第100話 次の指示は『加工食品』
連絡版からしばらく連絡が来ない日々が続いていたが。
五日目くらいになって、食事中にいきなり光ったので……一時中断してから向かえば。
前にあったような質問の返答形式ではなく、きちんとした『指示』が書かれていた。
【収穫物を『加工』せよ。
レシピ本の中に、詳細は記入してある。
炊き出しなどはこれまで通りにするかは、あなたたちの自由。
作物を『加工』して販売出来る手前までしておくように】
新しい言葉に、クルスは意味が分からないと首をひねった。リーナも同じなのか、『うーん?』傾げていたから。
「……今までのも加工とちゃうん?」
「売るようにってことだから……商品に出来るようにってこと?」
『作物を『それらしく』デハ?』
「「ああ!!?」」
サナがいなければ、そのことにまで行きつかなかっただろう。せっかくなので、クルスのレシピ本を皆で見に行こうとキッチンに置いたままのそれを開けば……たしかに、『食材』にすべき加工の仕方がいくつか書いてあった。
これなら、ルドガーへ『食材』として買い取りしてもらえるかもしれない。ある程度売り買いすれば、炊き出しの必要もなくなるか。
「じゃあさ? 調味料は瓶詰め出来るように、容器を買うとか?」
「それや。こっちもいい加減金使えるようにしたいしな」
たまたま、今日は弁当の納品日だったからついでに聞こうと決定。肉の実をいくつか『加工』するのをレシピ通りにまずしてみたが……皮を剥いだあと、塩水でよく拭うくらい。それを布で巻いておけば……と、実に簡単だった。
これなら、リーナの言う通り調味料は瓶を購入した方が早いか。自分たちで衣服のように作ってもいいかもしれないが、仕事が多くなりすぎるので却下したかった。
「ほぉ? こういう風なら、たしかに……」
納品後に執務室へ通してもらい、加工した『肉』をルドガーへ見せたところ。なかなかに好感触とも言える反応をしてくれたが、これで買い取りしてくれるかはまだわからない。じっと、待っていれば……ルドガーは首を縦に振るかと思えば、腰を深く折るような姿勢に。
「『「?」』」
「頼む。こんな感じなのがいくつかあれば、こちらで買い取りさせてくれ。そちらの望んでいる瓶は無料で渡す」
「は? いやいや、加工はこっちでしか出来んでも」
「どのみち、俺たちに買い取り出来るかの商品のためだろ? だったら、容器くらいは無償で提供させてくれ。つか、こっちの現状それくらいしか出来ん」
「……せやけど」
「いいんじゃない? あたしたちが普段使いするわけじゃないし」
『……デス』
多数決でその回答が出るのなら、クルスも頷くしかない。
なので、ポーション用にストックしていた空瓶を確認している間に買い取りが完了したが。まずは……の金額だったのでそこは問題ない。というか、下手に高価な扱いをし過ぎると冒険者以外の人間たちも買いにくいからだ。
帰宅後に三人で手分けして調味料のになる果実を詰めていったが、結構楽しくてかなりの本数を作ってしまった。全部買い取りしてもらえるか心配にはなったが、交渉は三人でするから大丈夫だと意気込むしかない。
それは、また明日だ。
次回はまた明日〜




