↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

45/57

男だらけの生配信【ご褒美回】

 地上で『マジカルアドベンチャー』の御剣社長の逮捕で騒がしい時に、奈落では……


「――――コチラ……アルファ。全員揃ったか?」


『待ってました!』

『おっさん無双再び!』

『前回を見逃した不覚から、今日は既に全裸だ!』

『おお、今回に賭ける意気込みを感じるな』


「……よし、今回のミッションの難易度は高いぞ! もしかしたら何人か帰らぬ人になるかも知れん。それでも――――やるのか?」


『舐めるな!』

『俺たちは同志だろ? アニキ!』

『そんな薄っぺらい覚悟のヤツはここにはいない』

『俺には引き返すような道はない。進むのみ』

『俺たちの手札は悪くはない。知のプロフェッサー、武のギルド長、金の重課金貴族などの面々がいる』

『そうだな! 勝算は……ある』


 こいつらは全く……有能なヤツらで頼もしいな。


「よし! これから突入する。セラフィムもなるべく低空飛行を心がけてくれ! それではミッションスタートだ」


『それで、おっさん。今日はどんなミッションなんだ?』

『ああ、俺たちも聞かされてないからな』

『期待したらアビプロをさらに沼らせる回への予感』

『新メンバーのクロエちゃんも気になるところ!』

『この緊張感は笑ってまうwww』


 どうやら変な固さはないみたいだな。


「そら! お前たち……聞こえてきたぞ!」


 ……コン――――カッポン。

 ジャー、バシャーン。


「「「はぁ……気持ちいい!!」」


『うおーー!! きたーー!!』

『マジかよwww』

『全リスナーが只今の時刻をもって全裸になった』

『世界中、全裸だらけwww』


「がっははは! 『ねる』で正気には戻したものの、お酒の匂いが体に染み付いちゃったからな! 俺が風呂を勧めたから、の独占配信へ繋がったんだぞ! 奈落で作ったお風呂でさっぱり汗を流す……それの音を楽しむのが今回の極秘ミッションだ! 鼻血出しすぎて何人が病院送りになるのやら……気持ちの弱い者からイクからな。気をしっかりと持てよ」


 そう言うと、ミッションを続行した……俺も水着に着替えて離れた場所で水浴びだ。


 ◆◆◆◆


 湯煙の向こうから、気持ちよさそうな三人娘の楽しげな声が響いてくる。


「はぁ〜〜……極楽、極楽ですわ〜……」


「アリスちゃん、お風呂で『極楽』なんておばあちゃんみたい! あはは、でも本当に気持ちいい〜っ!」


「私……ダンジョンの中にこんな素敵なお風呂があるなんて知らなかったわ……。ノエルにも入せてあげたかったな」


「このお風呂もおじさまが私たちへと作ってくれたんですよ」


「ノエルちゃんの病気が治ったら、今度は4人で来ようね! あっ、でもまた奈落に来ないとだね」


「へぇー、ゲンさんって凄いのね! でも奈落って地獄とかって意味もありますよね。でも極楽と思うと可笑しいですよね、フフフッ……」


 湯船で肩を並べる女の子たちの微笑ましいやり取りに、コメント欄の熱量が限界突破していく。


『【朗報】アビス・プロダクション、サービス回突入』

『湯煙仕事しろ!!! いや、仕事するな!!!』

『いや、謎の光くんの出番だぞ!!!』

『カメラ(セラフィム)もっと低空飛行してお願い!!!』

『ゲンさん……もう少し近づいてくれ、頼む!』

『プロフェッサー「なんと素晴らしい……温泉に含まれる魔導鉱物成分が肌の細胞を活性化させている!(早口)」』

『プロフェッサーは分析のフリしてガン見すなwww』

『重課金貴族「【赤スパチャ 3,000,000円】カメラアングル維持費として取っておけ」』

『スパチャでカメラを買収しようとするなwww』

『おっさんのブーメランパンツに慣れた自分がキライ』


「おいおいお前ら! 紳士協定はどうした! 湯煙の向こうを覗こうとする不届き者は俺のハンマーで叩き落とすぞ! 声だけで楽しめ。バレたら……死ぬぞ!!」


 俺が大鍋を桶代わりにして豪快に湯をかぶると、岩の向こうから凛嬢ちゃんの声が飛んできた。


「ちょっとゲンさん! 水鉄砲飛ばさないでよー!」


「ガハハ、悪かったな! よーしお前たち、しっかり長湯して日頃の汚れと疲れを洗い流しな!」


 地上での御剣逮捕という大騒動をよそに、奈落の深層では平和で最高に賑やかな「勝利の宴」が続いていくのだった――。


 ◆◆◆◆


 湯上がり――。


 ほてった頬を濡れた髪で拭いながら、脱衣所にしている囲いから三人の少女が出てきた。

 湯気の中から現れたのは、さっぱりとした表情の凛嬢ちゃん、アリス嬢ちゃん、そして少し照れくさそうに髪を結い直すクロエ嬢ちゃんだった。


「ふぅ~! さっぱりしたー! ゲンさん、お風呂ありがとね!」


「本当に、旅の疲れが吹き飛ぶような最高のお湯でしたわ」


「うん……私、こんなにリラックスできたの、何年ぶりだろう……」


 髪から滴る水滴と、ほんのり赤らんだ肌。その破壊力にコメント欄は再び大惨事となる。


『『『ごちそうさまでした(尊死)』』』

『湯上がりの黒猫ちゃんかわいすぎるだろ……』

『アビス・プロダクションに入社させてくださいお願いします』

『重課金貴族「【赤スパチャ 1,000,000円】湯上がりドリンク代だ」』


「ガハハ! 喜んでもらえて何よりだ! よーし、体も温まったことだし……」


 こうして、岩本源をはじめとした男性陣の結束力が強まっていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。