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ベルハルト皇国の妃  作者: mimico
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***


息を潜めつつ必死で会話を聞き取ったアンは、すぐさま鳩を飛ばし、アイリーンに報告した。

それからの公爵家、伯爵家の動きは早かった。


マクレーン伯爵は、会議で「次の皇帝はレイスである」と全会一致した後、レイスの兄二人に「仮死作用のある」毒薬を盛り、衰弱した末に亡くなったと見せかけた。そして、自らの領地に匿った。

さらに、ジョゼフ公爵家に火を放つという噂を流し、ジョゼフ公爵家の龍の属性は「水」であると印象付けた。

この時点で、本当に火を放つつもりは無く、万が一「あちら」が攻撃してくる際、炎を使って攻撃されればジョゼフ公爵家は無傷で済むだろう、という憶測の下の行動であった。


しかし。


そんな目論見も虚しく、「あの日」はやって来た。


一人の暗殺者が公爵家に忍び込み、シャルロットに炎の攻撃を仕掛けたのだ。

シャルロットはもちろん無傷であったが、その事により、暗殺者にシャルロットたちの属性を知られてしまった。

すぐさまジョゼフ公爵は暗殺者を始末したが、同じことは何度も起こるだろう。そして、戻らない暗殺者に痺れを切らし、「あちら」が直接動くかもしれない。


そうなる前に、とジョゼフ公爵は自ら家に火を放ち、レイスとともに「死の偽装」をしたのであった。


既に成人していた兄二人と、ジョゼフ公爵、アイリーン公爵夫人は龍に変化し、レイスの母がいる龍の神殿へ逃げた。

そして、まだ幼く、龍に変化できないシャルロットを、アイリーンはシスターアンたちへ託したのだった。


***


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