冒険者ギルド
コンコン。
ドアを叩く音が聞こえたので目を開け身体を起こし返事をする。
「お客さーん、ご飯の時間おわっちゃうよー。」
「今行きます。」
そのままの格好で一階へと行き、食堂に向かう。
「やっと来たね、そういやあんた名前は?」
「グレイスだ。好きに呼んでくれて構わない。」
「私はクァレーでこっちが娘のレイだ。」
「グレイスさんよろしくねー。」
簡単な自己紹介も終わり、ご飯を食べる。
周りを見てみると食堂には俺しかいなかった。
「お昼の時間帯は人少ないのですか?」
「みんな、大通りの飯屋に行ってるんだ。
数年前に出来て、みんなあそこの飯屋に客を取られちまったんだ。」
「こんなに美味しいのに勿体ないですね。」
「お世辞でも美味しいって言ってくれて嬉しいよ。」
お世辞ではなくほんとに美味いんだがな。
特にこのお肉。
噛めば噛むほど旨味が溢れ、特製ソースの酸味と抜群に合い、飯が進む。
あっという間に完食し、情報を集めに宿を出た。
「いいなぁ、私も食べたかったなぁ。」
「おまえが出ると色々大変だから、引っ込んでな。」
「ちぇーっ。」
とは言え一週間何も食べれないのもかわいそうだ。
適当に屋台で売っている串に刺さった焼肉でも買おうと思ったが、今手持ちには金貨しかないんだ。
不便だなと思ったため、人に聞いて、冒険者ギルドとやらに向かうことにした。
大通りを進み、突き当りを右折するとそこには大きな建物が建っていた。
ドアを開け、入ってみると野蛮な格好をした者からある程度常識的な服装をしている者など様々いた。
一瞬視線を感じたが受付と書かれている場所に向かい、声をかけてみた。
「すみません。」
「はい、ようこそ冒険者ギルドへ。
本日はどうなさいました?」
「今日の早朝、この街に来た者なのだが、硬貨の換金が出来ると聞いてやってきた。」
「はい、かしこまりました。
こちらに交換したい硬貨を置いてください。」
とりあえず、5枚ぐらいの金貨を置いてみた。
「金貨ですか!?それに5枚も!」
「少ないか?」
「いえいえ、貴重な金貨をお持ちで少々驚いてしまいました。
交換が終わるまで少々お時間がかかるので番号札をもってお待ちください。
次の方、そうぞー。」
てな感じで番号札を受け取ったのでそこら辺の椅子に座って待つことにした。
待っている間暇なので、家から持ってきていた本を読むことにした。
本を開いて数分、男に声をかけられた。
「おい、お前。珍しい物持ってんな?」
「俺らに分けてくれねえか?」
声のする方を見てみると男が二人いた。
二人とも野蛮な格好で腰に剣を携帯していた。
特に気にする程度のことでもなかったので、そのまま無視して本を読み続けていると、本を奪われた。
「その本返してくれないか?」
「この本と金貨で交換でどうだ?」
「兄貴いいっすね!」
「お前らにあげる義理は無い。
本を返してくれないか?」
「金貨をくれたら考えてやるよ!」
面倒な奴らに絡まれた。
周りを見てみても視線を逸らされるし、どうしたものか。
呼んでいた本の続きが気になるので少し威圧してみた。
「その本を返してくれないか?」
ちょっとだけ威圧してみただけなのに二人まとめてその場で泡を吹いて倒れてしまった。
倒れる前に本だけ回収しておいた。
ちょうど番号を呼ばれたので、寝そべってる二人を椅子に座らせておいた。
「あ、交換終わりましたので確認お願いします。
銅貨50枚、銀貨30枚、白銀貨20枚でよろしいでしょうか?」
と、言われてもあんまよく分からないのでとりあえずそれでいいや。
「はい。」
「ありがとうございました。
ところで、まだ冒険者ギルドには登録されていませんよね?」
「まぁ、はい。」
「ついでに登録していきませんか?すぐ終わりますよ。」
「じゃぁ、お願いします。」
そう言うと受付嬢は机からキットみたいなのを取り出した。
「じゃあここに血でサインをお願いします。」
小さな針で指に穴をあけ、出てくる血で名前を書いた。
書き終えた瞬間、血が赤く光った。
「はい、これが貴方の冒険者カードです。」
渡されたカードには名前とEという文字が刻まれていた。
「依頼や討伐を達成していくとランクが上がっていきます。
初心者はE、依頼や討伐内容にもよりますがD、Cと上がっていき一旦Bランクで試験を受けていただきます。
Aランクに到達した際にも同じように試験を受けていただき、突破したうえで緊急討伐クエストを達成していただくと晴れて最高ランクのSランクにンなることが出来ます。
Sランクは全体の1%程度しかおりません。
基本的にランクが上がるごとに受けれる内容や報酬が上がっていきます。
Aランク以降は国や冒険者ギルドからの直接依頼などありますがその分、良い報酬が与えられます。
ぜひ頑張ってください!」
「長々と説明ありがとうございます。」
「良い旅路で!」
硬貨の交換ついでに冒険者カードもゲットし、気分がよくなった俺はそのまま宿に直行した。




