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【08】 丹沢に対する処分の内容 ~人事課長「退職では?」~

秘書課長「女性を襲おうと思ったかはどうかとして『上司を帰し勤務中に女性と2人きりで相手の部屋に居た』ということだけでも処分の対象にはなるんじゃないですか?」

立浪「人事課長、何かありますか?」


人事課長「あとは、私たち課長同士で、ということで、丹沢君はもういいだろう」

立浪「わかりました。丹沢さん、もういいです。退室して結構です」


 丹沢は、納得のいかないまま中途半端で退室させられた。


人事課長「処分の内容ですが?」

秘書課長「そうですね、どうしましょう?」

人事課長「退職では?」


秘書課長「それは無理でしょう」

人事課長「降格させる、と言っても、彼は役職に就いているわけでもないし、これ以上落ちませんな。ははははは」

秘書課長「……」


人事課長「では、停職?」

秘書課長「減給というのもありますよ」

人事課長「立浪君、例規上はどうなんだ?」


立浪「はっきりと例規にはうたってありませんが、減給ですかね。あとは、その減額割合と月数の問題ですね」

人事課長「月給の全額支給停止と半年ですかね」


秘書課長「それは、ちょっと重すぎるでしょう。3割カットで1か月では」

人事課長「ちょっと甘いですね。それでは市民の理解が得られないでしょう」


秘書課長「3割カットで3か月では」

人事課長「まぁ、甘いですが、妥協しましょう。じゃぁそれで、鈴木君、後で起案書、上げておいて」


秘書課長「管理者としての住民課長、住民係長も処分が必要ではないですか?」

人事課長「あぁ、そうか。では、3割カット1か月で」


秘書課長「そうですね」

鈴木「わかりました」


人事課長「それと、決裁が下りたら、掲示板に載せておくんだぞ」

鈴木「わかりました」

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【後書き】

本作をお読みいただき、誠にありがとうございました。


物語の着想は、役所という「もっとも堅苦しく、もっとも誤解を招いてはいけない場所」で、もしも「男女が抱き合っていた」という扇情的なクレームが入ったら……という皮肉なシチュエーションから始まりました。


執筆にあたって特に意識したのは、**「事実」と「解釈」の乖離(かいり)**です。

隣人の老女・和子が見た「抱き合っている」という視覚的情報。


それを受けた人事課長が、自身のバイアス(あるいは悪意)によって「襲おうとした」「性的欲求を満たそうとした」と物語を飛躍させていく過程は、組織における「印象操作」や「決めつけ」の恐ろしさを象徴させています。


また、本作のもう一つのテーマは**「組織の不条理」**です。

丹沢の「抱きつかれた」という主張や、現場の状況、そして上司である鬼塚課長の証言との食い違い。


読者の皆様には、密室で何が起きたのかを想像していただくと同時に、本人の弁明が届かないまま淡々と「処分の重さ」だけが天秤にかけられていくヒアリングの空気感、その滑稽さと空虚さを感じ取っていただければ幸いです。


住民課窓口での縁が、なぜハッピーハイツの一室での「抱擁(あるいは抱きつき)」に至ったのか。その真相は、時に組織の倫理規定よりもずっと複雑で、個人的な感情に根ざしているものかもしれません。


最後になりますが、お役所仕事の裏側にある人間臭い(あるいは人間味の欠けた)ドラマを楽しんでいただけたなら、作者としてこれ以上の喜びはありません。

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【作者よりポイント応援のお願い】

最後までお読みいただきありがとうございます。


あらぬ疑いをかけられ、窮地に立たされた丹沢。果たしてこのまま不当な処分を受けてしまうのか……。


もし「続きが気になる!」「丹沢頑張れ!」と思ってくださったら、下にある**【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】**にして応援していただけると、執筆の大きな励みになります! ブックマーク登録もあわせてよろしくお願いいたします。

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