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凛ちゃんスキルを試す

「よし! 少し確認してから配信を始めよう」


 新しい力に目覚めた2人を伴って新たな力を魔物に試してみよう……と思っていたが……


 ぐぅ〜!


 俺の腹が鳴ってしまった。メシにしてからにしよう。


「アハハ、ゲンさんすごい音だね。そうだ『テーブル』の新たな形『ダイニングテーブル』だよ」


 なんとスキル『テーブル』は進化して、ダイニングテーブルを出せるようになったみたいだ。すごいな、『果報は寝て待て』で寝ている間にスキルを進化させたんだね。


「普通のダイニングテーブルじゃないよ。感覚で分かるけど、ほら……地形でガタガタしない。それにダイニングテーブルはここで食事した人に戦闘中のバフを与えるみたい。効果は8時間みたいだね」


 すごいな。確かに石がある上でも固定されているようにガタガタしない。そして破格なバフ。3食ともダイニングテーブルで食事すればバフを1日中切らさないで済むね……


「ガハハ! 恥ずかしいところを見せたな。だが腹が減ってはなんとやらだ、さっそく朝飯にしよう!」


 俺はマジックバッグから熟成させておいた魔物のもも肉を取り出し焼いた。


「わぁ……美味しそう! ゲンさんの手料理、本当に大好きなんだよね!」


「ふふ、おじさまの魔物のお肉は肉汁たっぷりで絶品ですものね」


 凛嬢ちゃんが出してくれた『ダイニングテーブル』に料理を並べ、三人で「いただきます!」と手を合わせる。


「むむ……!? これは……!」


 一口食べた瞬間、体の中から温かい魔力がじわじわと溢れ出してくるのが分かった。


「すごい……! 体がすごく軽くて、力が湧いてくるのを感じます……!」


「ほんとだ! これが『ダイニングテーブル』のバフ効果なんだね! 料理の効果も合わさって、全ステータスが底上げされている感じ!」


「ガハハ! どこでも平らで美味しいご飯が食べられて、おまけに8時間無敵バフとは……最高のスキルじゃないか!」


 お腹も心も大満足になったところで、俺はポンと手を叩いた。


「進化したテーブルは分かったけど……この『表』とはなんだ?」


「うん、リストアップしたものを選ぶことができるんだよね? リストアップ……えっ!」


「凛さん? 私を見てどうしたのですか?」


 凛嬢ちゃんはリストアップをしたまま、アリス嬢ちゃんを見て固まっている。


「おい! どうした?」


「……すごいの……鑑定魔道具では見られないところまで……分かるの……レベル? レベルってあのゲームとかにある……それにTP? これを振り分けられるみたい」


 おいおい、情報量が多いな。まずこの世界ではスキルを授かれるがレベルなどを知る術はない。(分かるようになるスキルは存在するらしいが……)

 TPかぁ……なんの略だろうか?


「「レ、レベル……!? それにTP……!?」」


 俺とアリス嬢ちゃんは顔を見合わせた。


 この世界にはスキルの存在こそあれど、自分の詳細な能力値や「レベル」なんて数値を可視化する術は存在しない。伝説の鑑定魔導具ですら、スキルの名称と大まかな適性が読める程度だ。


「ちょっと待ってね……えっと、アリスちゃんの名前の横に『TP:500』って表示されている……! これ、もしかして『テーブル・ポイント』の略……!?」


「テ、テーブル・ポイント……!? 凛さん、それに数字を振り分けられるのですか……!?」


「うん! 体力、魔力、筋力、敏捷……好きなところにポイントを自由に割り振れるみたい! それ以外にも……!? 弱点とかも……アリスちゃんは人見知りに引っ込み思案だって」


「ガハハハハ! まさにゲームのステータス割り振りじゃないか! なんという破格のスキルだ! しかも弱点まで消せるとは……」


 俺は膝を打った。

 つまり凛嬢ちゃんの『テーブル・表』は、ただの家具出しスキルではなく、「パーティ全員の能力を任意にカスタマイズ&ビルドできるシステム管理テーブル」だったのだ!


「凛さん、試しに私の『魔力』と『敏捷』にポイントを割り振ってみていただけますか? あとは……人見知りに引っ込み思案も……ダメですか?」


「了解! えーっと、『魔力+100』『敏捷+200』……『人見知り+100』『引っ込み思案+100』決定!」


 ポチッと凛嬢ちゃんが空間のリストを操作した瞬間――


 シュワンッ……!!


 アリス嬢ちゃんの体から、遠目で見てもわかるほどの圧倒的な聖魔力のオーラが吹き荒れた!


「きゃっ……!? す、すごいです……! 全身に魔力が満ち満ちて……まるで体が羽のように軽いです……! それに今なら配信でも話ができる……かな?」


「うおぉぉ……! こいつは凄まじいな……! まさに目に見える成長だ!」


 凛嬢ちゃんも自分の画面を見ながらニヤリとドヤ顔を決める。


「ふふん、これで私たちが『最強のパーティ』になれるね! ちなみにゲンさん……ゲンさんのステータスも見られるよ?」


「お、俺のか? どれどれ……」


「えーっと……ゲンさんのTPは……『9999』ジー、エラー……?」


「「「………………」」」


「……見なかったことにしよう」


「うん、ゲンさんは最初からカンストしてるから振り分ける必要ないね」


 凛嬢ちゃんが言った。アリス嬢ちゃんも恐らくは……

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