこーのの処理業務じゃなかと。残業ボーナス以上のもん出してもらわんとな?」

「取締役として、そこは保証しよう」

「「よっしゃ」」



 音、光、演出、それらを駆使しての効果を見出すのに。プログラマーとしても経験値の高い二人がかりで構築していけば、外の光景も変わっていくだろうと信じて。デバイスを阿澄に借りてからは猛スピードでコードを弾き出していくのだった。


 ひとつ、ふたつの排出経路を作り、水を逃がすところから汚染物質の発見を現場の人間に伝達することなど、これまた魔法のように出来るのではと成樹は今更ながら自分のスキルを侮っていたとため息を吐きそうになったが。


 交通網の回復のためにも、車を出せるくらいに道路網も確保できるくらいの回復を促したかった。PV動画の編集がクリーニングされるにつれ、外の広告掲示板経由で流せば、その瞬間は訪れていく。


 奇跡のきっかけとやらと、のちに呼ばれるようになる瞬間を。

次回はまた明日〜

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