ジョルジョタオル!頂きました!
「はい。では、クリスティさん、全ての納品完了です。今回も素晴らしいですね」
「へへへ、ありがとうこざいまっす!!」
「また指名依頼入りそうなんですが…。ブルーミントの葉を多めに摘んで欲しいのですが、どうでしょうか?」
「来週なら。いいですよ。ちょっと今週は忙しいので!でも、ブルーミントなら来週でも良い葉を摘めまっす。フリージア薬局堂さんですか?」
「フリージアさんです、では来週に指名依頼を出して貰いましょう。何か言われていましたか?」
「いいえー、ジャカン火山への依頼が沢山でてたので、皆、火傷の薬等を沢山買ってました!だから、火傷の薬の在庫がないのかなーっと。火傷の薬で有名なのはフリージア薬局堂さんなので!ブルーミントは火傷の薬で必要でっす」
「流石、クリスティさん。では、白笹の花と葉もあれば、お願いできますか?サイズは大で。まだ、依頼は出ていないですが、ギルドで買い取ります。防具屋から手袋に必要なオイルがどこも品薄になっていると聞きまして」
「了解でっす。それも来週、一緒に採取しておきまっす!オイルなら、夕焼け松脂も採取出来たらしておきまっす」
「夕焼け松脂も?」
「下町の防具屋さんは夕焼け松脂をよく使っていまっす!見習いさんが言っていました、もしいらないなら、私が自分で使うので、問題ないでっす。安いので、下町の方ではよく使っているのでっす」
「なるほど。では、それもお願いできますか、ギルドの在庫に入れておきますので、買い取りますよ」
「はい!採取はD級冒険者のシャルルにお任せください!」
「ふふ、助かります」
「では、私は忙しいので、失礼しまっす」
「ああ、食堂へ行かれるのですね。ジョルジョは今、休憩中で、裏で煙草を吸っていますよ。どうぞ、裏の方へ行かれるといいですよ」
「おお!なぜ分かったのですか!ありがとうございまっす!裏口へ行きますね、では、また!」
私はお礼を言うとギルドの裏口へと向かった。外にでて、食堂の方へ廻ると、樽に腰掛けて煙草を吸っているジョルジョさんがいた。
「こんにちは!ジョルジョさーーーん!煙草吸っている姿も素敵でっす!」
ひゃーっかっこいい!と言いながら、ジョルジョさんに近づくと「騒がしいのが来たな」と言いながらも、少し離れた小さな樽を指さしてくれた。
「納品終わったのか?」
「はい!指名依頼全て達成でっす!激弱ですがD級の優秀採集専門冒険者なのでっす」
「なんだそれは。まあ、無理はすんなよ」
「ふう!心配してくれるジョルジョさんが恰好よすぎまっす!ジョルジョさんは今日も元気でしたか?」
「ああ、相変わらずだな」
「昼ご飯は?しっかりと食べましたか?」
「ああ、自分で作ったまかない飯をな。俺の飯の心配するなんて、シャルルは俺の母か?」
「くぅ!そんな!ジョルジョさんをこの世に生み出してくれた、お母様には感謝こそすれ、私がそんな女神のような存在になれる訳がないのでっす!ジョルジョさんはしっかり食べたのですね。よかったよかったのでっす」
私は小さな樽に腰掛けると、鞄からパルポの実を二つ出した。
「へへへ、今日も採れたので、ジョルジョさんに一つあげまっす。デザートに一緒に食べましょー」
私は少し大きな方をジョルジョさんに差し出すと、ジョルジョさんは煙草を咥えたまま、受け取ってくれた。
「パルポの実じゃないか。納品したら良い値になるのに、いいのか?」
「もう、納品はしたからこれは私とジョルジョさんのご褒美分でっす。へへへ、好きな人と一緒に食べると美味しいでっす」
ジョルジョさんは煙を大きく吐き出すと、煙草を消した。
「一緒にか。そうだな」
「はい!いただきまーす!おお!美味しいですよ、むぐ、かじゅ、たっぷり、むぐ、うん。美味しいでっす!」
「おい、服に汁が落ちるぞ、ほら」
ジョルジョさんはそう言うと、タオルを投げてくれた。私はそれを受け取ると、思わず「ジョルジョタオル!」と言って天に掲げたので、汁は服についてしまったのだが、ジョルジョタオルを汚さずにすんで満足である。
「なにやってんだ。ちゃんと拭かないから、服、汚れたぞ」
「洗えばいいのでっす。でも、大切なジョルジョタオルを汚すのはいけません」
私が持っていると汚れてしまうので、急いでジョルジョタオルをジョルジョさんに返した。本当は貰いたいけど…。
「ジョルジョタオルってなんだよ。そんなの、汚していいだろ。やるよ」
「え?え?くれるんですか?え?本当に?ジョルジョタオルを?私に?」
ジョルジョさんは私の顔をグイっとジョルジョタオルで拭くと、ほらっと言って、タオルをポンと私の汚れた手に持たせたのでジョルジョタオルは汚れてしまった。
「ああ、パルポの実の代わりだな」
「ジョルジョタオル!天才だ!有難うパルポの実をあげた私!最高の贈り物を貰いました!ジョルジョさん、今日も恰好いいですし、素敵でっす!」
「はいはい、いつも褒めてくれて有難うよ」
ジョルジョタオルは少し汚れてしまったが、家に帰って綺麗に洗って飾っておこう。
「で。賭けはどんな感じなんだ?」
私がどこに飾ろうかと考えていると、ジョルジョさんはパルポの実を食べ終え、また煙草に火を点けながら聞いてきた。
「まだ、見つけてませんが。まだあと一週間ありまっす!」
「六日だな」
「くっ。そうでっす。六日ありまっす!大丈夫です!惜しいのは見つけたので、きっと大丈夫なのでっす!」
「惜しい?」
「えっと、これでっす」
私は鞄から、四色クローバーを出した。
「虹色クローバーではないですが、四色は見つけたのでっす。魔導士さんが欲しいって言ったので、高値で売るのですよ。へへへ。で、図書館の文献にですね、四色クローバーの近くに虹色クローバーが出来ると書いてあるのを見つけたのでっす!だからもう一歩まで来てるのでっす」
「四色…すげえな。これも俺は初めてみた。魔導士ってどこのどいつだ?」
「王宮のおひげふさふさのフレミング魔導士でっす」
「は?一級魔導士のフレミングか?」
「はい、この間、ギルド食堂で相席した時に、虹色クローバーの話をしたら、もし、二色以上を見つけたら、ギルドを通すから、譲ってほしいと言われたのでっす。へへへ、結構なお値段で買い取りしてくれるのでっす」
「変な奴じゃないし、ギルドも通すならシャルルの評価もあがるな」
「へへへ」
「ん?ギルドにすぐに持って行かなかったのか?」
「ジョルジョさんに見せたかったから」
私がそう言うとジョルジョさんは煙草を咥えて、ふっと笑った。
「そうか、ありがとな」
「はい!!虹色クローバー、待っててください!!」
「ああ、無理せずにな」
「はい!!!」
ジョルジョさんの休憩が終わるまで、私はジョルジョさんと楽しい話をさせて貰った。




