冒険者カード
宿に着きレイちゃんに挨拶してから部屋に戻った。
部屋に戻るなり、ペンダントからムスッとした声が聞こえてきた。
「ねぇ、私お腹空いたんだけど...?」
あぁ、すっかり忘れてた。
「そうだな、夕飯の時間になったら少しわけてやるよ。」
「レディを待たせるなんて、もぅ。」
ペンダントが光る。
「おい、あまり目立つんじゃないぞ?」
「私のこの美貌に目が眩んで、壁にぶつかって記憶喪失にでもなるでしょ。」
「はぁ、一応フード被ってけよ。
俺は夕飯までの時間さっき手に入れた冒険者カードとやらを調べてみる。」
「はぁーい。」
声が聞こえなくなったのを確認してから椅子に座り、冒険者カードを手に取った。
裏返してみたり、つついてみたり、曲げてみたりしてみたが傷一つ付かなかった。
何の素材でできているのだろか。
試しに投げてみた。
軽く投げてみたが、落ちることなく壁に突き刺さった。
「ふむ、面白い性質をしているな。」
投げる前と投げた後で上下左右同じかつ確かに突き刺さったように見えたが、よく見てみると壁の一歩手前で静止している。
目を細めよく見てみると、カード自体に魔法のような薄い膜が張られていることに気付いた。
カードを回収し、指に力を込める。
指が熱くなっていき、次第に燃えているかのような感覚になった。
関係なく力を強くしていくとパリンッと音をたてて膜が割れた。
「まぁまぁ硬かったかな。
なるほど、防壁系の応用魔法だな。」
再びカードを観察する。
側面に軽く触れたら、手の肉が削れ血が溢れた。
「こりゃぁ鋭利ってレベルの代物じゃないな。
余裕で凶器になりうる。」
落ちた肉片を切れ目にくっつけ、水をかける。
すると、何事もなかったかのように肉片はくっついた。
これ以上何もすることが無いので、ベッドに横たわり眠ろうとした。
その瞬間耳を切り裂くような嫌な音が街中に響いた。
慌てて飛び降り、部屋を出る。
廊下には慌てた様子のレイちゃんと俺と同じように何が起きたか分からない様子の宿泊者がいた。
「み、みなさん!落ち着いてくださぁい。
お、おかーさん!」
レイちゃんの声に気付いたのかクァレーさんがやってきた。
「この警報音が鳴るということは天使がやってきたんだい。
あんた達は部屋に戻って隅っこでおとなしくしてな!
冒険者には悪いけど手伝ってもらうよ。」
何名かの宿泊者が部屋に戻り廊下には俺含め5人が残った。
「あんたも冒険者だったのかい。」
「ついさっき成りたての新米ですけどね。」
「そりゃぁ気の毒に、でもそんな悠長な事言ってられないんだい。
急いで冒険者ギルドに行ってちょうだい!」
クァレーさんの指示の下、日中いた冒険者ギルドに再び行くことになった。




