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34話 あの人は誰?

「よう」

「やあ」


 朝。

 いつものようにフィーと一緒に学院に向かっていると、アレックスとジークと出会う。


「おはようございます、アレックス、ジークさま」

「おはようございます」


 私とフィーが挨拶をすると、二人も挨拶を返してくれた。

 せっかくなので、このまま一緒に学院に向かう。


「ところで、お二人はこんなところでどうされたのですか?」

「え? あー……ぐ、偶然だよ」

「そうだね、偶然だね」

「はあ、偶然ですか」


 そんな偶然、あるものだろうか?

 そもそも、二人の家はまったくの別方向だったような……?


 ちょっと気になるところはあるものの……

 でも、二人がそう言うのなら、そういうことなのだろう。

 うん、深くは気にしない。


「僕も聞きたいことがあるのだけど」

「はい、なんですか?」

「昨日、見知らぬ女子生徒と一緒にいるところを見たのだけど……彼女は知り合いなのかい?」

「ああ、ネコのことですか」

「猫?」

「いえ、動物の猫ではなくて。彼女、ネコという名前なのです」

「ネコさんは、アリーシャ姉さまのクラスにやってきた転入生みたいです。それで、昨日、一緒に帰って私達と友達になりました」


 フィーがそう補足してくれた。

 しっかりと説明ができるフィーは、天才かもしれない。

 いや、天使かもしれない。


 さすが私の妹。

 世界の財産である。


「なるほど、転入生……か」

「それがどうしたのですか?」

「……いや、なんでもないよ」


 なんでもないという感じではないのだけど……

 しかし、ジークはそれ以上を語らない。


 本人が言うように大したことないのか。

 それとも、私達に話すことができないようなことなのか。


 彼がなにを考えているか、それはわからない。




――――――――――




「おはよう、アリーシャ」

「おはようございます、ネコ」


 教室に入ると、ネコが太陽のような笑顔で迎えてくれた。

 正直、癒やされる。


 でも、妹の笑顔以外で癒やされてしまうなんて……

 姉失格では?


 違う、違うのですよ、フィー。

 私はフィーが一番。

 でも、ネコは友達なので……


「アリーシャ?」

「……いえ、なんでもありません」


 怪訝そうな視線を向けられて我に返る。


 フィーのことになると、たまに我を忘れてしまうことがあるのだけど……

 うーん。

 少し気をつけた方がいいかもしれない。


「ねえ、アリーシャ。週末の休日、時間あるかな?」

「週末ですか?」


 特に予定はない。

 フィーとイチャイチャして過ごそうと思っていたくらいだ。


「特には」

「なら、お願いがあるんだけど……この街を案内してくれないかな?」

「街を?」

「私、少し前に引っ越してきたばかりなんだ。だから、どこになにがあるのか、よくわからなくて……あと、できればアリーシャのオススメのお店とか教えてくれると嬉しいな」


 なるほど。

 そういえば、主人公の親友は別の街からやってきたという設定だった。


 確か……

 親が商売に成功して、その都合で王都に。

 お金がなくて学院に通うことができなかった親友も、ようやく登校できるように。


 そんな感じの設定だったと思う。


 そんな中、親友はメインヒロインと出会う。

 歳の差はありつつも、二人は仲良くなり……

 街の案内をしたことがきっかけとなり、親友となる。


 あれ?

 なんで私が誘われているのだろう?

 私は悪役令嬢なのだけど。

 誘うのならフィーでは?


「ダメ、かな?」

「いえ、大丈夫ですよ」


 疑問はある。

 フィーとイチャイチャできないのは残念だ。


 でも、ネコのことは、どうしてか放っておけなくて……

 私は笑顔で承諾した。


「よかった! ありがとう、アリーシャ」

「いいえ。街の案内くらい、いつでも大丈夫ですよ」


 こうして、週末はネコと一緒に過ごすことに。


 この時は友達と過ごす時間を楽しみにしていたのだけど……

 その夜、とんでもないことを思い出すのだった。



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【家を追放された生贄ですが、最強の美少女悪魔が花嫁になりました】
こちらも読んでもらえたらうれしいです。


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現代ラブコメです。こちらも読んでもらえたらうれしいです。
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