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アルニラム騎士団の憂鬱  作者: 古川モトイ
2/10

私、ケン・ダールの証言と見解2

 コトの始まりはこうだ。奴らはハイヒールの折れたヒールと網カゴ、そしてクリスマスリースの中間のようなブツをマンハッタンに乗りつけてきた。その揚陸艦トゥレイスから武装した集団が降りてきて、合成された地球の言語で開戦か降伏かを迫った。このトゥレイスと言う艦の名前はどこから来たかというと、彼らの発音は地球人には聞き取れないので、地球の同じ意味を表す言葉を当てはめている。地球人がトゥレイスと呼んでいる星の名前だそうだ。とにかく、自由の女神を踏み潰しそうな巨大な靴のカカトは明らかに反重力を使って航行し、地球を一瞬で真っ二つにできるエネルギーを持っていた。彼らの最初の宣戦布告は昼休みにジョギングをするエンジニアに対して行われたが、あっという間に警官が駆けつけ、大統領に連絡が入った。大統領は大急ぎで現地に駆け付けようと慌ててヘリを飛ばしたが、残念ながら慌てふためく合衆国大統領の着陸を待つほどニューヨーカーは行儀が良くなかった。


「XXッキンエイリアン!!」


そう叫んだ薬物中毒者が明らかに武装している宇宙人に拳銃を向けたのだ。そのシーンは今でも世界中で閲覧され続けている。銃を向けられた彼ら宇宙人は冷静にバリアーをはって凶弾に倒れた。その薬物中毒者の男は、開戦のきっかけを作った馬鹿者で名前をゴードン・ワシントンJrという。そしてワシントンというファミリーネームには珍しい白人だった。「見ず知らずの無抵抗の宇宙人を射殺した」かどで終身刑になっている彼は、一部の過激な人間の中では、未だに英雄視されているが、まさか彼がホームセンターで買った銃弾が宇宙人のバリアーを貫くなんて誰が考えたであろうか。宇宙人はおよそ肌の色に多少の違いはあれど、地球人と近い見た目をしていた。そして、全員が呆気にとられていた。打ったゴードン・ワシントンJrですら呆然としていた。その後は宇宙人とニューヨーク市警、そして銃規制に反対していた尊いニューヨーク市民によるはげしい銃撃戦が繰り広げられた。そのとばっちりでヘリに乗った合衆国大統領は48代から49代に代替わりすることになった。

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