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アルニラム騎士団の憂鬱  作者: 古川モトイ
9/10

ポール・ゴールドバーグの証言と見解2

 クリスマスが近付いたころには世界中の人々がニューヨークの戦局をあまり意識しなくいましたよね。メディアが飽きたんだとおもいます。ハロウィーン前にはどこの軍のキャンプにもメディアが押しかけていましたが、ハロウィーンが終わる前には顔見知りになった記者が数名うろついてるだけでした。エイリアンの揚陸艦トゥレイスはほとんど動く気配が亡くなり、たまに飛んできた砲弾を数発迎撃する程度の意欲しか残っていないように見えました。捕虜の収容施設では結構な数の投降したエイリアンが地球の生活を満喫していて、揚陸艦の中に居残る意固地な将校を非難しながらポーカーを楽しんでいましたよ。


-地球人は攻撃を続けていたんだろう?


 当然、形だけは。ただ、世界から精鋭が集まっているのに、目標がデカすぎて張り合いがないんですよ。何を打っても当たる状況に多国籍軍全体の意欲が削がれてしまって。しかも、この戦争、負けるわけにはいかないのですが、勝っても地球人は誰も得しないですよね?上層部からは「弾薬を節約しろ」「他の国に極力打たせろ」の二点は何度も繰り返して言われていました。ただ、賞味期限が近いアスロックなんかは少し手を加えて結構使ってたみたいですね。私は地上部隊なので、あんまり関係ないんですが、そう聞いています。


-でも、結局はもうかったよね?


 鹵獲した敵汎用戦闘機から反重力フィールドを取り出せましたからね。おかげでニューヨークはかなりの速さで復興できたんじゃないでしょうか?直接は関係ありませんが、アメリカのエネルギー企業とバイオテクノロジー企業、あとアニメ映画を作ってる企業が反重力フィールド発生器の特許を同時に申請した事件では、彼らのロビー活動によって国連にいた連中はだいぶ儲かったみたいですね。


-週刊誌で読んだのかい?


ネタ元は明かせませんが伝聞ですよ。プールつきの家を建て替えたらしいです。私のところにも「どこ」とは言いませんが人気の遊園地のフリーチケットが回ってきたぐらいです。当然、断りましたが。


-汚職に関わったやつらは全員逮捕されたんじゃなかったっけ?


 氷山の一角ですよ。まあ、ご存じのとおり、地球の特許に関わる憲章が改定されて、全部ナシになった話です。地球の感覚から行っても特許の発明者は数億年前に故人になってますから、権利消えていますよね。


-話は変わるけどトゥレイスが陥落した時のことを覚えている?


 私はその時には、カナダに帰ってきていました。2週間休暇を貰った、ちょうどその最中だったんです。その時に、現場に居合わせたヤツがいるので紹介しますよ。

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