↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ベルハルト皇国の妃  作者: mimico
PR
8/14

8

私が貴族なんて、何かの間違いじゃないだろうか。もし、公爵令嬢であるならば、余程のことがない限り、孤児院に預けられることはないはずだ。


そこで、シャルロットは頭を上げた。


ならば、「余程のこと」があったに違いない。それがなければ、シャルロットは平民に逆戻りだ。そして、いまするべきはただ1つ。


「サマセット公爵家に起こったことを調べなければ。」


確か、サマセット公爵家は皆亡くなっていると記されていた。それが、シャルロットが生きていたとなれば、「亡くなってもおかしくないくらいの事件或いは事故」が生じたことは容易に推測できる。

シャルロットは、記憶を辿った。確か、彼らの命日として記されていたのは、10年前の、ちょうどこの時期の日付であった。それならば、何が起こったかは新聞を読めば分かる。


そうして、シャルロットは10年前に火事が起きたこと、そしてその犯人は祖父であることへたどり着いた。


しかし、シャルロットの知りたいことはそんなことではない。


何故、骨も見つかっていないのに、彼ら…シャルロットを含むサマセット公爵家の皆は、「死亡」と見做されたのだろうか?


それは、彼らが死亡した方が都合が良い人物が居て、そしてその人物は、「生死の判断」ですら捻じ曲げてしまうほどの権力の持ち主である。


となると。


残るは王族のみである。


当時の皇帝は、龍の眷属になっていたし、皇子三人のうち二人は毒に侵されて亡くなっていた。そして、レイスは未だ10歳である。

そんな中、絶大な権力を誇るのは。


サマセット公爵家当主であり、皇帝の弟である、ジョゼフ・サマセット…シャルロットの父親しか残らない。

シャルロットに貴族だった頃の記憶はないが、普通の家庭において、父親が子どもを危険に晒したりするだろうか?妻を危険に晒したりするだろうか?

貧困な家庭ではなく、上流階級の家庭では、逆にこう考えた方が自然である。


「それは、危険ではなかった」


そして。


「死亡認定を受けた方が、安全であった。」


さらにもう1つ。


「他国ではなく、自国で平民として生きる方が安全であった。」


3つ目は言うまでもなく、シャルロットのことである。

このような3つの条件が揃うというのはどのような状況なのか。


シャルロットはそこまで考えて、ゾッとした。

自らがそこまでしなければならないほど、命を狙われ…悪意に晒されていたということ。そして、これからもし自分が公爵令嬢として名を挙げたならば。


再びその悪意に晒されるかもしれないということだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。