Atonement
「帰るぞゼファー、腹が減った、この際フィッシュ&チップスでもいい」
ゼオはそう言いながら振り返り出口に歩き始めた。
「…待ちなさい」
気づくと女が立ち上がっており2人を止める。
「タダで帰すと思ってるの?あなた達」
「…このクソ女…まだ何かあるのか…?」
ゼオが女の元へまた歩いて行く。
だが、女から予想もしない返事が返ってくる。
「ついて来なさい」
ゼファーとゼオは顔を見やり、ついて行くことにした。
警戒心はあるが、Darknessは戻っている。
女はそのまま地下へ続く階段を降りて行った。
降りたその先は、何か実験ができる場所のようで、見たことの無い液体が入っている水槽が目立っている。
「なんだここは」
ゼオが女に声をかける。
「見た通り、実験室」
「まあ…わかる」
「あなた達……いや銀髪の坊や、刀を貸しなさい」
「今、人選んだよこの女…」
ゼファーは刀を出現させ、女に渡す。
「この刀、割って大丈夫よね」
「ああ、何本でも出せるから大丈夫」
「どうすんだよ、それ」
「型を取るの」
「型?」
「あなた達、FEARを滅ぼすんでしょ?」
「…まあ、目的ではないけど避けては通れないから」
「協力してあげる」
「はぁ?」
「もう一回言わないと分からない?」
「100回言っても理解しがたい」
「クソガキ」
そう言うと刀を台の上に置く。
「なんか出来るのかよ?」
「当たり前、私は元Unreality社の人間よ」
「!?」
「なんだって?」
「ニコルズ博士にはお世話になってたわ、今どうしてるかしら…」
「AV見てる」
「…」
女は静かに自分の手の平の治療を始めた。
「もういいわ、帰りなさい、そして1週間後また来なさい」
「人呼んどいてそれかよ…」
「別にあなたは来なくても構わない、銀髪の坊やだけでもいいわ、こっちのが可愛いし」
「…殺すぞ」
「あら?殺さなかったのはどちらさん?」
「くっ…」
「ほらゼオ、行こう」
「じゃーなクソ女」
「名前で呼びなさいよ、ルーカよ、ルーカ・マグノッタ」
「知ったこった」
「それとあなた達新聞は読める?」
「馬鹿にしてんのか」
「痛みもなく手足が落ちる原因不明の病の事なんだけど」
「無視かよ…」
「それがなにか…?」
「あれは人為的なものよ」
「…まぁ大体予想してた」
「いきなり手足落ちるとかありえねぇからな」
「FEARの一員よ、鎌鼬って通り名」
「鎌鼬…」
ルーカは取り出した細身のタバコに火をつける。
「長身で顔はイケメンなんだけど、性格がまるでダメ、根暗すぎ、タイプじゃないわ」
「てめぇはただのショタコンだろ」
「こういうクソ生意気なガキはもっとも嫌い」
「クソ女…帰るぞゼファー」
「ああ、じゃあ一週間後、また来ます。」
「じゃあねぇゼファー君、あなたのガッツゾクゾク来たわ」
「はぁ…」
実験室を後にしてUnreality社に戻る事にした。
「なあおっさん、聞きたい事あんだけど」
Unreality社に戻った2人はニコルズに、ブレードガール、いや、ルーカについて訪ねてみる事にした。
「2人共おかえり、どうしたんだいゼオ君、ブレードガールはどうなった?」
「そいつについてなんだけど」
ゼオが人差し指を立てる。
「うん?」
「ルーカ・マグノッタって知ってるか?」
「ルーカ・マグノッタ…ああ彼女は元うちの社員だ…子供が産まれると言い一年ちょっと前、ゼオ君が500年の眠りから冷める前に退社した人間だよ」
ニコルズは悩ましげな声で言った。
「そいつだったよ、ブレードガール」
それを聞いたニコルズは目を点にした。
「なんだって…?そんなバカな、彼女が人を殺すなんてありえない…」
「ありえたんだなこれが」
「まさかそんな…ということはそうか…君らが帰ってきたって事は彼女はもう…」
残念そうな顔で下を見るがルーカは生きている。
「いや、生かしてる」
「…それ、それは本当かい?」
またもニコルズは目を点にした。
「ああ、協力してくれるらしい」
「それは良い情報だ…!彼女は今何を?」
「俺達の刀をよこせっつわれたから渡して、なんかやってる。」
「…彼女の事だ…強化してるのか…?」
「何をやってた人何ですか?ルーカさんは」
大人しく会話を聞いていたゼファーが質問にかかる。
「そうだね、彼女は、違う物質の物を分子結合して、合金を生み出すのに夢中だったな…たしかAL6%-V4% チタンでGPaレベルのものをだな…」
「専門用語わかんねぇから」
「ははっ、まぁとにかく強度が高く、軽い合金だ」
「合金の事聞いてんじゃねぇよ」
ゼオは嫌な顔をした。
「ああすまない、彼女は熱心で前向きだった、気が利く人間で他の社員からも評価は高かったんだが…」
「ま、今じゃ見るに耐えないな」
「だが協力してくれている…どうにかして連絡をとれないか…」
「一週間後、来てくれと言われました」
「いや、私は無線の周波数からコールしてみるとする、そっちのが早い」
「そうですか…そう言えばルーカさんがFEARの一員で鎌鼬と言うのがいると言ってました。」
「鎌鼬か…気づかないうちに痛みもなく皮膚を裂き、治療する…確か昔から伝わる日本の妖怪の一種だ」
「人間らしいです」
「現実的にも病気の症状とも考えられないから確かだろうね、こちらでも調べてみる事にするよ。さあ、今日はもう休んだらどうかな」
「ああそのつもりー、行こうぜゼファー」
「あ、コーヒーもらってから行く」
どっと疲れた気がするが、いや、気では無い。
久しぶりに疲れを知ったのだ。
ついにDarknessを奪う手を実感した。
幸か不幸か、それはまだ知る由もなかったのだ。
それから数日が経った。
「Знать, увидел вас я в недобрый час♪」
「随分陽気だなゼファー?」
ゼファーはソファーに座り、新聞を開きながらなにやら歌っている。
その後ろからゼオが話しかける。
「黒の瞳って歌、知らないでしょ」
「そりゃぁお前知ってるに決まってんだろー」
「へぇーよく知ってるね」
「日本国民は親の声より聞いた曲だー」
「ロシアの歌だよこれ」
「そんなんしらねーよ」
「それよりこれ見てよ」
ゼファーが新聞を指差す。
『市民、警察へ暴動騒ぎ 警官含め死者30名』
「暴動?」
「うん、昨日西地区であったらしい、警察庁が暴動に」
「まぁ、使えねぇ警官共には良い刺激になったんじゃね」
「んで市民を数人捕まえて調査したらしいんだけど、全員脳に異常が見られたんだって」
「ははっ!この街の奴らみぃーんなそうだ」
「薬物だって、ここにはそう書いてある」
「ふーん…あれ?これって原因不明の病の」
ゼオが記事の一つを指差した。
「…あれ本当だ……へぇ、暴動中にも起きたんだ…」
「鎌鼬…」
「が、そこにいたんだろうね」
「症状は全員警官が発症…」
「鎌鼬についてはおっさんが調べてくれてんだよな?」
「ああそうだよ」
ゼファーは軽く頷いた。
「よーし、聞いてこよー」
ゼオはそう言うと部屋の出口へ歩いて行く。
「ちょちょちょ、ゼオ」
「ん?早よ行こうぞ」
「いや、今日はルーカさんの所行かなきゃだよ」
「あー…クソ女のとこね…」
ゼファーは新聞を置き、立ち上がる。
「ニコルズさんに聞くのはその後帰ったら」
「へいへいっ」
ゼオは明らかに嫌そうな顔で部屋から出る。
そのあとをゼファーは急いでついて行った。
「なんだなんだ?なんかあるのか?」
外に出て、数分歩いた2人の前に広がっていたのは人の行列。
「暴動?こんな近くで」
「つか通れねぇー」
「またビルの上からしかないのかな」
「だろうな」
ゼオは脚に黒煙を纏わせ、地面をへこませ、大ジャンプ。
「おぉぉぉぉ!?」
「な、なんだ!」
「子供が飛んだぞ…!」
その場にいた人集りがざわめく
まぁ無理もない、突然子供が空高く舞い上がるなんてわけわかんないだろう。
「…やりにくいなぁ…」
そう独り言を吐き、ゼファーも脚に黒煙を纏わせビルの上までジャンプした。
「さって、どっちだっけ」
「もう忘れたの?」
「俺、過去は振り返らないタイプだから」
「今までようやってきたね…こっちこっち」
ゼファーが先導し、ルーカがいる倉庫までジャンプや壁を走りながら向かった。
「あ、ここまで来たら思い出したわ!もう大丈夫!」
「うん、目の前だからね」
倉庫のビルに着き、中に入る。
「あれまっ死体片づいてる」
大量に殺したFEARの部下達の死体は片づいており、血の後すら残っていない。
階段を下り、下の階へ。
「やっぱここ暗…」
ルーカと戦った場所だ、電気はついてない。
「あれ、ほら地下に行く階段から光が」
「おお、よかった」
光が漏れてる階段の方に進む。
「おーいクソ女ー」
階段を下りながらゼオは呼びかける。
「こんにちはー」
返事はない。
「とりあえず研究室に行こうか」
「んだな」
再び階段を下り、研究室がある扉を開ける。
「お邪魔しま…」
「ゼファーくぅん待ってたわぁ!」
突然横からルーカが飛び出してきて、ゼファーに飛びつく。
「綺麗な瞳キメ細かい澄んだ肌に小さな顔…やっぱり可愛いわぁ…」
「ル、ルーカさん…ちょっ…胸が…苦し…」
「おいこら恥女!ゼファーから離れろ!」
「あら、あんたもいたの、えーっと…あんたもゼファーだっけ」
「俺はゼオだ!」
「最初の文字が一緒だから紛らわしいわ、改名しなさい。」
「お断りだ!ほらゼファー離せっ」
「ちっ、可愛くないガキねぇ」
ゼファーが解放され、ルーカはどこかに向かう。
「ぷはっ…ああ…窒息するかと…」
「ゼファー顔真っ赤…」
「すっごかった…ぱっふぱふ…」
「ぐぅぅうらやましぃぜちきしょー…あのクソ女め」
「早く来なさいっ」
ルーカは台の上に座り2人を呼ぶ。
呼ばれて、向かうと、ゼオに何かが投げ渡される。
「おっと…なんだよ…」
投げ渡されたのは鞘までついた、サイバーパンクな構造をした日本刀。
「これは…」
「あなた達の新しい日本刀よ、はいゼファー君の」
「どうも…凄い…」
「とびきりの合金で作った日本刀よ。高周波ブレードって呼べばいいわ」
「高周波?」
「超高速で振動して通常の刃物を遥かに越える威力を持つブレード、ほぼ切れないものは無いんじゃないかしら」
「なんかよくわからないがとにかく凄いんだな」
「電波障害も発生する可能性があるから気をつけてね」
鞘から刀を抜いてみる。
そのブレードは忍者刀の様に直刀だ。
しかし構造や質、模様は機械的な感じ。
「なんか悔しいが凄いなあんた」
「ナメてもらっちゃ困るからねぇ」
「使い方は、今までと変わらないんですか?」
「いい事聞くわねゼファー君」
ルーカが説明を始める。
「普通に使う分には合金で強度が増した刀」
チャキッ
ゼオがブレードを見る。
「ただ一週間じゃ私にも何も無しに高周波を発生させる事はできなかった。」
「それじゃただの合金ブレードじゃねぇか」
「まだ説明は終わってない。そこで私は、Darknessを吸収する砕けた水晶をブレードの峰に仕込んだの。」
「水晶を…?」
「そ…高周波を発生させるにはDarknessをブレードの中に送らなきゃダメ、送ってる時は高周波が発生し、なんでも斬れるでしょうね、送った力加減でより強力な物になるわ。」
「すげぇ…」
「ただし、力を送れば送るほど、あなた達自身のDarknessも低下するからその時に急所に攻撃を受けたら死ぬわ。」
「…結構リスキーですね…」
「タイミングが重要ね、痛い目会うか死ぬか」
「まじか…」
「まぁ、もっともあんたらは高周波使わなくとも大丈夫だと思うわ、ここぞと思う時に使えばいい」
リスクがある戦いなんかした事がない。
使いこなせるのか。
「とにかく、こんな凄い物を…ありがとうございます」
「いいのよそんな…ただFEARをぶっ潰しなさい。」
「わかった…必ずぶっ潰す」
「あら素直ね、可愛いとこあるじゃない」
「へっ、何を言うかクソ女」
「前言撤回」
「ま、いーもん貰ったし俺ぁ帰る」
ゼオは踵を返した。
「ちょっと待ちなさい」
ルーカが引き止めるとゼオは首だけを振り向かせた。
「礼は言わねーぞ、あんたが勝手にやったんだ」
「違う、訊きたい事あんのよ」
呆れたような顔でルーカが言う。
「あ?」
「私の無線機に謎の番号のコールがあるのよ」
「あれ?ゼオそれってさ、」
ゼファーが眉を潜める。
「ん?」
「一週間前から定期的に毎日、突然FEARの連中からの連絡が取れなくなってから」
「なんで出ねぇの?」
「出ないわよ、気味悪い」
「えと、ニコルズさんだと思う」
「ふぅん……私に一体何の用が…」
ルーカは驚きを隠せず嘆く。
「ラブコールじゃね、出てやれよ寂しい奴なんだよ」
「お断りね」
「とりあえず、ニコルズさんが連絡を取りたいと一週間前に言っていました。」
「そう…ありがと…お礼に良いこと教えてあげるわ」
ルーカ安堵した顔で言った。
「良いこと?」
「おいまさかクソ女お前…」
「あんたの童貞なんかいらないわよ」
「…いつか殺してやるからな」
「今日なにか行列…いや、人だかりがいなかった?」
「ああ、来る時にいましたね」
「邪魔で通れなかったな」
「その人だかりは今日あるアーティストのライブがあるのよ」
「アーティスト?」
「昨日もあったわねぇ西地区で…」
「西地区って…暴動があった…」
「そう…あなた達、ブレインコントロールって知ってる?」
「あれだろなんか操んだろ」
「あらよくわかったわね」
「ったりめーだ」
「脳を操り人を思うように動かす…集団をコントロールし、その集団に紛れ、静かに斬る…鎌鼬の戦術よ」
「もしかして昨日の暴動も今日の人だかりも…」
「正解、鎌鼬は今日あるライブのアーティストのボーカルよ」
「ヤバいんじゃないか…?今日も暴動が…?」
「歌声で脳を操るみたいね、気色悪いヴィジュアルバンドで、暗い歌詞で」
「こうしちゃいられない…!Unreality社の近くだ…!」
「ゼファー!」
「急ごう!」
慌てながら地下の階段まで走る。
「ルーカさーんありがとうございます!帰ったらニコルズさんに頼んでコールします!」
返事を待たずに階段を駆け上がる。
ライブまでに間に合えばいいがだいぶ時間を食ってしまった。
急がねば。
「いたっあれだっ」
またもビルとビルの間を走っては飛んで、Unreality社の近くまで近づいた。
「まだ始まって無いのか?」
先程からだいぶ時間が経ってるはずだ。
「しょうがない!最後尾から一気に突っ込むぞ!」
バッ ビュゥゥゥゥゥゥ ダンッ
2人は最後のビルから最後尾まで大ジャンプし、最後尾より少し遠くに着々する。
「いくぞいくぞっ」
タッタッタッタッ
人だかりに向かって走り込む。
「邪魔邪魔邪魔ぁ!」
「くそっ人が多すぎだ…」
いくらかき分けようが、全然進まない。
「殺しちまうかぁ?」
「それは駄目だゼオ!この人達に罪は…」
「うおっ!?」
いきなり人だかりが道を空けた。
しかし、2人を円で囲むようにだ。
「な、なんだよ…」
「Slaughter…」
「Slaughterだ…」
市民は皆、目が泳いでいて、中にはよだれを垂らしながら2人を見てる者もいた。
「こいつらまさか…」
「間に合わなかったか…」
「Slaughterは悪…」
「Slaughterは悪…」
「てめぇら邪魔すんなぶっ殺すぞ!」
ゼオがそう叫んだ時だった。
ピュゥ ドサッ
「!?」
いきなりゼオの腕が落ちる。
しかし全く血は出ない。
「なっなんだ…!?」
なぜかその断面はしっかりと治療が施されて、血の一滴も出ない。
「おいDarkness…?反応しろよ…!?」
「!?」
Darknessが反応しない!?
てことは水晶が…いや、それとも…痛みがないと言うことは治療されているせいで腕は無事とDarknessが誤認してるのか…!?
ゼファーは取り込んだ高周波ブレードを取り出す。
シュッ
ゼオの腕の断面に切込みを入れる。
「…ゼファー!?」
するとその腕から黒煙が上がり腕が元通りになったのだ。
「!?」
「ゼオ!分が悪い!首を狙われたら下手すれば終わりだ!一旦引こう!」
「あ、ああっ」
「くっ…」
人だかりが邪魔で出れやしない…
「おいゼファー…」
「やむを得ない…」
ゼオも高周波ブレードを出す。
ビュッ ビシュ
ゼファーの肩が斬れる。
が、切断には至らない。
「最後だ!死にたくない奴はどけぇ!」
が、人だかりは退くどころか増えている。
「ゼファー…!」
「いこう…」
2人は人だかりに斬り掛かる。
血とあちこちの部位が飛び散るが人々は微動だにしない。
キリが無い…一向に減らない…
「ゼオ!上に飛ぼう!」
「ナイスアイディア!」
ダンッ
シュッ ニチャ
2人は飛んだが、飛んだ瞬間、ゼオの脚が切断される。
「あぁ!?」
「ゼオ!」
「先にあのビルに行け!」
「分かった!」
ゼファーはビルの上に行く事が出来たが、ゼオは脚を斬られ、ジャンプの勢いがなくなり落下していく。
「あぁぁぁぁああ!!」
ゼオは下にいる集団に刀を構え、高周波ブレードにDarknessを込める。
「ああらぁあ!」
ブォォォン
刀が空を切る音だけが聞こえたと思ったが、下にいる人、電柱、ゴミ箱、おそらく5メートル範囲だが範囲内の物全てが両断される。
「しゃっ…おらっ」
ゼオは着地するとすぐさま切断面を地面に擦り付け傷をつける。
すると落ちた足はゼオの元へ戻ったのだ。
ゼオは、再び高周波ブレードにDarknessを込め、回転しながら薙払う。
広範囲で人々が両断され、崩れる。
血と内蔵、両断死体だらけの地面を蹴り上げビルへ駆け上がった。
「いくぞゼファー!」
「いや、多分大丈夫だと思う」
「はぁ?」
「ルーカさんの話しでは人に紛れて攻撃してくるらしいから」
「そっか、今は2人だけだ」
2人は下を覗く。
「うっわぁ結構殺っちまったな」
「罪も無い、本心では邪魔をしてるわけでもない人なのに…Slaughterも堕ちたか?」
「いや、ただの道具になった奴らを殺した、鎌鼬の一部だからいいだろ多分」
「こじつけてるねー」
「あーーー!もうやってしまったのは仕方ねぇ!」
「あ、すーぐ開き直るんだから、それはさておき鎌鼬は見えないね」
「でもアーティストなんだろ、調べりゃすぐ出てきそうだな」
「売り切れてなければライブチケットとれそうだね」
「転売されてたら転売ヤーぶち殺す」
「それは正義の行いだ」
「じゃあ潜入だな」
「うん、確実だろうね」
「おっと言い忘れてた、そこの見てるお前、転売はダメだぜ絶対、ムカつくから殺しちゃうよ」
「読者に語りかけないの」
「俺とのお約束、いいな?」
「とりあえず帰るよ」
2人はUnreality社に戻る事にした。
Unrealityに着くとすぐ様ニコルズの元へ。
「おっさん、鎌鼬の事だけど」
「やあ、もうじき来ると思ってたよ」
「ん?」
「ルーカ君との連絡がとれたんだ」
「おおそれはよかった」
「鎌鼬の事は聞いているよ、バンドのボーカルなんだって?」
「ああ、そうだ、そいつについて調べて欲しい」
「いや…これは君らが直接ルーカ君に訊いた方がいい、すまないが私はわけが解らなくてね」
「はーん、じゃ無線機よこせ」
「そこのマイクだよ」
ゼファーとゼオはパソコンの前に行く。
画面には142.5とかかれている。
「コールをクリックだ」
ボォォォォォォカチッ
「はぁい、ニコルズ博士」
無線機からルーカの声が流れる。
「俺だクソ女」
「あああんたね、どうしたの?ムケたの?」
「ちげぇよ!鎌鼬の事についてだ死ね!」
「なーによその態度、教える気失せるわ」
「ルーカさんお願いします。」
「あらっゼファーくぅんっあなたに頼まれたら断れないわね」
「…クソ女…」
「お願いします、鎌鼬についてなんですが」
「ライブチケットが欲しいんでしょう?」
「え!?なんでわかって…」
「屋外で奴を殺すのは無理だからよ」
「どうして?」
「彼は人に紛れて攻撃する、屋外は人だらけで絶好の隠れ場所だわ」
「確かに…さっき一度も姿を見せてないし、人だかりから離れたら攻撃してこなくなった…」
「屋内に閉じ込めて、敵を一体だけにさせる。」
「なるほど…」
「奴の力は弱いわ、水晶も持ってない」
「とりあえずそうなったらSlaughterの勝ちだ」
「で、ライブチケットだけど」
「ああ、どこで手に入る?」
「私が持ってる」
「はぁ?」
「あげるわ、今日博士に合金のチタンを送った時に一緒に入ってるわ、受け取りなさい」
「おぉサンキュ」
「後はあんたら次第よ頑張なさい」
そう言ってルーカは無線機を切ってしまった。
「切られちまった」
「まぁチケットくれるんだしいいんじゃない?」
「で、届いてんの?おっさん」
「ん?いやまだだが、早くて明日じゃないかな」
「あーーーそう」
ゼオはつまらなそうだ。
「ニコルズさん、とりあえず部屋に戻ります、何があったら教えてください」
「あぁ、任せておくれ」
2人は部屋に戻っていった。




