【07】 住民課長鬼塚の証言 ~「課長と戸部さんは先にお帰りください」~
丹沢「わかりません。私が置いてけぼりを食ったんですかね。私とその女性とが、話している間に他の二人は帰ってしまいました」
人事課長「そんな馬鹿な!」
立浪「では、丹沢さんが『ここに残りたい』と言ったわけではないんですね?」
丹沢「はい、言ってません」
人事課長「嘘だ! お前が『どうしてもここに残りたいから、二人とも先に帰ってください』と、言ったんだよ」
秘書課長「他の二人の職員とは誰なんですか?」
中牧「それについては、私が調べました。住民課長と住民課の戸部主任でした」
秘書課長「じゃぁ、住民課長にお越し願って、証言してもらいましょう」
立浪「はい、わかりました」
立浪が内線電話で住民課長を呼び出した。
しばらくして鬼塚住民課長が502会議室にやって来た。
立浪「お忙しいところ誠にすみません。ちょっと確認したいことがありますので、証言していただけますか?」
鬼塚「はい、わかりました」
立浪「ハッピーハイツには、職員3人で行ったんですよね」
鬼塚「はい」
立浪「その3人とは、誰ですか?」
鬼塚「私と戸部と丹沢です」
立浪「帰るときは、課長と戸部さんの2人で帰ったんですね」
鬼塚「はい、その通りです」
立浪「なぜ、帰るときは2人だったのですか?」
鬼塚「丹沢が『私は少し残ります。課長と戸部さんは先にお帰りください』と言ったからです」
丹沢「嘘だ!」咄嗟に出た。
立浪「丹沢さんは、黙っててください。今は、住民課長に聞いているのです。住民課長、間違いないですね」
鬼塚「間違いございません」
人事課長「やっぱりな」
人事課長がニヤリと笑った。
立浪「鬼塚課長、ありがとうございました。職場に戻られて結構です」
鬼塚住民課長が退室した。
秘書課長「証人も出ましたね。『故意に残りたい』ということが判明しましたね」
立浪「そうですね」
丹沢「そんなぁ」




