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Slaughter  作者: はく
10/26

case file

「ん~……」


何やらゼオが神妙な顔つきで新聞を眺めている。


「どうしたのゼオ、新聞見てるなんて珍しい」

「どう?賢く見える?」

「いや、全く見えないよ」

「なんだと!?俺だってほらここ!あのー……これだ」


ゼオが文字を指さす。


「英語でなんて書いてあんだこれ?」

「結局分からないんかい」

「分かるわけねーだろ!俺は日本人なんだ!でもおかしいよな、この作品は色んな人種が出てんのに普通に日本語で話してる、そこの読んでるお前も思うよな」

「メタ発言やめな」

「だってそろそろ言わないと!この作品は某デッドなプールをパクってグロい描写入れときゃいいって著者だけが自己満足してるオナニー作品だと思われるだろ!」

「はぁ…もういいから、で?新聞にはなんて?」


ゼファーが新聞を横から覗く。


[またも、女性の全裸首切断遺体]


[8度目、男児連続殺人事件]


[原因不明の病か!?痛みも無く手足が落ちる]


「なんかさぁ、昭和の新聞みたいな書き方だよな、何が起きたか一瞬で分かるやつ」

「英語分からないんじゃないの?」

「著者の都合ってやつ」

「でもまぁ…物騒だねぇ」

「はっ!物騒な俺達が言える事か?」

「まぁそうだけど、1番下の病は置いといて上2つは悪い奴らがやってるんでしょ?」

「3つ目もそうだよ、じゃなきゃ著者は書かない」

「そろそろメタ発言しつこいよ」

「ごめんごめん」

「えーっと…女性を強姦し殺害、首を切断して路上に放置したと見られる、手口等から犯人は複数人と予想、暴行、殺人、死体遺棄の容疑で現在犯人を捜索中」

「わぁーおイカれてんなおい」

「強姦以外は俺達と変わらないけどね」

「確かに俺らやってる事もっと惨いよなーー」

「それなのによく新聞に載らないね、Slaughterって文字も見た事ないよ」

「いちいち書いてたらこの作品は進まなくなるだろ」

「ゼオ…当分メタ発言禁止」

「ピュウ…だってさごめんなみんな」

「あと「」と会話文が多くて見ずらい」

「それはしらねーよ!俺に言うなって!」

「ともかく、ニコルズさんに調べてもらおうよ」


ゼオの両肩をポンと叩く。


「そうだなー」


ゼオが立ち上がり、部屋を出る。

その後を追い、ゼファーも部屋を出る。

エレベーターに乗り研究所の階へ。


「どーこっかなー?おっさんは」

「あ、あの奥にいるのそうじゃない?」


扉のガラス越しにパソコンと書類を交互に見るニコルズの姿とホワイトボードの前で話し合ってる研究員。

そのホワイトボードは簡単な絵と数字が書いてあるが意味は解らない。


「お?みーっけた!」


ドン

ゼオが扉を蹴る


「新撰組だ!御用改である!」

「うるさいよゼオ、みんな仕事中だよ」

「はは…やぁ君達、今日も賑やかだね」

「新聞みたぁ?」

「あぁ、今朝の新聞だね、拝見したよ」

「なら話は早ぇ、全部調べといて」

「い、いきなり過ぎないかい?ちょっと待っておくれよ」

「こうしてる間にも罪なき人々が……」

「わかっているよ…仕事が溜まってて…」

「うるせー強制シャットダウンさせちまうぞ」

「わかった!調べるから勘弁しておくれ!」

「おーー!物分りいいねー!メガネかけてるだけあるわ!」


押しに弱いニコルズは半ば強制的に調べさせられる事になった。


「えーと…遺体の発見は早朝、犯行時刻は深夜と見られる、怪しい3人組の目撃情報あり、と」

「なぁ、ゼファー、お前が路地裏で待ってりゃいいんじゃね」

「Я не женщина, это было бы даже мужчина Ши」

「え?なに?なんて?」

「ちょっと2人とも少し静かに…」

「AVに夢中だってよ」

「俺もう嫌、国に帰る」


ピッピッピッピッ

ゼオが意味無く笛を鳴らす。


「うるさぁぁぁぁい!」

「お?なんだこのボタン、押してみていい?」

「あちょ!もう押して…」

「なんか数字いっぱい出てきた」

「こらっ!……ん?これは……」

「ついに円周率が割り切れたぞゼファー」

「いや、通信記録だ、無線、携帯、インカムの電波まで、どことどこが通信を行ったかが分かる」

「やっぱりな、俺には全部お見通しだ、で?説明してくれ、よく分からない」

「犯行場所、数m誤差はあるが夜の10時頃通信の記録があるね、この場所は夜人通りがほぼない、それと…」


ニコルズがPCの画面を衛星地図に切り替える。


「この倉庫だ、この倉庫と通信の記録が残ってる」

「つまりニコルズさん、この倉庫と通信がある場所へ行けば犯人に会える?」

「確証はできないが恐らくそうだと思うね」

「頭いいなお前ら、俺にはさっぱりだ」

「そしてこの記録されている電波を使えばこの犯行場所の昨日の衛星写真が見れる」

「そんな事できんのか?」

「うちの会社だけだよ」


ニコルズがカタカタとキーボードを叩くと画面に上空からの写真が映し出された。

ズームすると何かが映っているが画素が粗くぼやけている。


「今クリアにしてみるね……ビンゴ…これだ…」


映し出されていたものは悲惨なものだった。

首のない全裸の女性。

それに重なる様にガラクタの様な装備を纏った人影。

左右にも同じ様な装備をした2人。

3人共に下半身を露出させている。


「きっっしょ」

「これは…酷いな」

「……通話音声も聞けるけど…聞くかい?」

「あぁ……聞きたかねーけど」


ニコルズは音量ボタンを上げ再生を押す。


『…ッザッ…パイプボーイ…ザザッ…いなかったのかい?奴らは?』


艶やかで強そうな女性の声。


『……ザッ…ブレードの姐ぇ…全くいなかったぜ…それよりさぁ…ザザッいい上玉がいてよぉ…』


明らかに下衆の様な男の声。


『またかい…ザ…ちゃんと探してきなっ……ザッ…』

『必ずいつか見つけるぜぇ…おぉ~…それより締まりがよくてよぉ…』

『…ザ…ザザッ…気持ち悪い…プッ』


会話が途切れる。


「気持ち悪ぃ、ゲロ吐きそ」

「聞かなきゃ良かったね」

「パイプボーイとブレードの姐、なんだろうね」

「呼び名的な何かか…」

「会話から誰かを探している様だったけど誰の事だろう」

「今まで起きた犯行場所はそう遠くない、この周辺を3日も出歩いていれば会える確率は高くなるんじゃないかなぁ」

「おっけおっけ、きしょくわりぃから早くぶっ殺すわ」

「引き続き調べてみるよ、何か分かったら連絡するね」


その後ゼファーとゼオは部屋に戻り、部屋着から清掃服へと着替えた。


「今日はどうするの?」

「んーー、てけとーに歩くかー」

「今はもう夜だよ、部屋にいない?」

「別にいいけどよ、また、うっすいフィッシュ&チップスは嫌だぞ」

「カチカチのパンはいかが?」

「…はっ、随分豪勢なこった」


ピリリリリリ

ゼオの携帯が鳴る。


「あん?おっさんじゃねーか、もしもーし、なんだよ部屋来りゃいいじゃん」

「ニコルズさん?」


ゼオが小刻みに首を縦に振る。


「え?まじで?早くね?電波?東のサック通り、あーーーあの路地裏ね、おっけ 行くわ」

「もしかして」


ゼオが携帯をしまう。


「そのまさかだ、仕事が早いねー!」

「行こう」

「ぶっころぶっころーー!」


2人は部屋を急いで出た。


エレベーターに乗ったゼオは何故か最上階のボタンを押す。


「なにしてるの、上だよそれ」

「いーのいーの、こっちのが早い」

「ん?どゆこと」


屋上に着いた2人は方向を確かめる。


「東地区、こっちだな」

「ううん、真逆ね、こっち」

「おおーこっちかサンキュ」


そう言うとゼオは足に黒煙を纏わせる。


「よっしゃーーーー!!うおぉぉぉぉ!」


ドッ

地面にヒビが入り、ゼオが猛スピードで走り出す。

そして尋常ではない高さの跳躍をし、ビルから飛び降りたのだ。


「うわーー…なるほどね、確かに早いわー……」


ゼファーも足に黒煙を纏わせる。


「怖いなぁ……でもしょうがない」


ダッ

風を切り屋上から飛び降りる。


「おぉぉぉぉぉ!」

「た、高い高い高い!!無理無理無理ぃ!!」

「こっちを選んだのはゼオだろーーー!」

「お、俺は高所恐怖症なんだよーーー!!」

「なんじゃそりゃ!」


ゴシャドチャァ


別の建物へ着地と言うか、落下と言っていいだろう。

ゼファーは下半身、左腕が砕け、ゼオは頭から落ちた為頭部破裂、左半身複雑骨折。


「あー怖かった」


隣を見るとゼオはまだ頭を修復中だ。

2人は完全に修復すると


「ゼオ終わった?さて、先を急がなきゃ」

「ちょっとチビったかもしれねぇ」

「乾く乾く」

「うんこの方だとしたら?」

「……まじ?」

「なわけねーよ」

「あーびっくりした」

「行きますかー!」


2人は再び走り始め、建物と建物の上空を走り飛び、東地区へと向かった。

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