【04】 人事課長の追求 ~でたらめ言ってんじゃないよ!~
立浪「丹沢さん、ここまで間違いないですか? それとも相違があれば、どうぞ発言してください」
丹沢(うーん『抱き合っていた』のか、それとも『抱きつかれた』のか?)
丹沢は、言った方が良いのか、言わない方が良いのか考えてしまった。
人事課長「なに、黙ってるんだ! 聞かれたことに、早く答えろ!」
丹沢「あ、あっ、はい」
立浪「なにか、違うところがありますか?」
丹沢「はい、しいて言えば、『抱き合っていた』のではなく、『抱きつかれた』という表現の方が正しいかと」
立浪「向こうが勝手に抱きついて来たということですか?」
丹沢「まぁ、はい」
人事課長「お前は、相手が勝手に抱きついて来た。だから、相手のせいだ。と、言いたいんだな」
丹沢「いえ、そこまでは、」
人事課長「自分は悪くない。だから、倫理条例に違反してないってかぁ、」
人事課長の声が、段々声が大きくなった。
丹沢「……」
人事課長「お前、相手のせいにして、この場から逃げようとしているんじゃないのか?」
丹沢「そんな。とんでもございません」
人事課長「じゃぁ聞くが、抱きつかれたという証拠は、どこにあるんだ?」
丹沢「ありません」
人事課長「ほら、見ろ! でたらめ言ってんじゃないよ! 抱きつかれたのなら逃げればいいじゃないか。お互いで抱き合ってイチャイチャしてたんだろう、昼間っから」
丹沢「それは、違います。イチャイチャなんかしてません!!」
人事課長「なんだぁー、その言い方は。上司に向かって」
人事課長が丹沢をにらみつけた。
秘書課長「まぁまぁまぁ」
人事課長「こいつが嘘を言うから、つい」
秘書課長「二人で『抱き合っていた』のか? 一方的に『抱きつかれた』のか? ここは、重要なところじゃないですか。それによって、処分だって変わるかも知れない。そうでしょう、人事係長」
秘書課長は、口論している二人以外の者に話を振った。
立浪「そうですね。処分の軽重に関わりますね」
秘書課長「丹沢さんとその女性は、以前からの知り合いなの? それともうひとつ、どういう関係なの?」
立浪「丹沢さん、今の二つの質問に答えてください」




