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それでも知りたいの、と問われたシャルロットは、迷うことなく頷いた。
「もう、逃げたくないの」
あの人ーレイスが倒れるまでしても逃げずに立ち向かった様に。私も、私自身の責任、負うべきものから逃げてはならないのだ。
シーツを三つ編みして脱走を図ったあの日から、いかに逃げるかについて考えていたけれど。何も解決しない、してくれないことに気がついて。
だからシャルロットはここまで来たのだ。
そんなシャルロットを見て、シスターたちはポツポツと話し始めた。
何故火傷をしたことがないのか。
それはそもそも、皇族は祖先が龍であることから始まる。水龍、飛龍、炎龍など、その時々に皇族が持つ属性は異なるが、大なり小なり龍の特徴を受け継いで生まれる。
そして、シャルロットの父は皇族直系の男子であり、母のアイリーンも数代前に皇族が降嫁してきている伯爵家の直系である。その娘であるシャルロットも龍の素質を色濃く受け継いだ。
そして、シャルロット含め、サマセット公爵家は皆炎龍の属性であった。
炎龍の属性と言うことは、炎を使いこなすだけでなく、炎は決してその身を傷つけることない。火傷はしないのである。
だから、シャルロットは火傷をしない。
「ということは、私の両親も火傷をせず、火事の中生き残っていたという事よね?」
その問いに、シスターたちは頷いた。
家族は生きている。怪我なく、生きていた。
その事実が、シャルロットの胸を温かくさせる。
「私の家族が私をここに連れてきたの?あの日、一体何があったの?」
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そのように聞いてきたシャルロットに対し、話せば長くなるわ、と前置きをした。
あの日、小さな命を運んできたアイリーン様は今どうしているだろう、と思いを馳せながら、10年前を振り返る。
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「アン、お願いがあるの!」
そう言って、私がいる修道院に駆け込んできたアイリーン様の腕には、眠ったままのシャルロット様がいた。
その焦りように、とうとう「その日」が来たことを悟る。
「シャルロット様を、責任持ってお預かりしますわ」
言外に、「だから必ず戻ってきてくださいませ」と伝える。
シャルロット様に、忘却の魔術をかけて。
アイリーン様や、ジョゼフ様、そしてシャルロットの兄様に会った時に解除される条件を付け、一刻も早くその日が来るよう祈りを込め、シャルロット様を抱きしめた。
修道院の中庭に、三頭の炎龍がいるのは、おそらくジョゼフ様たちだろう。
アイリーン様を抱きしめて、赤い糸を結んだ。どこに行っても、安否がわかるように。
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