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アルバートとディラックは、皇帝の命令は必ず守る。如何なる理由があろうと。
そして、あの会話以降、シャルロットについてレイスに報告することはなかった。
そして、これからも報告することは無いだろう。レイスから命令されない限り。
***
シャルロットは、修道院の帰り、護衛のアルバートとディラックがいるにも関わらず、誘拐された。
シャルロットが抱いた感情は1つ。
「またか」
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今回は、ふかふかのクッションではなく、硬い木の床に転がされた。乗合馬車同様、振動が直接伝わるからシャルロットは嫌いだったのだが、そうも言っていられない。
手足は縛られ、猿轡を噛まされ、動けないからだ。
シャルロットはぼんやり思い出す。よく分からないが、炎龍の家系ならば、焼き切ることは可能だろう。そして吐いた炎はシャルロットを傷付けない。
それはつまり、「いつでも逃げられる」と言うことを示していて。さらに付け加えると、シャルロットは自分の身の回りのことについて、とても知りたがっていた。
彼女が結論を出すのに時間はかからなかった。
「とりあえず、様子を見よう」
それからしばらくして、ガヤガヤの人の声が聞こえて来た。その言葉の中には通行証などと言う単語があるから、きっと関所なのだろう。しかし、その人以外から聞こえる喧騒は、シャルロットが知る言語とは異なり。
「初出国だわ」
ベルハルト皇国を抜けたことを意味していた。
それから数分、シャルロットはうとうとしていた。それまでは、「ここがどこなのか知らなければ!」という気持ちが勝っていたけれど、言葉がわからなければ意味がない。
それに、最近は遅くまで自分が生まれたらしい家のことについて調べていたのだ。好きではないとはいえ、乗り慣れたガッタガタの馬車で走っていれば、眠くなるのは当然だろう。
5分だけ寝よう。そう、5分だけ。
盛大に寝過ごすフラグをぶっ立てて、シャルロットは夢の中へ。




