閑話 次の目的地
トレッド街が見下ろせる小さな丘へと到着した。
冷たい朝の風を肌で感じる。
街を取り囲むようにそびえ立つ壁には初めて来た時とは違い、どこか寂れているように感じた。
「エディ、用事を思い出した。
付き合ってくれるか?」
振り向くとエディは少し困惑していた。
「久方ぶりのお外に、何か用事なんてあったかしら...。」
「いや、これは俺の用事だ。
久しぶりに顔も見てみたいし話もしてみたい。
それに、大事なことも伝えないといけないしな...。」
「ふ~ん、グレイスもそんな顔するのね。」
俺の方をまじまじと見つめてくるエディに聞いてみた。
「そうか?俺だって生き物さ。
落ち込むときはとことん落ち込むし、怒り、憎しみ、喜び、共感だってある。
涙はとっくに枯れてしまったけどな。」
「そ、そう...。」
「おっと、すまんな。
次行く国は、確かメギア地方のヒロンド魔国だったはずだ。
魔国っていうぐらいだから、魔法やら魔術やらに長けている国だ。
俺らが探している食べ物について何か知っているかもしれないしな。
さ、行こうぜ。
まだ、家から数歩出ただけなんだし。」
「そうね。
美味しい食べ物、あるといいわねぇ。」
両手を上にあげ、のびのびと背伸びをし再び目的地に向けて歩き出した。




