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そこでシスターたちは話を切り、シャルロットに尋ねた。
「新聞には、ジョゼフ公爵は何人子どもがいたか覚えていますか?」
シャルロットは、その質問で気がついた。
娘が三人、息子が二人。
しかし、今の話にはシャルロットと兄二人しか話に出ていない。
そして、最新の貴族の家系図にも、シャルロット以外の娘は載っていなかった。
「そうです、貴族の家に生まれた娘は、この国の法律では、他の家に嫁ぐと家系図から消えるのです。」
利益を目的とした結婚にならぬよう、娘は結婚した瞬間、「公爵家の娘」という肩書きは無くなり、「貿易商の嫁」、「侯爵家の嫁」になる。
そうして、パワーバランスを保つ。
この国の始祖である龍のつがいのように、愛し愛されたもの同士が結婚出来るよう、この国ではそのような法律が施行されている。もっとも、家同士のつながりを求めた結婚というのは無くなりはしなかったが。
ということは、これまでの話の中に「登場していない女の人」が居てもおかしくない。
その事に気がついたシャルロットを見て、シスタートロイスは頷いた。
「その人は、現皇帝たちの三兄弟と、ジョゼフ公爵、そしてその二人の息子に消えて欲しかったのです。」
だから、その命を守るため、ジョゼフ公爵とマクレーン伯爵は、レイスを除く五人の死を偽装した。
では。
もし彼ら全員が亡くなったらどうなるのか。
「このベルハルト皇国を仕切るものがいなくなり、国政は混乱します。」
シャルロットは模範解答を出し、
「つまり、攻め込む隙が出来ます。」
そんなシャルロットに、シスタードロシーはにっこり笑い、答えを言う。
「現皇帝 レイス陛下の姉でいらっしゃる、アメイリア様は隣国のニアリス王国に嫁いでいます。」




