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ポイ活で、異世界ファームを育成しよう!  作者: 櫛田こころ


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第156話 のんきな訳がない!?

 クロードは、少し焦っていた。


『加東奈月』と、その後の連絡が一切合切取れずにいるからだ。おそらくだが、あの『加東奈月』は並行世界側とリンクしている『別個体』だったかもしれない。


 地球サイド、いわゆる『現実』の彼はどこかの病院に入院して治療を受けているとの情報はクロードにも伝わっている。だが、元旦前後の『変動補佐』をしたときにはいきなりチャットでリンクしてきたのに……数日経った今は、個別で対処していた藍葉にも連絡していないときた。



(『社長』としても、少しは指示出せやボケぇ!?)



 こっちが部下だろうが、奈月との元の関係は大学での先輩後輩のそれだ。美晴らと付き合いが長いからとは言え、クロードも妹と語り合うくらいに交流は深めていたつもりだ。学生時代の間に立ち上げたいと言っていた事業こそが、『クロニクル=バースト』。


 立ち上げに必要な資金運営は、父親からの援助もだが学生時代に資産家たちから搔き集めたこともあって充分なものとなっていたらしい。そこに、中途採用とはいえ、学生時代の先輩後輩たちの『作りたいものを作る』をモットーに築き上げたひとつが、クロードのいる東京第二支社だ。


 美晴と成樹は在宅ワークが多いと聞くが、基本的には本社に属する強者。だから、基本的にどこにいるのかどうかもわかっていない。


 つまり、完全に置いてけぼり状態で大事な上司の彼女を預かっている身としては。


 必要最低限の指示くらい、そろそろ欲しいところだった。自分の家族とかに関しては無事の確認は取っているので、そこは問題ない。あるのは、他人でも大切な人を預かっているのに指示を寄越すどころか『起き』もしない上司への苛立ちだ。



(……なんとかしてくれてるんやけど。ほかにバグでも生じたんか??)



 異世界ファームの運営については、定期的にバグが生じないように藍葉と共同で管理しているので問題はなかった。彼女の管理部門を増やしてあげないと、成樹と連絡が取れるまでに以前以上の安心を与えてやれないからだ。


 かといって、このままだとクロードの方もいくらか暇になってしまうので焦りが生じる。室内の監視カメラは事実上作動していないため、奇声を発しようが何しようが問題ないにしても……業務外の好き勝手な避難生活をしているわけにはいかない。


 命の危機は一旦脱しても、まだまだ外界の環境が整備されていないのはそのままなのだから。



「今度はなんや?? 探せ……ってか? 先にβ版でリリースさせとる『スカベンジャー・ハント』のシナリオのように」



 すると、デスクのPCからの通知音が響いた。


 まさか、と寝ころんでいた姿勢から立ち上がって画面を覗き込むと……思わず、舌打ちをしたくなったのは仕方がない。



「おいおい? 今度はリアル(・・・)タイムで何させるつもりなんや? 海外のテストゲームちゃうんやぞ??」



 指示文書なる、メモ程度のメールが一通。発信者は『加東奈月』。


 内容は、『俺を見つけてください』と件名に書いてあるだけで本文には関東地方の地図にチェックインのポイントが記入されているだけだった。

次回はまた明日〜

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