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ポイ活で、異世界ファームを育成しよう!  作者: 櫛田こころ


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第161話 無理やり叩き起こされた

 美晴もだが、成樹も再びVRゴーグルを外せれる範囲で叩き起こされた。


 スリープポッドの上部に頭を打ち付けるのは仕方がなかったが、現実側に戻れたという確証が持てたのでその痛みも逆に有難かった。スピーカー越しに、阿澄の『開けるぞ』という声が聞こえてきたのでコールドスリープの管理温度が徐々にぬるいものから温かいものへと調整が始まった。



「……なんなん。阿澄さん、俺らどうしてたんじゃ??」



 一度起きてもすぐに寝付いてしまった成樹には、藍葉とのやり取りをして彼女に迷惑をかけたこと以外……記憶がまばらであまり思い出せないでいた。蓋を開けて外に出てみようにも、体が鈍り過ぎて這いずるようにしか上体を起こせなかったが。


 外に居た中年男性は軽く息を吐いてから、成樹の頭を小突いた。



「……加東が動いた。それに、お前たちの部下が躍起になって救出行動に移るようにしてくれたんだよ。この解凍準備も彼らのおかげだ」

「……藍葉、が?」

「小鳥遊妹。その子がまさに発起人と言ってもいい。ここではなく、加東の『デバイス』を探すのに必死らしいが」

「……奈月も無茶しとるんか」

「リンクとリンクの差をつけさせるために。モニター連中を『起こす』のにも利用したらしい。……美晴、お前の方はどうだった?」

「ええとこで起こさんでくださいよ!!」



 どうやら、美晴にも『パートナー』がきちんと見つかったのかで並行世界側でのリンクが可能になったようだ。藍葉と成樹にはそのリンクが『出来ない』ように奈月らからプログラムを構築させられているので、『デバイス』がないと難しい。『スカベンジャー・ハント』を通じて、端末を利用しないと会話出来なかったのがまさしくそれだ。



「事情は知らんが、お前らが起きないとこっち側の仕事にも支障が出るんだ。集中しまくるのはいいが、現実側もなんとかしてくれ」

「藍葉だけじゃなく、クロードもおんやろ?」

「クロードに事実上まかせっきりは残業手当を出すだけで意味がない。『スカベンジャー・ハント』もまだプレスリリースしただけで、調整はこちらでも可能な限りしている。お前たちの『異世界ファーム』とやらは完全に関与してないから、そっちを助けてくれ」

「「助けてくれって、割には命令やん(じゃろ)」」

「一応は、会社の中では取締役のひとりだからな?」



 それはそうなので、言い訳をしようにも業務内容を放っておくわけにもいかない。それに、藍葉にも安心させる言葉をかけてやりたかった。スマホの方の端末はなんとか稼働していたので、ポイ活アプリのチャット機能でさっとダイレクトメールを送ってやると。


 三秒もかからずに、返事が来た。



『シゲくん、今どこ!!? 身体大丈夫!!?』



 通話機能を使いたいところだったが、短文で返事をしているあたり、なにか業務をこなしているのかもしれない。大丈夫だと返事をすれば、また短文だが続きを寄越してくれた。



『今、奈月さんの案件で『脱出ゲーム』みたいなのさせられてるの。身体を探してほしいって』

「……身体、探せ?? あの病院にいるんじゃ??」

「今奈月は、搬送させられてるぞ」



 疑問に答えてくれた阿澄の回答に、美晴といっしょになって口を開ける反応をしてしまうのは仕方がないと言えよう。



「「あほんだら!!?」」



 リンクしている並行世界の『別個体』同士で決めた内容にしても。ただでさえ、命を危ぶむ身体でしかなかったのに、『搬送』させるということは無茶をしているだけでしかない。


 なにかから引き離す行為だったとしても、外の凍結大災害の中を救急搬送してまで自分を運べということは、それだけ保管先にしていた病院などの負担が大きいということか。



「阿澄さん、それはここなんか?」

「いや、『第一病院』らしい。あそこのポッドに入れさせろとの指示は本人が出している」

「「……阿呆」」

「それ、『スカベンジャー・ハント』の最終決戦での『お宝』コースやんか」



 開発に一番関わっている美晴の言う通り、奈月を含めて『クロニクル=バースト』の代表の顔出しをするイベントに使おうとしていたプランだ。それを、こんな災害状況で他人らを巻き込んでイベント化させたということは。


 藍葉も関わっているのなら、きちんと会うための準備なのか。どのみち、藍葉は足のことがあるので出向くことは出来ない。つまり、『デバイス』として姿を見せるということなのだろう。なら、成樹は自宅に一旦戻ることを阿澄に告げたが。



「車は出せないぞ? 徒歩で行けるか?」

「……やろな」



 業務の大半は終わらせているので帰宅には反対されなかったが、手段が限られているのでもう少し回復するため、この施設に留まることにした。寝起きで酷な運動はVRから戻った身体に負担が大きいからだ。

次回はまた明日〜

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