ジョルジョさんへの愛を叫びまっす!
「はい、確かに。ではパルポの実の納品と、トゲトゲ草の納品、ありがとうございます。こちら、達成報酬ですね。トゲトゲ草の方も綺麗ですし、上乗せしてます。パルポの実は六つですね。アイリーンさんからは成功報酬とは別に、多く納品された時は月の欠片を渡して欲しいと言われていました。こちらもどうぞ」
「わあ!レア素材の月の欠片を!流石アイリーンさん!太っ腹!いや、スレンダーの綺麗なお腹で。お胸はたたわで最高ですけれども!おお、良い素材でっす!」
「おほん。では、残りのクエストも宜しくお願いしますね」
「はい、明日ピピンの種を納品できるようにしまっす!」
「期日はまだありますので、無理はなさらず。でも、こちら、ピピンの種を依頼された方は急ぎの様で、早く納品して頂ければ、報酬も大きくアップします、との事でした」
「よし!では!命大事にで急いで頑張りまっす!あ、メチョの花の採取依頼、ありますか?」
「え?はい、丁度今日、多く来ました。今から張り出そうと。緊急で」
「へへへ。メチョ草も沢山採ってきてまっす!じゃーん!」
「流石クリスティさん!これはまた、綺麗に仕分けもしてくれていますね!高価買取させて頂きますね。報酬も大幅アップできますよ」
「へへへ、わーいわーい」
私はメチョ草の報酬も貰って褒められると、「ま、D級冒険者ですから。へへへ」と胸を張った。
「助かりました。メチョ草、またあれば採っておいてください。そして怪我も無いように宜しくお願いします」
私は「もっちろん!では、私は忙しいので!」と返事をすると報酬を貰い、その足で食堂の方に行った。食堂は七割程は埋まっていて、ビールを飲んでいる者が多かった。
「ジョルジョさーん!あなたのシャルルですよーーー!」
私がカウンター越しに声をかけると、野菜を切っている手を止めてから目線を合わせてくれた。
「ああ、戻ったか」
「パンとスープおねがいします。こっそり大盛りしてくれてもよいでっす!」
「パンとスープな。分かった、こっそりって言ったらダメだろ。まあ、にんじんで良いなら、多めにいれてやるよ」
「うー、にんじん……。でも、ジョルジョさんの愛のにんじんなら、頑張って食べまっす!」
「好き嫌いはよくないからな」
「はい!シャルルはよい子でっす!!ジョルジョさん、今日も怪我なく、シャルルは帰ってきましたよ!」
「ああ……おかえり、シャルル」
「はぅ!最高でっす!ただいまでっす!ジョルジョさん!大好き!こう、もう少し、大きな声で言ってくれてもよいのでっす!今のちょっと少し口元が上がった笑顔!かっこいいのでっす!」
「うるせえ。なんも笑ってねえよ。いいから、座って待ってろ」
「はーい!あなたのシャルルは座りますよー!ジョルジョさーん!」
私はジョルジョさんが見える一番近い席に「ここです、ココに座りました」と、ジョルジョさんに言いながら座ると、料理を待っている間に今日、採取した薬草を綺麗に選別する事にした。チマチマとした作業だが、これをしておくと、納品しても喜ばれるし自分で使う時も便利だ。
当たり前の事だろうけど、雑草等が混じってないように、綺麗にしておく。泥やごみがつかないように布で巻く。こういう風にしておくだけで、納品する時にぐっと金額はあがるのだ。
「へへへ、同じ物を納品するのにちょっと綺麗にしただけで、お金があがる。お得でっす」
弱い私は強い魔物を討伐する事も、盗賊が出るエリアの護衛なんて怖くてできない。だから出来ることを一生懸命するのだ。
「よし、綺麗になったぞ」
薬草を綺麗にしてゴミも綺麗に片付け、手袋を外していると、ジョルジョさんがパンとスープを持って来てくれた。
「お待ち」
「わーい、ありがとうございまっす」
「で、賭けの調子はどうだ?」
「うーん。まだ見つからないのでっす。でも、絶対見つけますから!心配しないで下さい!今回も私の勝ちでっす!」
「そうか、そうか。そりゃ楽しみだ」
そう言うと、ジョルジョさんはまた厨房の方へ戻ってしまった。
はあ、今日もジョルジョさんを見れて幸せ。背が高くてがっちりとしていて、お料理が出来て、美味しい物を作れる。顔もスッと高い鼻も、切れ長の目も。頬から首、腕にも大きな傷があるけれど、それもかっこいいと思う。
要するに最高の男の人。初めて会った時にずきゅーんっと胸を撃ち抜かれたのだからもう、どうしようもない。
「かっこいいのに、こんなに美味しいご飯を作れるのでっす。今日も最高に美味しい!!ジョルジョさーん!美味しいですよーーー!!」
私が愛と美味しさを伝えると、ジョルジョさんは後ろ姿のまま、手を挙げてくれた。
「ふう。相変わらずかっこいいのでっす」
ジョルジョさんに一目ぼれ、いや、二目も三目惚れもしてから、私はこの溢れる想いをどうしたらよいのだろうか、と、色んな人に恋愛相談をした。
「食堂のジョルジョ?え?マスターのこと?マジで?好きって言ってみたらいいんじゃね?」
「了解でっす!想いは口に出さないとダメってことですね!」
「食堂のマスター?ああ、マスターのジョルジョさんね。まあ、凄いけど、でもおっさんだぞ?ちゃんと挨拶をするといいんじゃないか?」
「挨拶は基本の基本。毎日ちゃんと挨拶しまっす!礼儀を大切にってことですね!」
「ジョルジョの好きなタイプ?いやー、どうかな。やっぱり、素直な子じゃない?」
「素直!成程!嘘つきはダメってことですね!了解でっす!!」
私は皆に聞いたアドバイスをとにかく実行している。
冒険者の中でラブハンターの異名を持つ、アンジェリカさんのアドバイスも、両想いになりたいのなら、とにかく好意を伝えて、毎日顔を合わせるといい、という事だった。
「ほほー。毎日ですか?」
「そ。人間って、毎日、好意を伝えられたりすると、好きになるのよ」
「え!好きに?好きな人に好きって言ったら好きになってくれるのですか!!」
「そうよ。なるわ。素直で優しくされて、自分に迷惑を掛けない。挨拶もするいい子から毎日好きってずっと言われたら好きになるわ」
「ふわあああ。それは、凄いでっす!!」
「私位の美貌と強さがあるとね、勝手に向こうから寄ってくるけど。シャルルは可愛いけど、まあ、待ってるだけじゃダメね。いい?好意を現すのは大切なの。視線、声色、動作、表情。全てに愛を入れ込むの。ジョルジョは手ごわいだろうけど、でも、好きなら頑張って。無理かも、なんて思っちゃダメよ、諦めたらそこでクエストは終了よ」
「はい!アンジェリカ先生!ご教授、有難うございまっす!!シャルル!頑張りまっす!!!」
「うん、シャルル、がんばって。応援してるわ♡」
アンジェリカさんは、私にちゅっと投げキスしてくれたのだけど、私の左右にいた人が同じく被弾して、メロメロになっていた。
「投げキスは有効…うむうむ、こうかな。むちゅ、いや、違うな、ぶちゅ、ん、よだれがでちゃったのでっす」
アンジェリカ先生の恋の話を勉強してから毎日ジョルジョさんに愛を伝えている。きっと少しずつジョルジョさんは私の事を好きになっているはずなのだ。




