Psycho Case1:PIPE BOYS
東地区 サック通り
東地区は富裕層と貧困層の差が大きく出ている街。
カジノ等賭博場が多く存在し、金持ちは運転手付きの高級車に年代物のブランデー、貧民は酷く飢え、道端で消毒用のアルコールで酔いつぶれている。
「ここが東地区かぁ、ここまで来たのは初めてだよ」
「ほらあれ見てみろよ、すっげぇサーチライト、あそこはクソデカ巨大カジノだ」
「へぇ……あんなのあったんだ…」
「なんでも、支配人はこの街1番の金持ちで女のガキらしい、ま、実際には雇われ支配人が経営の殆どを任されてるらしいけどな」
「治安は良さそうには見えないけどねぇ」
「貧乏人から金巻き上げてんだよ、この街の社会の仕組みってやつだ」
「何か対策取らないとこの街終わっちゃうね」
「ははっ!俺らがやる事じゃねーし、この街は既に終わってんよ!」
ピリリリリ
ゼオの携帯が鳴る。
「あいあい、今着いたよん、BARの裏?どのBARだよバーカ、あぁあれかあれか、りょーかい」
「いた?」
「あそこに見えるBARあるだろ、その裏にいるらしい」
「よし、じゃあ行こうか」
「殺ってやるぜーーー!」
東地区を見渡していたビルから飛び降りる。
BARの正面に着くと妙な感じがしたのだ。
「…ゼオ」
「ああ、なんか変だな」
2人はそのまま裏手に行くわけでもなく、BARの中に入っていった。
BARの中は荒れ果て、スタッフ、客、全員が惨殺されていた。
頭が凹んでいる者、口から鉄パイプが飛び出ている者、尻から串刺しになっている者、女性に至っては衣服をひん剥かれ、下腹部にパイプが刺さっている。
「うっわ、なんだよこれ」
「正気ではないね……」
鉄の臭いが充満した店内を進むと何かを引きずった後があり、裏手の扉に続いていた。
「いい?ゼオ」
「いつでもどーじょ、Slaughter開始だぁ」
ガチャリと扉を開けた。
ゼファーとゼオが見た光景は今まで殺してきた奴らがしてた事より、ずっと酷かった。
「……まぁーじ…」
「……」
言葉を失う2人。
その先にはマスクを被っているが人と言えるのかわからないほど歪んだ顔の3人が首が無い全裸の女性の死体を犯してた。
その首は自分の身体が犯されてるその光景が見えるようにだろうか、瞼を切り取られ倒れたゴミ箱の上に置かれている。
1人は局部に挿入を繰り返し、1人は切断された切断面の丁度喉の部分だろうか、そこに自らの物を出し入れし、1人はそれを見ながら自慰をしていた。
「やっぱよぉ死体はたまんねーよなぁー、硬直して緩くならねぇ」
「兄貴ぃ…早くかわってくれよぉ、早く出してぇ」
色んな光景を見てきたが過去1酷い状況だ。
減らず口ばかりのゼオまで冷や汗を流しながら絶句している。
「お、おいゼオ…」
「……あっ、あ、ああ」
ゼオは我に返ると笛を咥える。
ピィィィィィと2つの笛が鳴り響くと男達の異様な顔がこちらを振り向く。
「やめろ、気持ち悪い」
「まじ、テメェらキチガイすぎんだろ」
男達が顔を合わせる。
そして自慰をしていた男がそのまま立ち上がってこちらを振り向く。
「す、Slaughterかぁ!?」
「うっわちっさ、しかも剥けてねーのかよキモ」
「そこツッコむところ?」
「やっと来てくれたんだなぁ……可愛い顔してんじゃねぇかぁ!兄貴ぃやってもいいかぁ!?ゾックゾクして止まんねぇ」
「黒髪の方は俺に取っとけよぉ」
「マジかよ、掘られるぞ俺ら」
「勘弁してよ、あんなのには御免だ」
男達は下半身の装備を身につけ、先が潰れて斧状になったり、尖ったりと異様な形をした、鉄パイプを構えた。
「あ、そっちの殺るか」
「FEARの力見せてやるよかわい子ちゃん達ぃ」
「FEAR!?」
奴は確かにFEARと名乗った。
しかし、以前相手をした手下とは全然違う。
だとしたら、何かしらの方法でDarknessを奪ってくる可能性がある。
「ゼオ、あいつら」
「ああ、わかってる、ゼファーも気をつけろよ」
「下手に攻撃は受けれないよ」
「ああ……」
2人は黒煙を纏わせて構えた。
さて…どう来る…。
今までほとんど避けた事がない2人は、攻撃に対応できるのかわからない。
今はただ、パイプボーイと呼ばれる3人を交互に見るしかない。
ブンッと音がしたと思えば男の1人が消える。
カァァンと鉄同士がぶつかる音が聞こえ、隣に居たゼオが吹き飛んだ。
隣にはタックルの体勢をした男がいたのだ。
「へっ?」
目だけで吹き飛んだゼオを追う。
ゼオは切断された女性の首が置かれたゴミ箱に追突していた。
ビュッと風切り音が聞こえ男が斧状になった鉄パイプをゼファーに振った。
「あっっ!ぶね!」
寸でのところで避けるが斬撃の嵐。
避ける事に集中しているので服を掠めてはいるが避けれている。
「1人じゃねぇぞぉぉぉ!!」
もう1人の男が叫びビュッと音が鳴る。
尖った鉄パイプがゼファー目掛け放たれた。
「まずいっ!」
しかしそれはゼファーの横っ腹に突き刺さり、身体がゼオの吹っ飛んだ方向にぶっ飛ぶ。
「ゼファー!!…ちっ!早ぇなあいつら…!」
ゼオが立ち上がり男達を睨む。
ゼファーの身体は鉄パイプごと壁に突き刺さり、身体が浮いていた。
「大丈夫かゼファ…おおぉ!立派なモン生えてんじゃねーか!」
「ふー…いいから抜いてよこれ、降りれない」
「はいよ」
ブシッと体から鉄パイプが抜かれる。
「あんがと、奴ら早いぞ、いける?」
「いや行くしかねぇ」
手を黒煙のブレードにし、男達に突っ込み振るう。
「らぁ!」
男は軽々とそれを避けた。
「ちっ…早えぇ!」
「おせぇなガキぃ…」
猫背なくせに、動きが尋常じゃなく早い。
「うらぁ!」
ゼオが持っていた鉄パイプを投げる。
だが男はキャッチボールをするかのように軽々と取った。
ビュン ブォ
斧状のパイプを持った男の次々と襲い来る攻撃。
必死に避けてはいるが、何度か当たり、腹から内臓が飛び出る。
「くそっ!くそっ!早ぇ!」
「ひゃひひひひひ!」
ドスッ
男がゼオに鉄パイプを突き刺すがゼオはその突き刺した鉄パイプを掴むとびちゃびちゃとパイプの根元から血が流れ落ちる。
「離せガキィ」
男が拳を振り上げゼオの顔面を殴打。
「ぶっ…やだね…」
ゼオは鉄パイプを掴んだまま、鉄パイプに黒煙を纏わせる。
次の刹那、ゼオを突き刺した男の股間から鉄パイプが生えていた。
「ヒ、ヒギャァァァァァァ!」
男は仰向けに倒れ、股間を抑える。
それを見た他の男が、動きを止め、ゼオを見る。
「なにやった…てめぇ…」
「粗チンから巨根にしてやったんだよ」
ゼオは突き刺さった鉄パイプを抜き、右手からもう一つ鉄パイプを出現させた。
「なるほど…捨て身で考えたねゼオ」
「こいつら今のところ奪ってこねぇ…まっっじイラついてるんだけど!!うらぁ!!」
ドスっと音が聞こえ股間に鉄パイプが刺さった男の胸にもう一本新たに鉄パイプが生えた。
「ひ、ひぃぃぃ!あいつら…バケモンだ兄貴ぃ…!」
もう1人が足を震えさせながら後ずさり逃げる。
ドンッと地面を蹴るゼファーが猛スピードで逃げた男に近づき、黒煙を纏わせた脚で防具が全く無い生身の脚に回し蹴りを喰らわせる。
ベキベキと両脚は折れ、皮膚から骨が突き出す。
「ヒギャァァァァァァ!」
「逃げても無駄だよ、速さも俺たちのが上なんだ」
「ナイスゼファー、…てあれ?もう1人は?」
「言ってるそばから逃げられたかも」
「ちっ…クソが短小包茎野郎、お前らもそうだけど、ろくでもねぇ兄貴だなおい」
ゼオは手に黒煙を纏わせブレードにし、まだ息がある胸に鉄パイプが生えている男の脚の間に先っぽを刺す。
ゼオはそのまま平然とした顔でゼファーの元へ前進した。
「あ゛っがっがっかっ…けはっ」
「ゼファー、まだ殺すなよそれ」
そう言うゼオの後ろには、縦に二つになった男が転がっている。
「さぁて、質問タイムだ」
「ひっひっひっぃぃぃ…」
「FEARっつったな、どうやってDarknessを奪う?」
「だ…誰が言うか…」
ゼオがドチュっと脚が折れた男の股間に蹴りを入れる。
「い゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!」
「ちゃんと答えなちゃい、もう一個も潰すよ」
「うっわ…痛そ…見てるこっちも痛くなる」
「もう一回聞くぞ?どうやってDarknessを奪う?」
「す、水晶だ…透明の…使い方は解らない…本当なんだ!嘘じゃない!」
「はぁ?水晶??占いでもすんのかよ?あー、まぁいい、てめぇらの上は誰がいる?」
「ブレードガール…か、かまいたちに…ロリータドール…」
「それだけか?」
「そ、それと、えっと…」
「遅い」
パァン
出現させた銃で残りの一つも粉砕する。
「ウガァァァァァァァ!」
「最後の質問だ、一番偉い奴は誰だ?」
「お、お前らも知ってる奴だ…言わなくても」
「知るかボケ」
パララララララっと男の顔に銃弾を浴びせる。
もう質問には答えられない顔に変形してしまった。
「んー?知ってる奴ってさ、話の流れ的にニコルズ…的な?」
「帰ったら尋問だな、性癖を社員全員に公開させるって脅して」
「かわいそ」
「さて、ピーピータイムだぜゼファー」
ピィィィィィィ
笛が鳴り、街の女性の安全が少し守られた。




