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アイドルをプロデュース

「がっははは、『アビス・シグナル』は今日から活動するが……俺からお前達に提案がある」


 俺はセラフィムを通して今、この時を共にしている全てのリスナーへ、本当にしたいことを告げる。


『なんだ? 改まって』

『ドワーフさが留まるところを知らん』

『ふざけないで聞いたれ!』

『リンちゃんとアリスちゃんを見るので忙しい!』


「お前達は見ているだけで満足か? リン嬢ちゃんもアリス嬢ちゃんも、これからドンドン有名になっていくだろう……」


『何が言いたいんだ?』

『超ヒゲ面wwwww』

『おっさん、画面を占領するなや!』

『野生のドワーフが現れたwww』


「ふむ、バカにされてるな……まあいい。俺が言いたいのはだな――お前たちリスナーも、ただ画面の向こうで指を咥えて見ているだけじゃなく、【アビス・シグナル】の『共同プロデューサー』兼『公式ファンクラブ第一期生』にならねぇか?ってことだ! そう、【アビス・シグナル】はリスナー参加型アイドルに……お前達も一緒にリン嬢ちゃんとアリス嬢ちゃんを育てていこうぜ!」


 俺が拳をドンと胸に当てて宣言すると、画面の向こうが一瞬静まり返り、直後にコメント欄が凄まじい勢いで爆発した。


『『『『『は??????????』』』』』

『公式ファンクラブ第一期生!!??』

『共同プロデューサーだとぉぉぉぉ!?』

『俺たちも【アビス・シグナル】の運営に参加できるのかよ!?』

『おっさん……いや、ゲンプロデューサー神かよ!!!』

『私が技術顧問に立候補しよう』

「おいおいプロフェッサー、勝手に役職ついてるぞwww」


 凛嬢ちゃんがクスクスと笑いながらセラフィムの隣に並び、アリス嬢ちゃんも可憐に微笑んで画面のリスナーたちにお辞儀をした。


「ゲンさん、楽しそう。みんな! 私たちの背中を押してくれるのは、ゲンさんだけじゃなくて画面の向こうのみんなだよ! 一緒に最高のステージを作っていこうね!」


「おじさま? 自信はありませんけれど――わ、私達と一緒に……歩んでくださると嬉しいです……!」


『『『『『一生ついていきます!!!!!!』』』』』


 コメント欄が愛と歓喜のレスで埋め尽くされる。

 こうして、おっさんプロデューサー、美少女二人、そして世界中のリスナーが一体となった、前代未聞の「参加型冒険者アイドルプロジェクト」が奈落の底から産声を上げたのだった。


「おお、俺の見込み通りだな。お前達にはリン嬢ちゃんやアリス嬢ちゃんに着せたい装備や、冒険者として携帯させたいアイテムなんてもんを考えてくれ。それを俺が吟味して作成する。当然、素材は嬢ちゃん達が自ら狩る。どうだ? 面白そうだろ?」


『『『『『神企画きたぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!』』』』』

『俺たちの考えた最強の装備を美少女が着てくれるってマ!?』

『それ実質プロデュースじゃん!!』

『ドワーフのクラフト技術が確定で約束されてるのバグだろwww』

『素材の強度・魔導伝導率の計算なら任せてもらおう! データ解析は我が領域!』

『仕事早すぎるぞプロフェッサーwww』


 画面を埋め尽くす弾幕と、爆速で流れ始めるファンからのアイデアの嵐!

「和風の狐耳装備!」「巨大な光の大剣!」「魔法少女風のステッキ!」と、リスナーたちの欲望がコメント欄に溢れかえっていく。


「ガハハ! いいぞいいぞ! アイデアはコメント欄か掲示板にどしどし書いてくれ! 俺が厳選して設計図に起こしてやる! それだけではない。リン嬢ちゃんやアリス嬢ちゃんは当然、装備して戦う。そして俺達は地上を目指す。外に出られたら……その装備を販売する。そう、会社を作るぞ!」


「「「……か、会社ぁぁぁぁぁぁ!!???」」」


 凛嬢人とアリス嬢ちゃん、そして画面の向こうのリスナーたちの叫びが綺麗にハモった!


『『『会社設立きたあああああ!!!!!』』』

『おっさん、規模がデカくなりすぎて草www』

『奈落発の超巨大企業ブランド爆誕の予感』

『元いたゴミ会社、完全に息の根止まるだろこれwww』

『私を最高技術責任者(CTO)として雇ってくれぇぇぇ!!!』


「ガハハ! 当たり前だ! これだけの逸品と、世界一可愛いアイドル二人が揃ってるんだぞ? 地上に戻って一花咲かせなきゃ損だろうが!」


 俺が豪快に笑い飛ばすと、凛嬢ちゃんがパチパチと目を瞬かせた後、ふっと悪戯っぽい笑顔を浮かべた。


「ふふっ……いいね、それ! 私をクビにした『ローズ・ヴァルキリア』の連中や事務所に見せつけてやりたい! 私たちが世界一の冒険者アイドル会社になるんだから!」


「わ、私も……亡き祖父の残したダンジョン会社を超えるような……おじさまとみんなで誇れる会社を作りたいです……!」


 アリス嬢ちゃんもぎゅっと拳を握り締め、力強く頷いた。二人の目に、はっきりと野心の火が灯る。


「よし! 目標は決まった! 地上への帰還、そして【大衆酒場社】の設立だ!」


「「「えっーーーー!!!」」」


 凛嬢人とアリス嬢ちゃん、そして画面の向こうのリスナーたちの叫びが綺麗にハモった!


『『『大衆酒場、諦めてなかったのかよ!!』』』

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