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そこでシャルロットは考えた。
なぜ自国でないと危ないのか。
その答えはひとつ。
サマセット公爵家の火事の真犯人は、祖父ではなく、他国と密接につながりのあるもの、あるいは他国の有力者であるからだ。
実行犯は祖父にしろ、この国の宰相を動かすことのできる有力者が思いつかず、シャルロットは足を止めた。
そして、不意に、自らの家族について全く覚えていないことに気がついた。シャルロットが孤児院に預けられたのは、シャルロットは覚えていないが、火事の後だとすれば。10年前、シャルロットが6歳の時である。
なのに、家族の記憶がないなんて、おかしくないだろうか。
そこには、作為的な「何か」が必ずある。
シャルロットは、自らが育った孤児院へと向かうことにした。護衛を付けて。
***
「シスター!久しぶり」
孤児院の門をくぐるなり、子供たちに囲まれながら、シャルロットはシスターに辛うじて挨拶をした。
続いて、護衛であるアルバートとディラックもぺこりとお辞儀をする。子供は正直なもので、前回来た時には寄り付きもしなかったのに、シャルロットの仲間だとわかると、頭の上によじ登ったりと、ひどい扱いである。
「シスター、聞きたいことがあるの。」
アルバートとディラックは、耳をダンボの様にした。
のも束の間。
シャルロットは、二人に無情にも告げたのであった。
「シスターたちと私だけでお話ししたいから、庭で子供達と遊んでおいていただけますか?」
アルバートとディラックは、頷くより他になかった。
***
「シスター、私ね、家族の記憶がないの」
そう切り出したシャルロットは、シャルロットについて、そしてシャルロットの家族について、知っていることをすべて教えてくれ、と詰め寄った。
あらあら、とシスターたちは笑いながら顔を見合わせ、あなたはうちの子よ、と言う。
それを聞き、シャルロットは、ためいきをついた。そして、言う。
「私ね、火傷したことがないのよ。シスターも知っているでしょう?」
それを聞いたシスターの動きが止まる。
「それは何故なのか、シスター、分かるわよね?」
シスターたちは、観念した様にため息をついて言った。
「貴方は、それを知ってどうするの?」
「知れば、責任が生じるわ。危険も倍増することでしょう。」
それでも、知りたいの?




